![アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ](../img/head.gif)
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04
2014
水道管修理の部品を買うためにジミーおじさんと一緒に行ったLowe‘s は、
大工道具から建築材料まで、そこで調達すれば家が一軒建てられるくらいの、
あらゆる物がそろっている。
家の骨組みを作る木材、内外用の壁の材料や屋根に張る材料。
ドアにウィンドウ。 室内に不可欠な照明器具。
冷蔵庫、調理台といった台所用家電。 バスタブにトイレ、ボイラー、等々、
こまごまとした物もあげればきりがないほど豊富な品揃いだ。
2006年にグリーンウェイランチの本格的な工事が始まると共に、
それまで土地探しと、知人の牧場に預けていた馬の運動をしに行く以外、
他にすることがなく時間をもてあましていた私の生活は一変した。
敷地内にある3つの建物の中で、
最初に建った母屋は、Modular House といって、
別の場所でほぼ完成させた家を2つのパーツに分けて運び、
最終地で組み立てるというものだ。
そのため別の業者が動いてくれたので、
実際に引っ越すまで母屋に関しては、
口だけ動かしていればそれですんだ。
(離れている母屋を一つに繋ぐところ)
ところが、ゲストハウスとバーンはまったく違う工程で建設が行われた。
この2つの建物を手がけるメインの大工が、契約した工事期間が始まっても、
なかなか動かず焦りを感じていたところに、
やっと重い腰を上げてくれ、
ゲストハウスとバーンは同時進行で工事開始という急展開をした。
私はまだ内装が完成されてない母屋に引越し、荷物の整理もままならない状況で
ほとんど毎日、大工がリストアップした材料をトラックとトレーラーで奔走しながら
買い求めることになった。

(トラックとトレーラー。馬運をするために買ったトラックだったが、工事の時に大役を果たしてくれた。)
柱や梁に使う材木や、
バーンの壁や屋根に使うメタルなど、大がかりなものを買うときは、
Lowe‘s より値段が安く、それ専門で販売している店に出向いた。
建物を造るとき、
コントラクターという総指揮者のような役割をする人をやとう場合もあるが、
私は牧場建設のコストを少しでも安くするために、
融資を受ける銀行の書類には、自分自身をコントラクターとして掲げた。
コントラクターを雇えば、
工事に関する全ての事をやってくれるのでその分気楽だ。
自分はお金を払って、
あとは建物ができていく様子を、高みの見物をするだけでいい。
やっかいな、工事に関する多くの手続きもしなくてすむ。
例えば、工事開始の最初の段階では、
役所に行って建物の設計図を提示し、
建築許可書なるものを申請しなくてはならない。
晴れて許可が下りると、工事の進み具合にそって
建物の基礎、骨組み、電気関係、水回りの配管など、
各段階が終わるごとに役所に報告することになっている。
そして、役所の担当官の実地検査を受け、
それにパスしなければ工事を先に進めることはできない。
検査にパスしない場合、コントラクターは、
それを解決するという面倒な作業もしてくれる。
その他にも、
建物そのものを作る大工、水道の配管などに関係する作業人、
電気配線の技術者、浄化槽の設置をする人、等々、
各分野で免許を持った人を雇い、
工事が順調に進むように監督をする。
牧場建設にあたって経費をできる限り安くする目的もあったが、
私は、自分の牧場が作られるという大切なプロセスに身をもって関わっていきたかった。
この時は、この先何が待ち構えているのか見当もつかなかったので、
無謀にもコントラクターの役目を買って出た。
「家(建物)を作るというのは人生で大変な仕事だ。」 と聞いたことがあるが、
私の場合も例外ではなく、
今の形に牧場がなるまでには、
書いても書き尽くせないほど沢山の山や谷があった。
忘れることのできない事件としては、
工事の最中にバーンに設置した Truss (和訳では腕木) が突風で崩れた事があった。
これはちょっとしたできごとで、近所の話題となり、見物人が入れ替わり立ち替わり来た。

(Truss をクレーンで持ち上げて設置している様子。)

