アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

2017.August

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Aug

09

2017

みどりのThat's 録 (日本への旅)

流れ任せ、人任せで生き方を決めてしまう気ままな性分だが、
どうでも良いような細かいこだわりは持っている。

例えば乗り物に乗る時の座席の位置。
特に長時間乗る飛行機では必ず窓側を指定し、
空席がないときは便を変えてでも窓側に固執する。

周囲の人は、通路側のほうが動き易くて良いというが、
奥に座っている人がトイレに行く際、座席を立たなければならないし、
機内サービスの時は目の前を物や人の手が行ったり来たり、
通路の往来も気になってリラックスできないからだ。

機内では可能な限り目の前にある飛行状況の画面に目をやって、
窓から遥か下の陸地や海を眺め、
また雲海を見ながら空中移動を楽しむ。

建物があれば、あそこに色々な人たちの生活があるんだなぁ・・・とか、
山や海を見ればそこに生息している生き物に思いをはせる。

飛行機が低空飛行を始め成田空港に到着間近になると、
必ず探すのは美穂のトレーニングセンター。
JRAの競走馬を調教する大規模な施設で、
楕円形の走路が2面あり、近隣には沢山の厩舎と馬関係者の住まいがある。

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(写真はWikipediaから引用)

無事に日本の地を踏むことができると、
私には日本帰国の翌日に必ず会わなくてはならない人がいる。

馬を通して知り合い、そろそろ40年近くになろうかと思われる写真の人、
通称 「ツーコさん」。
友人と簡単に言ってしまっては罰が当たりそうな存在で、
様々な場面で何十年と力になってくれている。

長い間、私が安心して日本を離れていられるのも彼女がいてくれるから。
銀行の通帳と印鑑、カードを預けていて、
アメリカで資金が必要になるたびに送金してもらい、
日本で支払いが必要な時は代わりに手続きをしてくれる。

牧場を持つまでの歩みや金銭状況など、
家族より私の事を知ってる、唯一の人かもしれない。

それだけでも十分ありがたいのに、
毎月ツーコさんは、私が好みそうな日本のテレビ番組を録画して
10年以上一度も欠かさずに送ってくれている。
その年月と回数を考えると、ただ、ただ感謝の念に浸ってしまう。

お陰様で、日本の時事に遅れることなく、研修生やゲストが訪れても、
日本の話題についていけるので本当に助かっている。

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(日本帰国の初日、お互いに積もる話がつきない。
ZORROのオーナーが向かい合って話している所を撮影してくれた)

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そしてツーコさんと一緒に会ったのは同じく馬を通して知り合った、
ジュエリーデザイナーの今井さん。
このオシャレで素敵な紳士は、原宿にZORRO (ゾロ) というお店を経営していて、
貴金属を独自の感覚でデザイン、加工、販売するのがお仕事。

服やバッグ、靴は頓着することないが、
ヒカリもの好きな私は、会社勤めしている頃よくアクセサリーを買ったことがあった。
いつの間にかジャラジャラと集まった小さいアクセサリーを ZORROに持って行き、
世界で一つだけの形にリフォームしてもらう。

この前の日本帰国の初日にも、ツーコさんと一緒にZORRO へ出向き
もう身に着けることのない眠っているアクセサリーを今井さんにお願いした。
そして出来上がったのがこの指輪。

完成前にアメリカに戻ったので手元にはないけど、
そのうちどのような機会でいつ手元に届くのか・・・、
そんなことを考えながら実物を見る日を期待するのが今の楽しみ。

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2017/08/09 22:51:41 | リンク用URL

Aug

04

2017

みどりのThat's 録 (ヒアリ)

馬を飼育管理するのは、1年365日の仕事。
毎日、必ずやらなくてはならない作業があるので貧乏暇なしの生活だけど、
初夏から初秋にかけては他の作業も加わり更に忙しくなる。

まず、草刈り。
2週間ごとにガァーガァーとトラクターをうならせながら、
牧場全体を草刈りするのに、1日半かかる。
どうしてもトラクターが入れないところは手作業で除草剤を散布する。

