![アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ](../img/head.gif)
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20
2014
心配事で頭が冴えて、眠れないのは辛いものだ。
横になって目をつむっていても、貧乏揺すりをしたくなるような衝動にかられる。
いっそのこと、朝が来るまで何かやって気を紛らわしたかったが、
私は寝不足にとても弱く、そんな翌日はだるくて不機嫌になる。
明日は、間違いなく労働をするはめになるため、
たとえわずかでも眠って鋭気を養いたかった。
8年前、畑だった更地に牧場を作り始めたとき、
工事に関係した事柄を山ほど、一人で決めていかなければならなかった。
自分の感覚を生かした理想郷が作れるので、やりがいもあったが、
その過程には計り知れないほどのエネルギーを要した。
その1つに井戸水と公共水の選択があった。
迷ったあげく、敷地の奥に建てた母屋で使うのは井戸水と決めた。
井戸水は掘る場所によって当たり外れがあるためギャンブルだ。
近所の牧場で出た地下水は、鉄分が多くて飲料に適さず、
水回りを茶色く変色させてしまうのを見てきている。
けれど、都会で育った私は、井戸水にあこがれのようなものがあって、
どうしても井戸に賭けてみたくなった。
業者が持ってきた掘削機は想像していた以上に大きい。
私はそれを見て、とんでもない判断をしたのではないかと怖くなったが、
25メートル掘って出て来てくれた水は好結果だった。
良質のペットボトルの水と変わらない、甘くて美味しいものだ。
牧場全体でこの水を使いたかったが、道路に近いゲストハウスは、
法律で公共水を使うことが義務づけられていた。
せめて馬小屋には地下水を・・・と思ったが、母屋から300メールほど離れていて、
この距離に水道管を埋めるのは時間のかかる作業になる。
長引く工事に焦りを感じていた私は、早く馬を飼育できる状態にするため、
取りあえずゲストハウス用の水道管から馬小屋へ水を引くことにした。
それから半年が経ち、大がかりな工事がほぼ終了したころ、
滞在していた男性の研修生と一緒に、母屋から馬小屋まで、
長い距離に水道管を埋める作業をしたことがあった。
そのため、水道管が敷地内をどのように走っているのかは知っていた。
(母屋から撮影した馬房。)
水漏れが発覚した翌日は、日の出とともに馬の飼い付けを終わらせ、
私はすぐさま、水道管が埋めてある所を注意しながら歩いた。
しばらく晴天が続き、地面が乾いていたのは幸いした。
地面のなかで水漏れがしていれば、ぬかっていてすぐ分かるはずだ。
母屋から出発して、足下にある地面に目を凝らしながら馬小屋まで歩いたが、
どこにも水漏れの気配はない。
「変だなぁ・・・、どこなんだろう・・」
文字通りブツブツ独り言を言いながら頭をひねり、
道路際にある放牧地の桶に水を入れている時だった。
朝日を受けてキラキラと光っている水たまりが目に止まった。
(あったぁ〜、あんな所だったんだ・・・)
その場所は、道路から牧場を仕切る柵のすぐそばで、
思いも寄らないところだ。
シャベルを手にそこへ行くと、あたり一面は沼地のようにグチャグチャだった。
どおりで、頻繁にポンプが水を汲み上げていたわけだ。
そこには、公共水用と井戸水用の水道管を切り替える接続部分が埋まっている。
研修生と一緒に、井戸水を馬小屋で使えるようにしたとき、
公共水用の管を完全に切り離さず、何かの時に切り替えられるように、
コックのついた部品で繋いだ。
コックの真上は、土を入れずに空洞にして、
工事であまった木っ端で箱を作って囲むという、手短な処理をした。
後にもっと頑丈な物を作るつもりでいた。
そして、瞬く間に過ぎた年月とともに、その上には土がかぶり草も生えて、
箱のことをたまに思い出しては、気になっていたがそのまま放置していた。
