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Oct
15
2010
荒馬や牛に乗る競技では、選手をサポートするため2組の人馬がアリーナに待機しています。
主な仕事は役目の終わった馬や牛をアリーナから退場させることです。
彼らは絶妙なチームワークと素早い行動で、競技がスムースに進行できるようにします。
牛の中でも特に動作がすばしっこい子牛は、走っては止まり、逆を向いてフェンス伝いにまた走ってなんとか追っ手から逃げようとあちこち方向を変えます。
(写真に写っているのは成長した雄牛です。)
柵ぞいをダッシュしたかと思うと急停止してくるりと向きを変えて逆に走り出す、そんな子牛を無駄な動きをせずに追いかける人馬。
乗り手は片手にロープ、もう一方の手で手綱を操作し牛の動きにピッタリと付いていきます。
うぅ〜〜ん、思わず納得のため息が・・・。
これぞレイニング競技のルーツなのだと・・・、聞いてはいたものの改めて実感しました。
レイニング競技の経路は現在11パターンまであって、その経路でする馬の動作にまさしくロデオのアリーナで見たものがありました。
これはレイニングだけではなく、ワーキングカウホースやカッティングの競技にも言えることですが、この競技は実際に牛を使うのでここでは説明を省きます。
レイニングは許可されたクラス以外は、手綱操作を片手で行いながらパターン(経路)走行をしなくてはなりません。
パターンに必ずある動きで採点の対象になるのが、サークル(輪乗り)、スピン(後駆を軸に回る)、ストップ(後肢ですべりながら停止)で、パターンによってはフィギアエイト(8字乗り)もあります。
サークルは2回の大きいサークルと1回の小さいサークルをセットとして左右行われ、それに2回のリードチェンジ(踏歩変換)が含まれます。
スピンは左右1セット4回転ずつ、あるいは(駈歩入場のパターンの場合左スピンのみ41/4回転)。
ストップは最低3回のランダウン(ストップ前の直線上駈歩)にスライディングストップ、それぞれのストップ後にロールバック(後駆を軸にして180度反転)の2セットとバックアップ(後退)の1セットで構成されています。(除くパターン11)
これらの動きをマニューバー(maneuver)と呼び、競技会では11通りのパターンにそれぞれのマニューバーの組み合わせがあり、出場する人馬は決められたパターンを走行するわけです。
このマニュ−バーの各動作には牛を扱うカウボーイが馬と共に作業をした時のなごりがあります。
サークルは、牛をまとめるときに牛の回りを囲むように走って逃げないようにします。
スピンは牛が左右に機敏に動くので、それを拒むための動作がもとになっています。
ストップは牛が柵ぞいを走っていったときに並走(ランダウン)し、急に停止して向きをかえたら馬もそれに合わせてストップ、そのあとロールバックして牛から離れないようにするのです。
このような牛を追うときの馬の動作が洗練され組み合わされて、レイニング競技のパターンとなったわけです。
牧場の作業の一環として牛を追いロープで捕まえた後に、焼き印を押し、去勢や治療、病気予防の処置などをしたのでしょう。
また、牛の買い手がついたりして別の群れに分けたこともあったと思います。
これらの作業をするには、たとえ牛が囲いの中に居たとしても、とうてい人間の脚だけでは難儀なことです。
それを馬上でやることにより手際の良い作業ができるのです。
WEGの解説者がレイニングとは、「馬が自分から好んでガイドされている様子だ。
(乗り手の指示に素直にしたがっている様子)」と言っていました。
確かにカウボーイの作業を助けるための馬が、乗り手の指示に反抗的であっては、仕事が進まず困ることになりますね。
久しぶりのロデオ観戦は、その昔カウボーイ達の仕事を助ける良き相棒として、また旅人の脚となるなど、常に人との生活に密着して生きている馬達の存在をひしと感じたひとときでした。
2010/10/15 0:55:24 | リンク用URL
Oct
12
2010
荒馬乗りの競技には競技者をサポートするため、2組の人馬がアリーナに待機しています。
カウボーイが8秒間荒馬を乗り切ると、絶妙なタイミングでそのうちの1組が尻っぱねしながら猛スピードで走っている人馬に近づき並走します。
そして、荒馬に乗ったカウボーイは、並走してきた馬上の人の腰にしがみつき飛び降りるわけです。
空になった馬はまだ跳ねながらアリーナをあっちこっちと走り回ります。
今度はもう1組の人馬がそれを追いかけ、並びかけると同時に乗り手は上体を荒馬の方へ倒しながら腕を思いっきり伸ばして荒馬のお腹(脾腹のあたり)に巻いてあるベルトを外します。(このベルトは馬を跳ねさせるために巻いてあります。)
ベルトを外されやっとフリーになった荒馬は2組の人馬に促され出口を自分で見つけて退場していきます。
馬はなかなか利口で自分の役目がすむとすぐにアリーナを退場するのですが、性質の違いでしょうか・・・、やっかいなのは牛です。
子牛はカウボーイのロープの技を競う種目に使われ(team roping, tie-down roping など)、まだ体の小さい角のある若牛はカウボーイに角を羽交い締めにされ地面に寝かされるという種目(steer wrestling)に出てきます。