馬小屋の住人?が増えるのもこの時期。
クモがどこからかワッサワッサと出てきて、あっという間に巣を張り巡らすので、
クモを見つけてはシュッ、シュッと駆虫剤をスプレーして
巣をホウキではらい、馬小屋がお化け屋敷に変貌するのを防ぐ。

そして、今日本でニュースになってるヒアリ。
最初 「ヒアリ」と聞いて?? と思ったけど、ヒアリの「ヒ」 は「火」 だと気づき、
英語に直訳すれば ヒアリ=ファイアーアント。
頭の回転が鈍い自分に呆れながら、「そうなんだ・・・!」
「奴ら、日本に上陸したんだ!」とビックリした。

ファイアーアントは、
この辺ではごく普通に生息しているアリで特に大騒ぎするほどのものでもないが、
退治しないとドンドン増えて厄介なことになる。

私自身、何年か前に木っ端の中で冬眠してたファイアーアントにかまれたことがあった。
地中で暮らしてるアリは冬になるともぐったまま表に出てこないため
心配することはないが、まさか木っ端の中にいるとは知らず
それをたき火にしようと解体してたらチクッと指に鋭い痛みが走ったので見ると
1匹のアリが思いっきり人差し指に食らいついていた。

そのあと家に戻り、事務作業中に体に痒みを感じ調べたらウエストから足首まで
沢山の発疹が出てたのに気が付き慌てたことがあった。

放牧地にいる馬たちは慣れたもので、
ファイアーアントの巣の上はよけて暮らすが、
ここを初めて訪れるゲストには気を付けて頂くよう伝えることにしている。

もちろん駆除はするが、全部退治するのは不可能である。
牧場の両脇にある畑で農作業が始まると、巣をいじられるのを嫌うファイアーアントは、
ここまで引っ越してくるから厄介極まりない。

幸いなことに、ファイアーアントのアリ塚はすぐ分かるので
気を付けていれば被害に合うことはないし、
万が一踏んだとしてもすぐ足をどければ かまれずにすむ。

なので、日本で騒がれているほど恐ろしいアリとは思えないが、
いないに越したことはないので、毎年駆除作業のため時間をかける。

スプレー式の大きなボトルに殺虫剤を入れて牧場内を歩き回り、
アリ塚を見つけては、薬を散布するというしらみつぶしの面倒くさい作業。
これを何回もやっていると僅かながらも彼らの暮らしぶりが分かってくるので、
生産性のない仕事だが興味深い部分もある。

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暑い盛りにやっつけるアリ塚にはまだ見たことはないけど、
春先と秋口のアリ塚はこんもりと高さを増し、駆虫剤をスプレーすると、
柔らかい砂の下から大量の卵が現われる。
それと一緒に、敵から卵を守ろうと対戦モードのアリたちもウジャウジャ出てくる。

卵と成虫にスプレーして、その下にいるであろう女王アリにも届くように、
駆虫剤を十分地面に滲みこませると、一丁上がりとなるわけだ。

ファイアーアントはかなりの働き者で、
夜涼しくなる季節の時は日中、日差しによって地表が暖かくなると
その熱で卵を温めるために彼らは地表のすぐ下まで卵を運ぶ。
そして、夕方気温が下がり始めると地下に卵を戻すのである。

迷惑千万なファイアーアントだが、なかなかどおして
彼らの働きぶりや種を守ろうとする果敢な様子には感心させられるものがある。

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まだ卵を見つけることができない平べったいファイアーアントの巣。










2017/08/04 23:24:07 | リンク用URL

Jul

06

2017

ホースセンス (レッスンは一期一会)

先日、レイニングの集中レッスンを受けに日本からゲスト(A氏)が見えた。

A氏の乗馬年数は長くないが、技術を学ぼうとする情熱は今までプロをも含めて
見たことがないほど熱いものがあり、グリーンウェイランチに来場されるごとに
乗り方が進歩している様子はいつも驚かされる。

指導する側もA氏の意気込みと上達した姿から
前回より上のレベルに合わせたレッスンができるので、
A氏を迎える時はとても楽しみな数日間となる。

グリーンウェイランチを訪れると、
A氏は1分の時間をも惜しむかのように馬上で過ごされる。
(今回は5日間の集中レッスンで35鞍騎乗された)

