アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 03号) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 03号) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 03号)
みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 03号) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 02) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 02)
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Mar

27

2023

みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 03号)

好奇心から始まった私の乗馬人生は重ねた年齢の半分以上をしめ、
今は牧場経営の傍ら指導的立場に着く事もありますが、
その時私は口癖のように
「乗馬は馬が先生。 私の役割は騎乗者と馬の間を取り持つことです。」
と生徒さんに伝えます。 

もちろんメカニカルな馬の操作方法を説明した上でのことですが、
この観念は揺るぎないものです。
 
乗馬を始めて間もないころから指導を受ける機会はなく、
先輩方から助言を頂く事があっても、
「そんな時は、こうすると良いよ」
という程度のものでした。

私は馬の事を知りたい一心から「馬」とつく書物やビデオを探し、
人の経験談に耳を傾け馬の様々な分野に関する知識を詰め込みました。 
けれど、せっかく手に入れたそれらの知識は生身の馬を相手にすると、
そう簡単に活かせるものではありません。 

乗馬は調教度合いや性格など一頭一頭異なる動物を相手にするため、
実践で学ぶしかないのです。
 
馬と真摯に接し、感覚の全てを研ぎ澄ましながら
多くの騎乗経験を積む以外に技術向上はあり得ません。

私は最初に関わったヒリュウという競走馬上がりのサラブレッドから、
馬の持つ習性と馬上から感じる動きを僅かながら教わりました。 

40年近く昔、
九十九里浜の海岸にあるクラブに通い詰めて海辺を一人で外乗できるようになると、
目標地点を決めてそこに到達し、
そして次はさらに遠くの目標へと距離を延ばしていきました。

広いどこまでも続く海岸を一人きりで外乗するのに、
恐怖心がなかったわけではありませんが、
馬と共に以前できなかった事ができるようになるのが嬉しくて
その感情は怖さに勝るものでした。 

最初の頃は、常歩に速歩を入れて海岸を散歩し、
駈歩のバランスが取れるようになってきたら
途中に短い距離の駈歩も入れるという方法で
自分に課題を作っていきました。 

ヒリュウと海岸を外乗中に近所の育成牧場の馬たちが走っているのに出くわすと、
競馬の感覚を思い出すのでしょうか。
興奮してチャカつくので凄く緊張したのを覚えています。


そんな状態で1年も乗った頃の事です。 
駈歩に慣れてきたある日、
もう少し速くヒリュウを走らせたいと思ったので、
前傾姿勢を取って手綱を前に送るとゆっくりの駈歩からスーッと速度が上がったのです。 

脚を使ったわけでもなく、舌鼓をしたわけでもありませんでした。 
思わぬヒリュウの反応に感動した私はさらに手綱を前に譲ると
グゥワーンとギアが変わったようにものすごいスピードで走り始めました。 

まるで弾丸のごとく一直線で、強烈なスピード感を肌に受けました。 
波に洗われた砂浜が瞬く間に過ぎて行き、
もしこれで落馬したら大変なことになると、減速させるために手綱を引いても
まるで大木と綱引きをしているようでビクともしません。

馬の背からは、岩の上に鞍を置いて跨っているようで
全身の筋肉が力強く躍動しながら疾走しているのを感じました。
これが競馬でみる襲歩だと初めての経験に驚きと興奮を覚えました。 
ヒリュウを種馬としている理由がこの馬の動きから感じ取れました。
 
襲歩の爽快感を覚えた私は他のサラブレッドで海岸を走った事がありますが、
ヒリュウのようにレスポンスの良さと俊足を持つ馬に会う事はなく、
私はこの時初めて同じサラブレッドでも違いがあるのだと身をもって知ったのです。

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乗馬クラブの運動会で取った表彰状とトロフィー。 
ヒリュウと共に得た快挙でした。

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乗れと言われた馬には何でも挑戦!(笑)
ポニーが一番難しかった・・・です。

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ヒリュウと同じようにこの馬も素直で良い子。 思わずお礼のキスを!

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馬場で乗りながら色々覚えるのも楽しかったけど、
この頃は砂浜を馬と一緒に散歩するのが一番好きでした。












2023/03/27 5:31:25 | リンク用URL

Feb

23

2023

みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 02)

40年ほど前に日本で海岸を散歩中に見つけた乗馬クラブ。 
私はそこで乗馬初体験をしました。
その日から会社勤めをしながら、馬の背に揺れ感じる風や、高い視点から見える景色に感動したくて、頭の中はいつも乗馬を上達することで一杯でした。 

ひょんな偶然から見つけた乗馬クラブは、今の時代感覚だと「乗馬クラブ」と呼ぶにはほど遠く、サラブレッドの種馬と繁殖牝馬の飼育をしながら、仔馬の生産、育成、販売、その他、現役競走馬の休養牧場と言うのが主な事業内容でした。 
後に乗馬施設らしく整ってきましたが、訪ねた当初は「乗馬クラブ」の看板を掲げて間もない頃だったようです。

行動する前に検討するという性格が欠けている私は、他の乗馬施設を調べることなく入会したわけですが、そこで得た経験は他ではできない様な事ばかりでした。

最近では、お客様の安全面などが考慮され馬と関わる内容に制限の多い所がほとんどだと思いますが、この時代は比較的自由な風潮があり、また当時のこのクラブに乗馬専門のインストラクターがいなかったというのも私には幸運でした。

人手不足という環境だったため、自分で洗い場まで馬を引いてきて手入れをし、馬装する事はすぐに覚えました。 
騎乗に関しては他の乗馬客がいないので部班形式ではなく、単騎で馬を動かしていました。

