![アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ](../img/head.gif)
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Jan
25
2014
水漏れは建物内ではないと分かったので、少し安堵はしたものの、
問題の場所は公共水と井戸水を運ぶ管の接続部分の可能性が大で、
これは修理するのにやっかいな場所だった。
長靴に履き替え、シャベルを片手にどうしたものかと考え、
いずれにしろ水がしばらく使えなくなるので、
バーンにある全てのバケツと、放牧地の桶を水で目一杯満タンにした。
(寒い時期でよかった・・・)と思った。
夏場ではとても無理だが、これで2日は馬の水が確保できるはずだ。
井戸水の流れを開閉する大本のコックが母屋にあるので、
それを閉めにいき、また馬小屋の方へ向かった。
歩くには長い距離を往復して、水道管の状態を知るための作業にとりかかった。
沼地となった地面に広がる水の量は思った以上に多く、
最初にそれを掻き出さなければ穴が掘れない状態だった。
道路にそってditch と呼ばれる溝が走っているので、
そこに水が流れていくようにシャベルで道を造り、
流れずに残った水は、小さなバケツとシャベルですくい出した。
やっと地面が見え、次は穴掘りだ。
コックの上は空洞にしていたものの、年月とともに木箱は朽ちて、
そこを馬が歩いたため埋まってしまっていた。
そのため、まず水道管のある場所を探す必要があった。
シャベルが水道管にあたって割れないよう、
手に伝わる感触に注意を向けながら穴掘りをすすめた。
(地中の水道管のようす。ブログとは関係ない場所。)
しばらくして、「コツッ」と触れる物がありその周りをゆっくりと掘っていくと、
目指す白い管が見えてきた。
(これってドラマで見る外科手術に似てる・・・)なんて思った。
手術中に開腹した部分が、大きな血管に傷がついたため血の海となり、
執刀医がその血液の吸入を助手に指示する。
そして、あわやというところで傷ついた箇所が見つかり、
縫合するというシーンが思い出された。
あぁ、だけど私には助手がいない・・・。
それに、水道管の場合はそれだけではすまない。
例え傷のついている部分を確定できても、
修理をするとき、管をかなりの長さでむき出しにして、
さらに管の下の土も取り出さなくてはならなかった。
大変な事になった・・・、と思ったがとにかくやるしかない。
掘り進めながら、ジャケットを脱ぎ、また少しして、その下のトレーナーも脱ぐ。
それでも背中に汗をかいてきた。
道路に近い所で穴掘りをしているので、
頻繁に通り過ぎる車の何台かはスピードを緩めて、
何事かとチェックをしているのを感じた。
牧場建設の工事を始めたとき、
この地域の人達はとても物見高いことに気がついた。
田舎という土地柄のせいもあるのか、どうも近所の様子が気になるみたいだった。
工事中、頻繁に敷地内に車で乗り込んでくる見知らぬ人に、
どう対応していいのか悩んだことも数知れず。
そんな人達には、
「今度ここへ引っ越すことになったXXXです。 よろしくお願いします。」
と挨拶をすればいいわけだが、私にはそれを躊躇する理由があった。
それは 「何も知らないよそ者が一人で牧場を建てている、しかもそれは女。」
ということをなるべく誰にも気づかれたくなかったからだ。
頼りなげで、その状況につけ込まれるのも嫌だし、噂されるのも嫌だった。
できる事なら、
日本で一人住まいの女性がアパートの物干しに男性物の下着を干して、一人住まいでない風をよそおう、
そんなカモフラージュをしたいくらいだった。
今考えれば、当時は気がつかなかった自分の中の
「心細さ」や「自信のなさ」 がそういう感情を湧かせたのだと思う。
色々思い出しながら、穴掘りを始めて30分も経った頃、いい加減疲れが出て来た。
悪いことに、水漏れをした場所には2つのコックが埋まっていて、それらは離れている。
その両方をむき出しにする必要があり、
コック同士を繋いでいる水道管も全て泥を取り除かなくてはならなかった。
やっとのことで、コック2つと水道管を見える状態にしたものの、
肉眼では壊れている部分は見あたらなかった。
そのため、今度は水を通してその場所を確定するのに、
