アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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Jun

16

2014

命という不思議

今年は2頭の牝馬に種付けをしようと決め、
遅いスタートだったが、5月初めからブリーディングをしてくれる牧場へ
何回も繁殖牝馬を運んでは発情状態を検査してもらっている。

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(モニターに接続してある小さなカメラを手のひらに持ち、牝馬の肛門から手を入れて中の様子を映し出す。)


競技馬として繁殖、育成をするレイニングホースは、
ほとんどすべての生産をアメリカでは人工授精によって行う。

ガナーズモール とその娘の デューリンウィズガナーズ が今年の繁殖候補だが、
この2頭、こちらの都合よく発情のサイクルが合うことを望むのは難しいのが分かり、
両方同時に種付けという浅はかな希望を持つことはやめにした。
タイミングが合えば2頭一緒に馬運できるときもあり、また1頭ずつという時も多い。

観念して週に3回くらいのペースで馬運を淡々とすることになった。
これが結構な時間を要し、また診察の結果を知る度にドキドキしたりで
何年やっても慣れることはなく、種付け時期は緊張から心身を消耗する。


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(馬の輸送は、馬の積み下ろしや運搬の最中など神経を使う仕事だ。)


先日、デューリンウィズガナーズ はやっと種付けをできる段階までこぎつけた。
ケンタッキーにいる Rowdy Yankee の精子を Fedex で取り寄せ、
種付け後には無事に排卵もあったのでやれやれと思っていたら、
2週間後の検査で妊娠は否。

精子を遠方から取り寄せるのは絶妙なタイミングを計らなければならず、
牝馬の排卵直前に種付けをして、翌日にまた種付けをする。

その間に牝馬の排卵が起こればしめたもので、
24時間以内に卵子が精子に出会うとオメデタという運びになり
一応大成功とみなされる。

種オスが遠方の牧場にいて精子を取り寄せる場合、
種オスの精子を採取するのは1日置きなので、
牝馬の発情の具合と精子の発送が可能な日(日曜日は不可)もそのタイミングの重要なポイントとなる。

そして、これらの全てが見事一致しないと仔馬は宿らないという、
とても繊細なプロセスだ。

デューリンウィズガナーズに関しては、
妊娠検査前から勝手にうまく行ったと思っていて、
期待に反した結果に私の落胆は大きかった。

繁殖を手掛ける牧場によって作業代の請求の仕方はさまざまだが、
私が依頼するところは1サイクルごとに請求されるので、
一度の種付け作業で妊娠しない場合は、さらに費用がかかる。

おまけに種馬が遠方にいるためその馬の精子の郵送料も加算される。
精子は「生もの」なのでゆっくりと普通郵便というわけにはいかない。
そのため、Fedex か精子採取したその日のうちに飛行機で飛ばし、
それを空港まで受け取りに行かなくてはならない。

この輸送は Counter to counter と言って繁殖牝馬に精子を届ける一番早い方法になるが、
1回につき万という金額がかかる。

ガナーズモール を6月12日に検査に連れていったとき、
排卵が近いという診断で翌日も要検査となった。
毎日の馬運は大変なため馬を繁殖牧場へそのまま預けることにした。

そして、13日の検査で精子の注文をする段階だと判断され、
種オスの繋養牧場へ連絡。
精子は14日の飛行機で運ばれることになった。

私は、その晩の8:50pmで到着する便に合わせて空港までカーゴで運ばれる精子を受け取りに行き、
その足で ガナーズモール を預けてある牧場へ直行。

牧場で待機していたブリーディングの作業をしてくれる人に小包を渡したときはホットした。
・・・・が、それもつかの間で、
検査で ガナーズモール はすでに排卵をしていたのが判明。

いずれにしろ、精子はすでに手元にあるので、
わずかなチャンスにかけて11:00pmに人工授精を行った。

がっくり肩を落としている私を見て、
排卵後、最長で8時間くらいまでは受精可能と作業をしてくれた人が慰めてくれたが、
前日の検査は朝行われているため、馬がいつごろ排卵したかは全く不明なのだ。

ガナーズモール に聞いたところで、
もちろん返事が返ってくるはずもなく2週間後の検査まで気を揉むこととなった。

生命を誕生させるまでのその神秘は、
人工的に操作されていても不思議を感じずにはいられない。

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(のんびりと草をはむ2頭には、人の苦労など分からない?)