よく見ると、その付近の沼地化してない地面にいくつもの蹄の後があり、
水漏れの原因は、放牧地から脱出した馬がそこへ乗ったためと分かった。
2014/01/20 0:59:36 | リンク用URL
Jan
17
2014
牧場の仕事はとてもダイナミックでフィジカルだ。
あるとき、ガーガーとトラクターをうならせて作業をしていたら、
滞在していたお客様に、
「女性のする仕事ではないね。」と言われたことがあった。
私の中には、「ウーマンリブ」(もう死語?)などという精神はなく、
できれば力仕事、機械の操作、大工仕事など、男性的な作業はやらずにすむなら、
それに越したことはないと思っている。
でも、馬の仕事を選んだときからこういった労働はいつもついて回り、
それを人に頼んでいるととんでもない経費がかかってしまう。
出張料、作業代など自分でやれば材料費だけのところを、
さほどの技術がなくても一丁前の料金を請求される。
その内ブログでも書く時がくると思うが、
日本人の感覚からは信じられないような、
(いい加減な)仕事で 「プロ」 として通用するアメリカの社会的環境を、
どのように、語弊なく説明したら良いのだろう。
牧場が完成するまでの経過をありのままに書けば、
すごく面白いブログになりそうな気もするが、
その反面、愚痴満載になってしまう可能性もあるので、今まで書かないでいる。
そんなわけで、愚痴るくらいなら不慣れな仕事でも自分でやれば納得がいくので、
ありとあらゆる作業に挑戦することにした。
それに、四六時中 馬と顔を突き合わせていると気分転換が必要になることもあるので、
丁度よい息抜きになる。
最初はなんだかんだと苦労はしたものの、
知らないうちに牧場内のほとんどのことは一人でもできるようになった。
ただ、その中にはどうしても自分ではできない内容のものもある。
ちょうど去年の暮れ近くのことである。
1頭の馬が夕方の飼い付けの時に放牧地から出てしまい、
しばらく牧場内をあちこち散策して回ったことがあった。
牧場の周囲は柵で囲ってあるので外へは出られないし、
悪さをするような馬ではないので、
全ての作業が終わったあとに、捕まえて放牧地に戻した。
そしてその夜、テレビを見ながらノンビリと夕食を食べていたときのことである。
「ブォ〜〜〜〜」とポンプが地下水を汲み上げる音が聞こえたような気がした。
小さな音なので静かにしてないと聞こえにくいため、
テレビを消音にして、しばらく耳を澄ませていたらまた「ブォ〜〜〜〜」。
水を使うとポンプが作動するので、どこかの蛇口が開いているのかも知れないと思い、
真っ暗な中、懐中電灯を手に放牧地と馬小屋へ、合わせて7つある蛇口を調べに行った。
(通称ハイドラントと呼ばれる屋外の蛇口。 冬でも凍ることはない。)
全ての蛇口の閉め忘れや異常はなく、
あと考えられるのは、水が他の場所で漏れている可能性だった。
外は闇夜でとても水漏れの箇所を探し当てる気にはなれず、家に戻る。
もしかしたらただの空耳だったのかも知れないと願いつつ、
まだポンプの音は聞こえるのか、息をひそめて耳を澄ましてみた。
そしたら何分間か経過した後に、
「ブォ〜〜〜〜〜」とまた音がする。
はかない望みはあっという間に打ち砕かれ、
これは 「間違いなくどこかで水漏れが起こっている」、
と音が現実をうったえていた。
蛇口が閉まっているのは確認済みなので、
水漏れの原因が他に考えられるとすれば、地面の下かそれとも
最悪の場合、家の床下か馬小屋の壁の内側である。
「夜には考え事をするな」と言う教訓があるが、
なるほど、夜という時間は不思議と、
なんでも悪い方へイマジネーションを働かせてしまう魔力がある。
その晩の私は、また眠れない症候群におちいり、
ベッドの上でポンプの音を聞きながら、そこら中が水浸しになった所を想像して、
悶々とする一夜を過ごすことになってしまった。
2014/01/17 8:48:36 | リンク用URL
Jan
08
2014
1月7日、朝の気温 −11°C。 体感温度は −15°C。