これらの牛はまだ可愛いもので、ロープや人から解放されると「どこへ行けばいいのかなぁ」と言う感じでアリーナをさまよい2組の人馬に追いかけられながら退場します。
ところが、ロデオ種目の中では一番危険とされている bull riding に使われる牛はそうはいきません。
Bull riding に登場する牛は成長した雄で、体が大きく頭にはホーン(角)があります。
シュートから飛び出ると、跳ねるばかりでなく胴体をくねらせながら回転するため、カウボーイも荒馬のように8秒間乗り切れるチャンスは少なくなります。
乗り手が落ちた場合や、運良く乗り切って飛び降りると、雄牛は跳ねていたのをやめ間髪入れずに所かまわず突進していきます。
もっともターゲットになりやすいのは、さっきまで背中にまたがっていたカウボーイです。地面に転がってすぐに起きられないと、雄牛のアタックから逃れるのが遅れ取り返しのつかないことになります。
そんなカウボーイを守るため活躍するのが牛の性質や動きをよくしっているロデオクラウンです。
ロデオクラウンはシュートから出てきた人牛のそばに常についていて、落ちて地面に転がったカウボーイを牛がターゲットにしないよう、まさに体を張って牛の気を自分にそらせるようにします。
その間にも馬上の人達が牛の注意をあちこちにそらせるため声を出し、ロープを持った手を振り回し、牛を出口へと追い込みます。
アリーナ−を走り回りなかなか去らない牛には、馬上から角にロープがかけられ出口へと引っ張っていかれる時もあります。
Bull Riding はちょっとでも油断すると死傷者を出すほど危険を伴う種目で、乗り手やロデオクラウン、待機している馬上の人達は真剣そのものです。
この競技が始まる前、アリーナの片隅に登場したロデオクラウンが静かにひざまずいて祈っていた姿が印象的でした。
続く
2010/10/12 3:41:31 | リンク用URL
Oct
07
2010
10月3日はテレビでWEGのレイニング個人戦を見ました。
さすがに・・・、と言うかやっぱりアメリカは強かったですね、レイニングをずーっとやっている国ですから・・・。
ガナーやってくれました!
奇しくもガナーの事をブログで書いた直後で、それもあの馬の産駒がWEGに出場しているとは知らずに書いたものでした。
トム マッカッチャンが騎乗して228のスコアで優勝した馬はガナーズスペシャルナイト(Gunners Special Nite)という名前でガナーの息子です。
白面はお父さんほど多くはありませんが、試合での動きはそっくりでした。
特にバランスの良いダイナミックなストップはお父さんの形そのままを彷彿させました。
インタビューで、「あまり嬉しそうに見えませんが・・・」と質問されたトムがメダルを手に、
「これは自分がもらうのではなく、馬が勝たせてくれたのだから彼に与えるべきものだ。 あの馬は自分にとってはとても特別で、馬を勝たせるために頑張った。」
と言っていましたがきっと本心だったと思います。
手前味噌ですが、NRHAで発行しているレイナーという雑誌に、ガナーズスペシャルナイトが載っていて血統を見たら、この馬の母馬の母馬はグリーンウエイランチで繁殖牝馬として沢山の良い子を出している馬(Gunners Moll)の母でもありました。
(Gunners Moll です)
ガナーファンとしては嬉しさ倍増です。
ちなみにGunners Mollのお父さんもガナーです。
注目のショーンフロリダはスコア2071/2という残念な結果に終わりました。
鐙の皮が切れてしまい、大きな大会でのまさかのアクシデントでした。
前回に高得点を出していたので楽しみにしていましたが、走行中に鐙が切れたときホーンをつかんでしまい、その後はスピードを落とし完走しただけでした。
(ウイリアムストン競技場でのショーンフロリダ)
インタビューには、
「この結果をもっとも残念に思っているのは馬の方だろう。 自分は次回があるが、彼にとってWEGは最後だから馬には良い成績を残してあげたかった。」
とトムと同じでやはり馬が中心の会話でした。
ここ数年ビッグタイトルを総なめにしているショーンはさすが大物です。
とんでもないハプニングにも例のショーンスマイルでインタビューに答えていました。
もう何年も前のことですが、NRHAでは一番大きな大会であるオクラホマのフチュリティーオープンファイナルで デル ヘンドリックスが走行中スプリットレーンの手綱を1本落として退場せざる終えない事がありました。
これもやはりフチュリティーオープンファイナルでの事ですが、選手(確かアンドレア ファパーニ)の乗っている馬があまりにもすごいロールバックをしたためバランスを取るのに乗り手は思わずホーンをつかんでしまったことがあります。
瞬時の事だったため5人いたジャッジは誰もそれに気がつかず、高得点をあげ優勝となってしまいました。
NRHAのルールでは鞍をつかむとジャッジ1人から5点のペナルティーがつきますから、素晴らしい走行をしても優勝はあり得ないので問題になった試合でした。
WEGのレイニング個人戦でアメリカ人に混じってカナダとベルギーの選手がいましたが、いつの日か日本からも選手が出場してくれる事を心待ちにしています
2010/10/07 21:43:27 | リンク用URL
GREENWAY RANCH
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