![アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ](../img/head.gif)
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2014
今年は2頭の牝馬に種付けをしようと決め、
遅いスタートだったが、5月初めからブリーディングをしてくれる牧場へ
何回も繁殖牝馬を運んでは発情状態を検査してもらっている。
(モニターに接続してある小さなカメラを手のひらに持ち、牝馬の肛門から手を入れて中の様子を映し出す。)
競技馬として繁殖、育成をするレイニングホースは、
ほとんどすべての生産をアメリカでは人工授精によって行う。
ガナーズモール とその娘の デューリンウィズガナーズ が今年の繁殖候補だが、
この2頭、こちらの都合よく発情のサイクルが合うことを望むのは難しいのが分かり、
両方同時に種付けという浅はかな希望を持つことはやめにした。
タイミングが合えば2頭一緒に馬運できるときもあり、また1頭ずつという時も多い。
観念して週に3回くらいのペースで馬運を淡々とすることになった。
これが結構な時間を要し、また診察の結果を知る度にドキドキしたりで
何年やっても慣れることはなく、種付け時期は緊張から心身を消耗する。
(馬の輸送は、馬の積み下ろしや運搬の最中など神経を使う仕事だ。)
先日、デューリンウィズガナーズ はやっと種付けをできる段階までこぎつけた。
ケンタッキーにいる Rowdy Yankee の精子を Fedex で取り寄せ、
種付け後には無事に排卵もあったのでやれやれと思っていたら、
2週間後の検査で妊娠は否。
精子を遠方から取り寄せるのは絶妙なタイミングを計らなければならず、
牝馬の排卵直前に種付けをして、翌日にまた種付けをする。
その間に牝馬の排卵が起こればしめたもので、
24時間以内に卵子が精子に出会うとオメデタという運びになり
一応大成功とみなされる。
種オスが遠方の牧場にいて精子を取り寄せる場合、
種オスの精子を採取するのは1日置きなので、
牝馬の発情の具合と精子の発送が可能な日(日曜日は不可)もそのタイミングの重要なポイントとなる。
そして、これらの全てが見事一致しないと仔馬は宿らないという、
とても繊細なプロセスだ。
デューリンウィズガナーズに関しては、
妊娠検査前から勝手にうまく行ったと思っていて、
期待に反した結果に私の落胆は大きかった。
繁殖を手掛ける牧場によって作業代の請求の仕方はさまざまだが、
私が依頼するところは1サイクルごとに請求されるので、
一度の種付け作業で妊娠しない場合は、さらに費用がかかる。
おまけに種馬が遠方にいるためその馬の精子の郵送料も加算される。
精子は「生もの」なのでゆっくりと普通郵便というわけにはいかない。
そのため、Fedex か精子採取したその日のうちに飛行機で飛ばし、
それを空港まで受け取りに行かなくてはならない。
この輸送は Counter to counter と言って繁殖牝馬に精子を届ける一番早い方法になるが、
1回につき万という金額がかかる。
ガナーズモール を6月12日に検査に連れていったとき、
排卵が近いという診断で翌日も要検査となった。
毎日の馬運は大変なため馬を繁殖牧場へそのまま預けることにした。
そして、13日の検査で精子の注文をする段階だと判断され、
種オスの繋養牧場へ連絡。
精子は14日の飛行機で運ばれることになった。
私は、その晩の8:50pmで到着する便に合わせて空港までカーゴで運ばれる精子を受け取りに行き、
その足で ガナーズモール を預けてある牧場へ直行。
牧場で待機していたブリーディングの作業をしてくれる人に小包を渡したときはホットした。
・・・・が、それもつかの間で、
検査で ガナーズモール はすでに排卵をしていたのが判明。
いずれにしろ、精子はすでに手元にあるので、
わずかなチャンスにかけて11:00pmに人工授精を行った。
がっくり肩を落としている私を見て、
排卵後、最長で8時間くらいまでは受精可能と作業をしてくれた人が慰めてくれたが、
前日の検査は朝行われているため、馬がいつごろ排卵したかは全く不明なのだ。
ガナーズモール に聞いたところで、
もちろん返事が返ってくるはずもなく2週間後の検査まで気を揉むこととなった。
生命を誕生させるまでのその神秘は、
人工的に操作されていても不思議を感じずにはいられない。
(のんびりと草をはむ2頭には、人の苦労など分からない?)
2014/06/16 10:01:07 | リンク用URL
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