2014/06/16 10:01:07 | リンク用URL

May

25

2014

本物への道〜ショーイングのオーラ (津田綾)

今回のグリーンウェイランチ来場時の目玉行事が本場での競技会観戦。
そして先日「Calolina Classic Derby]の観戦に行きました。
ドキドキ、ワクワクで当日は早く目覚めてしまいました。

この競技会に行く前からみどりさんからは「競技会観戦のレポートをブログに書くように。」と言われていたので、
「どんなものかじっくり見なくては!」なんて意気込んでいました。 
が、いざ現地に到着すると、メインコロシアムは大きくて立派で、中にはたくさんの観客席。
練習馬場も大きな覆い馬場。厩舎も何棟もある。
それを見ただけで舞い上がってしまいました。

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その日はプロクラスが夕方から開始されました。
勝った人馬は153点。2位は151点。それ以降は148点前後が均衡していた。

何人馬かを見ていき、私なりに感じた点数の伸びる馬のポイントは、スムーズでリラックスしていて、メリハリがあること。

当たり前と思われるかもしれないけど、勝負を挑みながら1つ1つのマニューバ、もっと言えば1歩1歩の肢さばきに注意しながら、このポイントを押さえているかがどれだけすごいことかを肌にとって感じた。

ある馬は技の1つ1つはキレがあるのに、馬自身から鬼気としたものを感じたり、またある馬は技と技の間が落ち着かない感じであったりして、そんな馬は点数が伸びていなかったことが印象的だった。
それと、勝負に挑むというライダーの気持ちもものすごく肌身に感じた。

このプロクラスの前のクラスはユースのクラスだったが、日本のプロも顔負けのショーイングだった。
ユースクラスだからと言って手加減はなしの真剣勝負。

みどりさんは競技会に出ていたころは他人と競う気持ちは無く、馬がショーイングでどれだけ良い結果が出せるかだけを考えて挑んでいたと言っていた。
その気持ちがどのライダーからも感じられた。

「私の馬を見て!」「私の馬に良い評価をちょうだい!」そんな気迫のこもったショーイングをプロでもユースでもしている。
私が見てきた日本のショーイングはミスを恐れて勝負に出ずに無難にまとめようとしていたり、反対にライダーが気合を入れ過ぎているのか、頑張らせようとしているのか馬がいらいらしてしまったり、怯えたように萎縮してしまったりしているように感じることが多い。
馬からもライダーからもワクワクするものが感じられないのだ。

今回の競技会での点数が伸びる人馬と伸びない人馬の私の個人的な率直な気持ちを言えば、その馬のショーイングを見てワクワクするオーラを出せるか出せないか。
そこが一番のポイントなのかもしれない。

馬がリラックスして、自ら楽しむようにマニューバをこなしていき、ワクワクしながらショーイングする。 
その人馬のワクワクのオーラが見る者にも伝染したとき、良いスコアが出るのだろう。
このオーラはここでしか味わえない。 
この現地でしか味わえない。

私自身がこのオーラの感染源となって日本のウェスタン界に伝染させたいと思う。 
私一人ではまだまだ力不足なので、もっともっとみんなが身をもって本場の競技会の雰囲気を味わい、オーラを感じ、感染して、日本での感染源がもっと増えたらと思う。

いつか私も本場のプロにも負けないオーラを出したショーイングをしたいな!