また母屋まで行って大本のコックを開かなくてはならない。
修理のための部品の買い置きはないので、ホームセンターまで行く必要もある。
それらに費やす時間と労働と、まだ終わってない日常の作業を考えたら途方にくれてしまった。
ため息をつきながら遠くを見たとき、ふっと自分の有様に気がつき思わず苦笑した。
いつでも何かあると躍起になって物事を進める、そんな以前の私がそこに居た。
猫のゴン太を通して啓示を受けた事をまた忘れてしまっていたのだ。
「柔らかく、しなやかに生きて行きなさい。」
そう教わったじゃないか・・・。
私は、気持ちを切り替えてジミーおじさんに電話をすることにした。
http://www.greenway-ranch.com/blog/?id=253
(ゴン太のはなし、独立記念日)
2014/01/25 8:49:40 | リンク用URL
Jan
20
2014
心配事で頭が冴えて、眠れないのは辛いものだ。
横になって目をつむっていても、貧乏揺すりをしたくなるような衝動にかられる。
いっそのこと、朝が来るまで何かやって気を紛らわしたかったが、
私は寝不足にとても弱く、そんな翌日はだるくて不機嫌になる。
明日は、間違いなく労働をするはめになるため、
たとえわずかでも眠って鋭気を養いたかった。
8年前、畑だった更地に牧場を作り始めたとき、
工事に関係した事柄を山ほど、一人で決めていかなければならなかった。
自分の感覚を生かした理想郷が作れるので、やりがいもあったが、
その過程には計り知れないほどのエネルギーを要した。
その1つに井戸水と公共水の選択があった。
迷ったあげく、敷地の奥に建てた母屋で使うのは井戸水と決めた。
井戸水は掘る場所によって当たり外れがあるためギャンブルだ。
近所の牧場で出た地下水は、鉄分が多くて飲料に適さず、
水回りを茶色く変色させてしまうのを見てきている。
けれど、都会で育った私は、井戸水にあこがれのようなものがあって、
どうしても井戸に賭けてみたくなった。
業者が持ってきた掘削機は想像していた以上に大きい。
私はそれを見て、とんでもない判断をしたのではないかと怖くなったが、
25メートル掘って出て来てくれた水は好結果だった。
良質のペットボトルの水と変わらない、甘くて美味しいものだ。
牧場全体でこの水を使いたかったが、道路に近いゲストハウスは、
法律で公共水を使うことが義務づけられていた。
せめて馬小屋には地下水を・・・と思ったが、母屋から300メールほど離れていて、
この距離に水道管を埋めるのは時間のかかる作業になる。
長引く工事に焦りを感じていた私は、早く馬を飼育できる状態にするため、
取りあえずゲストハウス用の水道管から馬小屋へ水を引くことにした。
それから半年が経ち、大がかりな工事がほぼ終了したころ、
滞在していた男性の研修生と一緒に、母屋から馬小屋まで、
長い距離に水道管を埋める作業をしたことがあった。
そのため、水道管が敷地内をどのように走っているのかは知っていた。
(母屋から撮影した馬房。)
水漏れが発覚した翌日は、日の出とともに馬の飼い付けを終わらせ、
私はすぐさま、水道管が埋めてある所を注意しながら歩いた。
しばらく晴天が続き、地面が乾いていたのは幸いした。
地面のなかで水漏れがしていれば、ぬかっていてすぐ分かるはずだ。
母屋から出発して、足下にある地面に目を凝らしながら馬小屋まで歩いたが、
どこにも水漏れの気配はない。
「変だなぁ・・・、どこなんだろう・・」
文字通りブツブツ独り言を言いながら頭をひねり、
道路際にある放牧地の桶に水を入れている時だった。
朝日を受けてキラキラと光っている水たまりが目に止まった。
(あったぁ〜、あんな所だったんだ・・・)
その場所は、道路から牧場を仕切る柵のすぐそばで、
思いも寄らないところだ。
シャベルを手にそこへ行くと、あたり一面は沼地のようにグチャグチャだった。
どおりで、頻繁にポンプが水を汲み上げていたわけだ。
そこには、公共水用と井戸水用の水道管を切り替える接続部分が埋まっている。
研修生と一緒に、井戸水を馬小屋で使えるようにしたとき、
公共水用の管を完全に切り離さず、何かの時に切り替えられるように、
コックのついた部品で繋いだ。
コックの真上は、土を入れずに空洞にして、