日中は、−5°C までしか上がらなかった。
これはニュースの時間に、しつこいくらい天気予報が伝えていた情報だ。
そして学校はこの寒さのため、今朝は2時間遅れで授業が始まった。
ここノースカロライナよりずっと北の方にある
ウィスコンシン州、ミシガン州、イリノイ州やニューヨーク州など、
大きな国際空港がある地域が大雪に見舞われたため
6000もの飛行機の便に乱れがあったそうだ。
幸いにもグリーンウェイランチでは、
この厳寒のお天気で目覚めた、今朝は快晴。
気温は記録を更新した寒さだったらしいが、
冬だからそんな事もあるだろう、と思えた。
(今朝の水桶。 氷の厚さは5センチ以上でした。)
ただ、特筆したいのは、私がいままで経験をしたことがないような、
昨日の気温の変化だった。
きのうは、朝からこの時期にしては珍しく17°Cもあった。
ところが、普通だったら昼にむけて気温が上がるはずなのに、
太陽が昇ると共にどんどんと急降下。
夕方には氷点下になってしまった。
まるで冷蔵庫のドアを開けたような勢いで、
気温が変化していったのにはビックリした。
携帯には水道局から、水道管の凍結防止についていくつかの指示が入り、
「これはただ事ではない」、と改めて気が引き締まった。
数ヶ月前に乳離れさせた昼夜放牧の仔馬のことが心配になり、
他の牧場ではどうするのか聞いてみようと思ったが、
豪雪とでも予報がない限り、間違いなく普段どおりの管理をすると思い、
ここもいつもと同じようにすることにした。
それに放牧地には、出入りが自由にできる小屋も建ててあるから、
そこで寒さをしのぐくらいの知恵はついているはずだ。
そして今日の朝、
大丈夫と思ってはいたが、朝の飼い付けの時には、
外で夜を過ごした馬たちの様子に気を付けながら放牧地を回る。
餌を積んだ二輪車をゴロゴロと押して放牧地のゲートにたどり着くと、
馬たちの様子がいつもと違って変だった。
普段は、「ごはんだ、ごはんだぁ!!」と
嬉々として小走りするのが、今朝は元気がない。
急激な気温の変化と、慣れない寒さで体の具合を悪くしたのかと一瞬ドキッとなったが、
少ししてその理由がわかり、ホッとして可笑しくなってしまった。
馬たちがおとなしかったのは、
2,3日前に大雨が降ったとき、雨でぬかった地面が馬の足跡ででこぼこになり、
それがそのままコチコチに凍結したからだった。
どうも、そのでこぼこが足の裏に響くらしく、
跛行しているようなぎこちない歩き方になってしまったようだ。
それにもまして、もっと笑わせてくれたのが繁殖牝馬の親分、モールで、
水たまりに厚く氷が張ったところへ、うっかり4本の足全部を踏み入れてしまって、
にっちもさっちもいかなくなったのだ。
初めてアイススケートを経験する人みたいにヘッピリ腰で、
つるつると滑る地面にどう対応していいか分からず困った様子。
転ばないように、小さな歩幅で注意深く一歩一歩進むものの、
それでも足を踏み出すときに「ツルッ、ツルッ」と滑ってしまい、
モールは真剣な顔をしている。
いつもなら2歩ほどで移動できる距離を、時間かけてやっと脱出できたときの、
モールの様子・・・、ホッと体から力が抜けたのがハッキリと見て分かり、
また笑ってしまった。
さすがに年の功だけあって、落ち着いて急場に対応してくれたから良かったが、
地面が滑るからと慌てるような馬だったら、思いっきり転倒だ。
表に出たとき思わず「さむ〜〜」と言ってしまうこんな冬の日も、
たまには楽しいと思ったが、
ついこの前のブログで、日中の気温26°と書いた記憶があるので、
やっぱりこの冬は、変なお天気模様である。
ちなみに予報では、
明日から気温は上昇していき、今週末は20°C近くになるそうだ。
(明日は晴れみたいで、夕焼けがきれいでした。)
2014/01/08 12:03:55 | リンク用URL
GREENWAY RANCH
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