なんでも自分でしなくてはならず乗馬初心者にはハードな場所でしたが、人と馬の深い関わりが見られる環境があったので、私の馬に対する興味は尽きることなく増々深まるばかりでした。
馬の世話を手伝わせてもらいながら、馬の怪我や病気の治療に立ち会い、種付けと出産の現場、そして若馬の調教を見る機会など、馬がどのような過程で人を乗せるようになるかを知ることができたのは素晴らしい事でした。

会社が休みの度に泊りがけで通うようになると、牧場のオーナーは種馬(ヒリュウ)をいつも貸してくれるようになりました。 
私はヒリュウに夢中になり、人参を入れたポシェットをいつも腰に付けて自分なりに馬との意思疎通を試みました。 
そして、プロが馬を扱い騎乗している姿から様々なヒントを得て、ヒリュウからは実技を教わりました。 

乗馬の前後にはピカピカに手入れをして、ヒリュウの首に抱き着くのが大好きだったのを今でも思い出します。 
暖かい胸前に寄りかかりながら馬体に顔を押し付けると、太陽に干された香ばしい寝藁の匂いに交じって、ヒリュウの何とも言えない甘い香りがしてとても癒されました。

種馬なのにヒリュウは大人しく繊細な性格で、心が通じ合うようになると左右の前肢で「お手」をする事を覚え、乗る時は私が洗い場の横木を踏み台にして跨るまでそこに体を寄せて待ってくれました。

残念なことに、その乗馬クラブはもう存在しませんが、そこで私が身に付けた馬に対しての感覚や気づきはとても貴重でした。 

人生の流れを色々考える時、なるべくして成った現在を感じますが、思い起こせばこの「乗馬クラブ」は今の仕事に至る原点だったのだと改めて実感しています。

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馬の出産に立ち会わせてもらった時の写真。 会社が休みの日だったのでラッキーでした。

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大好きな、大好きなヒリュウと。優しい馬でした。

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乗馬始めて2,3年位の時の写真。ヒリュウに障害飛ぶのを教えて勢いで飛ばしてました。
障害飛越は見よう見まねでやってたので、今思うと本当に無茶してた!!!

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自馬を持たれてる方と一緒に外乗。 私が乗っているのは現役競走馬です。
私は素人なので、今では「現役競走馬」に乗せてもらえるなんて考えられませんよね?

2023/02/23 22:40:24 | リンク用URL

Jan

24

2023

みどりのThat’s録・馬に魅せられて (馬旅2019年 創刊号01)

会社勤めをしていた当時24歳だった私は初めて乗馬を経験しました。

長い砂浜が続く海岸線を散歩していたら、気持ち良さそうに馬に乗って走っている人を見かけたのがきっかけです。
それは全く予期せぬ光景でとても感動的でした。

(すごい!あんなふうに馬と一緒に走ってみたい・・・)

見渡す限りの水平線を背に、海辺を疾走する馬と人。

その姿を遠く視界から消えるまで見送った後、暫く歩くと柵で囲われた数頭の馬が見え、そこには乗馬クラブの看板が立っていました。
その時が夢にまで見た乗馬を経験するチャンスでした。

引き込まれるように入ったクラブで間近に見た馬は、馬装のために洗い場に繋がれていて、その背は私の背丈ほどもあり、馬の大きさに圧倒されたのが第一印象でした。
初めて触れる毛並みはビロードのようで、逞しい筋肉の大きな身体を支える肢の細さに驚きました。
私を見つめる長いまつ毛の優しく澄んだ目に一目で魅了されてしまいました。

初めて体感する馬上からの景色は格別で、気分が高揚していたせいか不思議と怖さはありませんでしたが、馬場まで引馬された時は揺れが意外に大きく感じ、足をかけている鐙だけでは、バランスが上手く取れない様な気がして心細かったのを覚えています。

結局、この日たった一回の体験で私は乗馬、そしてそれ以上に馬そのものに夢中になり会社が休みのたびに乗馬クラブに通いつめるという生活を送るようになりました。
それが今の自分の仕事に繋がるキッカケになるとは夢にも思わず・・・・。
人生とは不思議なものです。

馬の何が人をそんなにひきつけるのか・・・。
その理由はほとんど同じなのです。
人は自分より遥かに大きく力のある馬とコミュニケーションをとりながら、自分一人では不可能なことを一緒に行うことができるからだと思います。

6000年もの昔、馬は人にとって食料だったと言います。
時を経て人は馬を飼育する術を編み出し、労働や移動の手段として生活に活用するようになりました。
馬を操作する上で馬とのコミュニケーションを可能とする道具、ハミは3000年も前に作りだされた物だそうです。

時代と共に人と馬の関係は変化して機械が馬の役目を果たす現代、馬は使役から解放され彼らの活躍の場は乗馬や競馬の限られた世界になりましたが、今でも馬に惹かれて密接な関わりを持っている人たちがいるのは興味深いです。

馬が本来持つ従順な性質と鋭い感覚が、人とのコミュニケーションを可能にしてきました。
馬を乗りこなすには彼らとの意思疎通は必要不可欠で、人はそのために馬の口に作用するハミを使いながら声や身体を駆使し、そして何よりお互いの感性を活かしながら相互のコミュニケーションを確立する方法を作り上げていく事になります。

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(人参で馬のご機嫌取り。乗ること以上に馬と触れ合うのが好きでした。)

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(5鞍目の騎乗。 まだジーンズとスニーカーで乗っています。)
 


2023/01/24 9:57:00 | リンク用URL

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