(突風で Truss は見事に崩れ落ちた。)
あと馬鹿げた話としては、
メインの大工が、自分で呼んだ助手 (しかもそれは自分の弟)の仕事のやり方が気に入らないという理由で、弟とケンカをした挙句いきなり辞めてしまった。
この2つの事件は、工事の終了を大幅に遅らせる結果を招き、
知らず知らずのうちに、私のストレス許容のリミッターを振り切ってしまった。
2007年の夏に、工事が一段落したときは、気が抜けたせいもあったのか、
大腸に潰瘍ができ、入院、手術という状態まで自分を追い込んでいた。
ブログを書きながら今更になって不思議に思うが、
どうやって工事にまつわる多くの逆境を1人で乗り越えることができたのか・・・、
あの時の私は正気でなかったような気がする。
ただ一つ言えることは、この時期はほとんどなにも考えずに、
・・・というか、考える余裕すらなく、目の前に提示された用事を果たすため、
何かに憑かれたように動いていたことを思い出す。
大変な経験だったが、今となっては懐かしく感じたりもする。
もう一度同じ事をやれと言われたら、
間違いなく 「No!」 と答えるが、
この経験から、
「人間、やれば何とかなる。」
と思えるようになった今の自分があるような気がする。
2014/03/04 8:46:38 | リンク用URL
Feb
27
2014
ジミーおじさんがグリーンウェイランチに乾草を届けてくれるときは、
季節に関係なく、いつも長袖のシャツにファーマーの、
(そしてもちろんホースマンの)ユニフォームともいえるジーンズ姿だ。
頭にはキャップ、夏場はストローハットをかぶっている。
寒い時はシャツの上にベストとジャケットを重ね着して、
靴はスニーカー状の革靴という格好が定番だ。
(ジミーおじさんとお孫さんのケーシー)
ところがこの日、
車から出て来たジミーおじさんは、なんとオーバーオールを着ていた。
それに長靴をはいて、ズボンの裾はしっかり長靴に押し込んでいる。
私は、SOSの電話をしたとき、
水道管の漏れている部分を確認して欲しいと頼んだだけなので、
すっかり作業モードの服装で表れたジミーおじさんには、
ビックリさせられた。
そして、手にはキャンバス地でできている大きな袋をさげていた。
そこには水道管修理に必要な、道具や部分品がゴロゴロと入っているではないか。
いつも、段取りの良い几帳面な人だと思っていたが、
まさかこれほどとは想像していなかった。
私は、ジミーおじさんの「力になろう」という、
真摯な姿勢に平伏する思いだった。
近づいてくるジミーおじさんに、迷惑をかけることを詫びながら、
むき出しにした2つのコックと水道管を指さした。
「これから母屋へ行って水道管の栓を開けるので、漏れている場所を確認してもらえると助かります。 見つかったら、電話をください。」
私は、母屋に待機して電話があったら栓を閉めなおすつもりでそう言った。
そして、ジミーおじさんに背を向けて歩き出した時だった。
「プシュー!」という音がしたので、
何事かと後ろを振り返ったら、
一つのコックから勢いよく水が飛び出しているのが見えた。
私は、一瞬起こっている事が理解出来なくて忙しく頭を巡らした。
そして思わず、
「えぇー! もう、なんでそれを教えてくれないの。」
少しおどけながらそう言ったが、心は恥ずかしさで一杯だった。
「そうか公共用の水を通せば分かることなのに・・・、まったくバカだよね。」
ジミーおじさんは、
私が気づかないうちに公共水と井戸水を切り替えるコックをひねったのだった。
落ち着いて考えればジミーおじさんがやったことは思いつくはずなのに、
パニック状態になっていた私の頭は、冷静に判断する余裕がなかった。
私の言葉にまったく表情を変えず、
「ここにひびが入ったんだね。」
ジミーおじさんは、コックを見つめながら
「これは全部取り替えないとだめだよ。」
とつぶやいた。
(やれやれ・・・、やっぱり大変な作業になってしまう。)
心の中でため息をつきながら、私はジミーおじさんの次の言葉を待った。
「どうしたい。」
その言葉が何を意味しているのか分からずにいたら、
「公共水と井戸水の切り替えを考えなければ、
コックを切り離して両方の水道管の切り口に蓋をしてしまえば修理は簡単に終わるよ。」
そう言いながら、
ジミーおじさんは、持ってきた袋の中をゴソゴソと探し始めた。