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2014/05/25 8:15:44 | リンク用URL

May

18

2014

研修生の視点から

昨日、久しぶりに競技会の観戦に行ってきた。
Paid Warm up も含めると、5日間に及ぶ大きなレイニングの大会だ。

グリーンウェイランチから車で1時間半北に位置するウィリアムストンという小さな町にある
Senator Bob Martin Eastern Agricultural Center という競技場で、 
キャロライナ クラッシック ダービー が行われた。
ここは町自体は小さいけれど、競技場は使い勝手の良い立派な施設が作られている。

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今回は絶好のタイミングで日本から2人の研修生が来ていて、
アメリカのレイニング競技を観戦してもらう良い機会だと思いみんなで出向いた。

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馬関係で渡米して15年、学生時代も含めるともうすぐ20年になるアメリカ生活から、
油断するとアメリカ感覚に染まりそうな自分に気付き、たしなめる事もある今日この頃。

私には日本人である誇りをいつまでも持ち続けたいという気持ちがあり、
どこに行っても日本人の礼儀正しさや人を思いやる感覚を大切にしたいと思っている。

ところが長く日本を離れると、私が感じる日本や日本人というのは、
15年前、渡米した時分の記憶の中だけにしか存在していない印象を持つ時もある。

そんなわけで、
私は日本から人が訪れると懐かしさ半分、興味半分で
今の日本を体感したくてわが祖国の現状を知るべく色々な質問をする。

余談になってしまうが、この前話を聞いて少し驚かされたのは、
「ゆとり教育」を受けた若い人たちの傾向だった。

「ゆとり教育」という言葉そのものはどこかで聞いたことがあるような気がする。
しかし、その教育方針?がどのようなもので、どんな結果をもたらしたのかは全然知らずにいた。

この「ゆとり教育」は長くは続かなかったらしいが、
もしその世代に育った若い人に会うようなことがあったら、
きっと外国人と接しているように感じるのかもしれない、などと思った。



さて、いつもの脱線劇は横において、
競技会観戦に一緒に行った津田さんには、あることをお願いした。

グリーンウェイランチのブログでぜひ彼女の目線で見たアメリカのレイニングについて、
感想を書いて欲しいと伝えてある。

今の日本のレイニング状況がよく分からない私には、
津田さんのように日本のウェスタン乗馬社会に身を置いて、
そこでの経験がまだ新鮮な人の感覚を持って、
アメリカのレイニングを感じることはできないからだ。

グリーンウェイランチには、立ち上げ理由の一つとして掲げた大きな目標がある。

それは、この牧場がいつの日か、
日本人が育成、調教したレイニングホースで、
日本人選手によってアメリカの大会に挑んでいくという、
そんな夢を実現させる場所となることだ。

これは長いプロセスとなるであろう。
もしかしたら、私だけがこの夢でカッカと燃えているだけで、
同じこころざしを持つ人は集まらずに実現しないで終わるかもしれない。

そうなったら、それはそれでよし。
けれど、なにも行動に移さず夢ばかりを語っている気持ちはさらさらない。

そこで、毎日牧場の作業に追われている津田さんには、
また一つ宿題が出るわけで、申し訳ないと思ったが、
アメリカのレイニング競技を見て、彼女が感じたものをぜひ書いてもらいたいと思った。

そのような作業はとても地味だが、
グリーンウェイランチに課した目標実現に向かって、
また何歩かの歩みになると期待してのことだった。

私自身も津田さんの考えを聞きたいし、
彼女の思いをブログ読者にもシェアしていただきたく、
次回に続くブログを彼女に託すことにした。


また余談。

昨日の競技会のジャッジとして訪れた中に懐かしい人がいました。
もうかれこれ17年くらい前に日本で行われたレイニング競技会で私が通訳を務めたとき、
ジャッジ、及びクリニックの講師として訪れたアレンミッチェルと再会。

その時のことを2013年9月13日公開のブログに書いてあります。
「肩のドロップ?? (メンテナンス5)」
http://www.greenway-ranch.com/blog/?id=344

アメリカでは、選手とジャッジの接点を避けるために、
遠くからジャッジを呼ぶためアレンとは日本の競技会以来話をしていないのと、
17年前のそのころ、私自身がレイニングにはまり始めたときだったので、
なにか面白いめぐり合わせのように感じて、ちょっとワクワクしてしまいました。








2014/05/18 22:31:03 | リンク用URL

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