レッスンのパートナーを務めたのは、A氏の愛馬と、
普段は初心者や研修生の練習の相手をするレッスン馬2頭で合計3頭。
レッスン馬と言っても、ちゃんとトレーニングを受けたレイニングホースたちである。

季節がら暑い気温の中での乗馬レッスン。
短い日数で沢山の鞍数をこなさなくてはならない馬たちに向けて、
どのようにレッスンを進めたら良いか大雑把なプランをたてた。

馬にストレスを与えず、体力を維持させながら
フレッシュな状態で運動させなくてはならない5日間。
その他に大切な事として、乗り手が満足し良い時を過ごすのは絶対不可欠だ。

私は、A氏から渡米の予約を受けパートナーを務めるレッスン馬一頭に
スライディングストップの為のプレート
(馬がストップしながら後ろ足をロックして滑るための蹄鉄)
を二か月前に装着してストップすることを開始した。

ストップのやりすぎは後躯の関節を痛めやすく、
必要でない限り、馬のクオリティーを下げないように
普段はむやみにさせないでいたためだ。

もう一頭は小柄で、この馬には負担をかけないようストップのレッスンはしないと決めた。
その代わりに、駈歩でサークルを描きながら馬場での位置を確認する作業や、
馬の姿勢の取り方の説明と、スピンを取り入れることにする。

A氏の愛馬もレイニングの全ての動きを学んでおり、
この馬に関しては、競技会のために愛馬の感覚を養ってもらいたく、
自由に騎乗して少し遊んでいただこうと考えた。

馬は一頭一頭、乗り味も違えば性格も違う。
馬たちが同じような調教法を受けていても、乗り手が変われば馬の動きも変わる。

運動中に普段の騎乗者(トレーナー)の指示とは違うものを馬が感じた時、
素直に従う馬もいれば、逆に他の乗り手のいつもとは違うニュアンスに対して
馬自身が優位に立とうとする場合もある。

そのような馬は、扶助(合図)を受けても意思にそぐわない動きをして、
騎乗者の技量をはかりにかける賢さがあり、
それに対し的確な対応をしないと途端に悪さを始めたりする。

天気の変わり目や、餌を与える時間帯に運動するとき、
同じ運動の繰り返しで馬が飽きたり、疲労がたまった場合など
馬の集中力が散漫になって動きが悪くなる場合もある。

レッスン中に、人馬の一挙手一投足をつぶさに観察し、
意思の疎通がうまくいかない場合は、上記したような内容を加味しながら
原因を探して騎乗者に伝えるようにしている。

乗り手にその状況で、どう馬に対応すべきかいくつか引き出しから引っ張り出し、
乗り手のレベルで一番やりやすい方法を選び説明する。
それを馬の動きに表現されるまでがレッスンの一コマとなる。

一コマ、一コマを繋ぎ合わせることによって人馬が調和した運動の流れとなるため、
レッスンは正に一期一会なのだと感じることが多い。

ある意味では、指導という偉そうなものではなく、
馬と騎乗者の関係が常に良好であることを目指すコーディネーター的な存在が、
指導者なのかもしれない。

私は、自分自身が馬に乗る時も、その度に自分に言い聞かせることがある。
それは、この馬に乗って今行う運動は一期一会。
それ故にいかなる時も真摯に、心をオープンにして静かな気持ちで馬に接するべし。
まだまだ、この心境に達するには時間がかかりそうだけれど・・・。

英語で馬に行う調教や調教の種類を Discipline と表現するが、
ある意味で、騎乗者は一期一会の精神を持って、自分自身をも Discipline してこそ、
初めて馬と一緒に良い運動が出来るような気がする。

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(あるレッスンシーンです。) 

参照内容:
一期一会とは、茶道に由来する日本のことわざ。
茶会に臨む際には、その機会は二度と繰り返されることのない、
一生に一度の出会いであるということを心得て、
亭主・客ともに互いに誠意を尽くす心構えを意味する。







2017/07/06 2:41:40 | リンク用URL

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