丁度サイズの合う蓋が都合良く2つあったので、
「そうね、緊急の場合はハイドラントとゲストハウスの水道の蛇口をホースで繋げば水を確保できるから、切り離すのが手っ取り早いかも・・・。」
と私は自分の考えを伝えた。
そうしたら、ジミーおじさんは2つの蓋を手に持ちながら、
むき出しになっている水道管にまた目をやって何か考えているようだった。
「せっかくここまで水道管を延ばしているから無駄にするのはもったいないな。
コックと水道管、それと水道管同士を繋ぐジョイントを買わなくちゃならないけど、
それほど高い物じゃないし切り替えられるようにしておいたほうが便利かもしれないよ。」
私は、ジミーおじさんが提案した水道管の修理は大変な作業だと思った。
私の知っている水道管のつなぎ方は、カプラーという部品を使い、
2本の水道管をカプラーに差し込むとき、両方が充分しなることができるように、
かなりの距離で水道管を地上に出さなければならない。
ジミーおじさんは、水道管を指でさしながら
「ここで切断して、コックを取り付け、
その先に新しい水道管を繋いで馬屋に走っている管にジョイントで繋げば大丈夫だよ。」
といとも簡単に言っている。
私は説明を聞きながらなんとか頭の中で修理のイメージを描こうとしたが、
どうしても自分が知っている方法とはかみ合わなかった。
この先、さらに水道管にそって必要となる穴掘りの作業を考えたら、
ジミーおじさんの方法は、あまり良い案ではないような気がした。
「どうしたい・・・。 自分のやりたいようにしたらいい。」
ジミーおじさんは、いつも口数の少ない人だ。
自分の考えを人に押しつける事もしない。
ただ、そういう人が何か意見を言うときは、
その内容は、とても大事なことのように感じた。
私はほとんど考えることなく即答した。
「そのやり方に賛成。 地面の中で水の切り替えができた方が楽だし。」
ジミーおじさんは私の言葉をまた無表情に聞いて、
「本当はやっちゃいけないことだけどね。」
とポツリと付け加えた。
それは私も工事をしていたときに大工から聞いたことがあった。
だけど、もし何日にも及ぶ停電に見舞われたら、
馬たちが飲む水の確保は想像を絶する作業となる。
背に腹はかえられないのだ。
ジミーおじさんも禁止されていると知っていても、
その方法を私に勧めている。
きっと、家畜を沢山飼っている農家さんは、
同じことをしているのだろう・・・、と推測できた。
いずれにしろ、
部分品を買いに Lowe‘s というホームセンターに行かなければならない。
ジミーおじさんの言っている部分品を私は知らないので、
日を改めて一緒に行ってくれることになった。
その日は、取りあえず水漏れしているコックを切り離して、
ジミーおじさんが持ってきてくれた蓋で、
水道管の切り口をふさぐという応急処置ができた。
水道管修理の作業は完了したわけではなかったが、
その夜は、あの水を汲み上げるポンプの音から解放され、
馬たちにも普段と変わりなく水を供給できると思ったときの安心感は、
説明しがたいものだった。
2014/02/27 9:06:33 | リンク用URL
Feb
15
2014
水道管修理のための穴掘りに疲れた私は、
シャベルをつかえ棒にして体を休めながらジミーおじさんに電話をした。
「Hi, Jimmy! It’s Midori. (ジミー、みどりです。)」
と電話に出たジミーおじさんに声をかけると、
「Hey, girl! (よぉ!)」
と返事をしてくれた。
トラクターの修理のことで相談をして以来、
ジミーおじさんが乾草を届けてくれるときをねらって、
私は日頃知りたかったことを、堰を切るように聞くようになっていた。
質問のほとんどは、牧場管理に関係する内容だった。
日常の作業を簡易化する上で、
みんながどのような工夫をしているのか知りたかった。
たとえば、春から秋口までボーボー、ワッサワッサと生えてくる雑草だが、
牧場の景観を良く見せるために生やしている芝に比べると、
伸びる速度がすごく速くて、雑草のみを刈り取るのにトラクターを使えば、
燃料や時間の無駄になる。
ところが、芝がある程度伸びるまで待って一緒に刈ろうとすると、
生命力のある雑草は瞬く間に増えていき、
芝の領分を陣取ってしまう。
それを避けるためにやむを得なく、除草剤を春先に散布するようになったが、