工事であまった木っ端で箱を作って囲むという、手短な処理をした。
後にもっと頑丈な物を作るつもりでいた。
そして、瞬く間に過ぎた年月とともに、その上には土がかぶり草も生えて、
箱のことをたまに思い出しては、気になっていたがそのまま放置していた。
よく見ると、その付近の沼地化してない地面にいくつもの蹄の後があり、
水漏れの原因は、放牧地から脱出した馬がそこへ乗ったためと分かった。
2014/01/20 0:59:36 | リンク用URL
Jan
17
2014
牧場の仕事はとてもダイナミックでフィジカルだ。
あるとき、ガーガーとトラクターをうならせて作業をしていたら、
滞在していたお客様に、
「女性のする仕事ではないね。」と言われたことがあった。
私の中には、「ウーマンリブ」(もう死語?)などという精神はなく、
できれば力仕事、機械の操作、大工仕事など、男性的な作業はやらずにすむなら、
それに越したことはないと思っている。
でも、馬の仕事を選んだときからこういった労働はいつもついて回り、
それを人に頼んでいるととんでもない経費がかかってしまう。
出張料、作業代など自分でやれば材料費だけのところを、
さほどの技術がなくても一丁前の料金を請求される。
その内ブログでも書く時がくると思うが、
日本人の感覚からは信じられないような、
(いい加減な)仕事で 「プロ」 として通用するアメリカの社会的環境を、
どのように、語弊なく説明したら良いのだろう。
牧場が完成するまでの経過をありのままに書けば、
すごく面白いブログになりそうな気もするが、
その反面、愚痴満載になってしまう可能性もあるので、今まで書かないでいる。
そんなわけで、愚痴るくらいなら不慣れな仕事でも自分でやれば納得がいくので、
ありとあらゆる作業に挑戦することにした。
それに、四六時中 馬と顔を突き合わせていると気分転換が必要になることもあるので、
丁度よい息抜きになる。
最初はなんだかんだと苦労はしたものの、
知らないうちに牧場内のほとんどのことは一人でもできるようになった。
ただ、その中にはどうしても自分ではできない内容のものもある。
ちょうど去年の暮れ近くのことである。
1頭の馬が夕方の飼い付けの時に放牧地から出てしまい、
しばらく牧場内をあちこち散策して回ったことがあった。
牧場の周囲は柵で囲ってあるので外へは出られないし、
悪さをするような馬ではないので、
全ての作業が終わったあとに、捕まえて放牧地に戻した。
そしてその夜、テレビを見ながらノンビリと夕食を食べていたときのことである。
「ブォ〜〜〜〜」とポンプが地下水を汲み上げる音が聞こえたような気がした。
小さな音なので静かにしてないと聞こえにくいため、
テレビを消音にして、しばらく耳を澄ませていたらまた「ブォ〜〜〜〜」。
水を使うとポンプが作動するので、どこかの蛇口が開いているのかも知れないと思い、
真っ暗な中、懐中電灯を手に放牧地と馬小屋へ、合わせて7つある蛇口を調べに行った。
(通称ハイドラントと呼ばれる屋外の蛇口。 冬でも凍ることはない。)
全ての蛇口の閉め忘れや異常はなく、
あと考えられるのは、水が他の場所で漏れている可能性だった。
外は闇夜でとても水漏れの箇所を探し当てる気にはなれず、家に戻る。
もしかしたらただの空耳だったのかも知れないと願いつつ、
まだポンプの音は聞こえるのか、息をひそめて耳を澄ましてみた。
そしたら何分間か経過した後に、
「ブォ〜〜〜〜〜」とまた音がする。
はかない望みはあっという間に打ち砕かれ、
これは 「間違いなくどこかで水漏れが起こっている」、
と音が現実をうったえていた。
蛇口が閉まっているのは確認済みなので、
水漏れの原因が他に考えられるとすれば、地面の下かそれとも
最悪の場合、家の床下か馬小屋の壁の内側である。
「夜には考え事をするな」と言う教訓があるが、
なるほど、夜という時間は不思議と、
なんでも悪い方へイマジネーションを働かせてしまう魔力がある。
その晩の私は、また眠れない症候群におちいり、
ベッドの上でポンプの音を聞きながら、そこら中が水浸しになった所を想像して、
悶々とする一夜を過ごすことになってしまった。
2014/01/17 8:48:36 | リンク用URL
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