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2010
荒馬乗りの競技には競技者をサポートするため、2組の人馬がアリーナに待機しています。
カウボーイが8秒間荒馬を乗り切ると、絶妙なタイミングでそのうちの1組が尻っぱねしながら猛スピードで走っている人馬に近づき並走します。
そして、荒馬に乗ったカウボーイは、並走してきた馬上の人の腰にしがみつき飛び降りるわけです。
空になった馬はまだ跳ねながらアリーナをあっちこっちと走り回ります。
今度はもう1組の人馬がそれを追いかけ、並びかけると同時に乗り手は上体を荒馬の方へ倒しながら腕を思いっきり伸ばして荒馬のお腹(脾腹のあたり)に巻いてあるベルトを外します。(このベルトは馬を跳ねさせるために巻いてあります。)
ベルトを外されやっとフリーになった荒馬は2組の人馬に促され出口を自分で見つけて退場していきます。
馬はなかなか利口で自分の役目がすむとすぐにアリーナを退場するのですが、性質の違いでしょうか・・・、やっかいなのは牛です。
子牛はカウボーイのロープの技を競う種目に使われ(team roping, tie-down roping など)、まだ体の小さい角のある若牛はカウボーイに角を羽交い締めにされ地面に寝かされるという種目(steer wrestling)に出てきます。
これらの牛はまだ可愛いもので、ロープや人から解放されると「どこへ行けばいいのかなぁ」と言う感じでアリーナをさまよい2組の人馬に追いかけられながら退場します。
ところが、ロデオ種目の中では一番危険とされている bull riding に使われる牛はそうはいきません。
Bull riding に登場する牛は成長した雄で、体が大きく頭にはホーン(角)があります。
シュートから飛び出ると、跳ねるばかりでなく胴体をくねらせながら回転するため、カウボーイも荒馬のように8秒間乗り切れるチャンスは少なくなります。
乗り手が落ちた場合や、運良く乗り切って飛び降りると、雄牛は跳ねていたのをやめ間髪入れずに所かまわず突進していきます。
もっともターゲットになりやすいのは、さっきまで背中にまたがっていたカウボーイです。地面に転がってすぐに起きられないと、雄牛のアタックから逃れるのが遅れ取り返しのつかないことになります。
そんなカウボーイを守るため活躍するのが牛の性質や動きをよくしっているロデオクラウンです。
ロデオクラウンはシュートから出てきた人牛のそばに常についていて、落ちて地面に転がったカウボーイを牛がターゲットにしないよう、まさに体を張って牛の気を自分にそらせるようにします。
その間にも馬上の人達が牛の注意をあちこちにそらせるため声を出し、ロープを持った手を振り回し、牛を出口へと追い込みます。
アリーナ−を走り回りなかなか去らない牛には、馬上から角にロープがかけられ出口へと引っ張っていかれる時もあります。
Bull Riding はちょっとでも油断すると死傷者を出すほど危険を伴う種目で、乗り手やロデオクラウン、待機している馬上の人達は真剣そのものです。
この競技が始まる前、アリーナの片隅に登場したロデオクラウンが静かにひざまずいて祈っていた姿が印象的でした。
続く
2010/10/12 3:41:31 | リンク用URL
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