草の種類によってはさっぱり効果がないものもあるので、
どういった除草剤をどのように使えばいいのか、
と言ったような内容である。
何十年もの経験を積んできた生粋のファーマーのジミーおじさんは、
私が地面に生えている草を指さすと、
いとも簡単に答を出してくれる。
(いつも綺麗にしていたい景色。 だけど、メンテナンスにはすごく時間がかかります。)
その他、ジミーおじさんが教えてくれる個人商店の情報はすごく助かった。
例えば、農機具のパーツや必需品など、
地元の人でないと分からないような、
どこに行けば何が安く手に入り、良いサービスもしてくれる、
といったような内容だ。
たまには聞くのが恥ずかしくなるほど馬鹿げた質問もしたが、
(きっと心の中では失笑しながら)、突拍子もない会話を楽しんでいるようで、
色んなことを親切に教えてくれた。
そんな日々が過ぎていく内に、ジミーおじさんからも質問されるようになった。
「生まれはどこ?」 と聞かれ、
「日本」と答えると、
「日本人の食事はどんなものを食べるんだ?」
「日本に行くには、飛行機だろ、何時間かかるのかね?」
私が、「一回乗換えして、そこから12時間くらい。」 と答えると、
「そんなに長いあいだ飛行機に乗るのか。 遠いところだね。」
私は、「そう、ちょうどアメリカの裏側あたりだから。」 と付け加えた。
少し間を置いてジミーおじさんは、
「自分はまだ飛行機に乗ったことがない。 いつか乗るかもしれないけど、
飛行機で旅しなくちゃいけないようなこともないし・・・。」
ポソポソと語るジミーおじさんのそんな様子がおかしくて、
今度は私が楽しませてもらった。
乾草を届けてくれる度に、色々な会話を重ねるようになって、
私が1人で牧場を切り盛りしているのが分かってきたジミーおじさんは、
「なにかあったらいつでもいいから電話しなさい。」
と帰り際、見送る私に決まり文句のように言ってくれるようになった。
この言葉は本当にありがたかった。
ジミーおじさんのような、
真面目で信頼できる人を味方にできれば鬼に金棒だと思った。
いつも何かあった時、(どうしよう)、
という不安が心の中にあったので、
その優しい言葉だけで安堵することができた。
だけど、私はあまのじゃくで意固地だから、
なるべくジミーおじさんに甘えてはいけないと思い、
大変な時も自分で解決をしようとする頑なさがあった。
人に頼りすぎるのは良くない。
でも、本当に助けが必要なときに、
差しのべてくれる手を拒絶し続けるのは逆に自己中心的だ・・・。
私は、そう思うようになってきたので、
勇気を出して、ジミーおじさんにSOSを発進することにした。
電話に出たジミーおじさんに、
放馬の件も含め、ざっと水漏れに至った経緯を説明して、
その位置を確認するのに、
自分が家のコックを開く時、ジミーおじさんには現場で水道管を見ていてもらえないかとお願いしてみた。
「おう、そうか。 今やってることがもうすぐ終わるので、そしたらそっちへ行くよ。」
と快い返事がもらえた。
私はいつもの癖で、平静を装いながら、
「急がなくても大丈夫だから・・・、まだもう少し穴も掘らなきゃならないし・・・。」
そう言って電話を切りながら、なぜか、
(やったぁ〜!)
とまるで大仕事を終わらせたかのような心境になった。
穴掘りでだいぶバテたため、
その作業も少し手伝ってもらえれば助かると思ったが、
ジミーおじさんは、「腰が痛むときがある」、と言っていたことがあり、
そこまでは望めないと思った。
ジミーおじさんには、その場にいてもらえるだけでも心強い。
それで充分だ。
電話で話ができてホッとしたのか、
少し元気を取り戻して、また穴掘り作業を続けていたら、
背後に車が近づいてくる気配を感じた。
それは、いつの間にか牧場へ入ってきたジミーおじさんだった。
ジミーおじさんは牧場に来ると、いつも馬小屋の裏に車を止める。
今回もそうして、ここまで歩いて来ると思っていた。
そのため、私が穴掘りをしているすぐ側に車を乗り付けたのには、
不意をつかれてしまった。
そして、更にビックリさせられたのは、
車から出て来たジミーおじさんの格好だった。
2014/02/15 9:03:02 | リンク用URL
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