アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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Oct

17

2014

カウボーイの作業とレイニング

アメリカ開拓時代の人と馬の関わりをたどると、
現在のメキシコやテキサス州、カリフォルニア州など北米南西部に移住してきたスペイン人は、
牛などの家畜を扱う作業を馬にまたがりながら行っていました。
 
牛の群れの移動や、特定の牛を群れから分けたり、
ある時は離れてしまった牛を群れに戻したりと、
ほとんどの作業は柵や囲いのないところでやることが多かったためです。

カウボーイは仕事を首尾よくこなすために、動きが機敏で小回りが利き、
逃げる牛の動きに合わせて急停止やダッシュができるような馬が必要でした。

作業に使う馬は、乗り手の体重移動や脚による合図、
そして軽い手綱のタッチで動ける敏感な感覚を持ち合わせていなければなりません。

カウボーイは多くの作業をするために、手綱は片手だけで操作しました。
もう片方の手は、ロープを扱ったり、ゲートの開閉、
ノロノロとしている牛を追うなどフリーにしておく必要があったからです。

そのような牧場の作業を馬の上で行っていたなごりを競技として確立したのが、
レイニングを含むウエスタン馬術です。

アメリカが発祥地のウエスタン馬術には様々な種類があります。
その中でも、レイニングやワーキングカウホース、カティングといった競技は、
馬の上から家畜を扱うカウボーイの日常作業をもとに、
乗り手の指示に従って動く馬の様子を審査するものです。

レイニングを初めとし上記した競技のルーツは、
ロデオの競技を観ると、よりリアルにイメージできます。

ロデオでは、いくつかある競技種目で選手が牛を相手に行うものがあり、
アリーナには選手の他に、選手をサポートし競技の進行をスムースに行うため
2-3組の人馬が待機します。

競技中は選手が注目の的となりますが、
サポート役の人馬がアリーナで動く様子も
とても興味深いものがあります。

彼らの主な役割の一つは、
競技が終わり解放された牛をアリーナから退場させることです。
サポートする数組の人馬は、絶妙なチームワークと素早い行動で、
逃げ回る牛を出口へと追いこみます。

牛の中でも特に動作がすばしっこい子牛は、
走っては止まり、逆を向いてフェンス伝いにまた走っては逃げるため、
その牛を追う馬のダイナミックでリズムの良い動きは迫力満点です。

このようなロデオからうかがえる、
カウボーイが馬にまたがって行う家畜相手の作業の動作を
競技化したものの一つがレイニングです。

レイニングは、競技中に牛を使うワーキングカウホースやカティングとは異なり、
馬が決められたパターン(経路)をいかに正確に洗練された動きで演じるかを審査します。
そして、経路を走行する馬の動きには、
まさしくロデオのアリーナで見る動作が基本にあるのが分かります。

レイニングは許可されたクラス以外、乗り手は片手で手綱操作を行いながら、
決められたパターンを馬とともに演じなければなりません。

パターンに指定されている動きには:

サークル(円を描きながら走る)、

DSC01601.JPG



スピン(後駆を軸にクルクル回る)、

MAH00689.jpg


MAH00689-3.jpg



スライディングストップ(後肢ですべりながら停止する)、

P1000302.JPG



更に、パターンによってはフィギアエイト(8字乗り)が含まれています。

これらの動きをマニューバー(maneuver)と呼び、
それぞれのパターンは、各マニューバーの組み合わせによって構成されています。

その構成方法は、左右対称であることもあれば、
位置を変えながら数回繰り返されることもあります。
そして、その一つ一つのマニューバーの完成度が採点のポイントになります。

競技会では12〜13種類あるパターンから一つが選ばれ、
クラス分けされた人馬はそれに従い走行します。

このマニュ−バーの各動作を観察すると、
牛を扱うカウボーイが馬と共に作業をした時のなごりがうかがえます。

サークルは、牛を群れとしてまとめるときに牛を囲んで逃げないようにします。
スピンは、牛が左右に機敏に動いたとき、それを拒むための動作がもとになっています。
スライディングストップは、牛が走って逃げたときに並走(ランダウン)し、
牛が急停止したらそれに合わせてスライディングストップし、
そのあと牛が向きを変えれば、ロールバック(反転)して牛を逃がさないようにするのです。

家畜相手の作業は、たとえ牛が囲いの中に居たとしても、
とうてい人間が徒歩で行うのは無理な仕事です。
それを馬上でやることにより手際の良い作業ができるのです。

レイニングの世界大会で解説者が、一組の人馬の演技を見ながら
「馬が自分から好んでガイドされている様子そのものだ。」 
(乗り手の指示に素直にしたがっている)」と言っていました。

確かにカウボーイの作業を助けるための馬が、
乗り手の指示に反抗的であっては仕事が進まず困ることになるわけです。






















2014/10/17 0:34:55 | リンク用URL

Sep

14

2014

クォーターホースのオリジン

クォーターホースはヨーロッパおよび日本をはじめとするアジアにも沢山輸入され、
馬の種類としては世界的にポピュラーになりましたが、
彼らの起源はどのように始まったのでしょうか。

クォーターホースはアメリカが原産国ですが、
古代もとからアメリカ大陸で生息していた馬の祖先は、
原因不明で約1万年前に絶滅したと言われています。 

それからというもの16世紀の始め、
ヨーロッパ人によりアメリカ大陸が発見されて、それを期に馬が持ち込まれるまで、
意外なことにこの広大な大陸に馬は存在していませんでした。
(注・アメリカ大陸発見についてはいくつかの説があります。)

今は全米どこに行ってもありとあらゆる種類の馬を見かけることができ、
馬の生息に環境が適しているため絶滅というのはちょっと信じられないような話です。

絶滅以降、約500年前までアメリカには生息していなかった馬たちですが、
ヨーロッパから新大陸(アメリカ)へ渡った人たちにより持ち込まれ、
彼らはまた新たな歴史をここで歩みだします。

ヨーロッパから持ち込まれた馬たちは
人々が新大陸を去るときに放置され野生化し自然繁殖していきました。
また一部はネーティブアメリカン(インディアン)によって家畜化され、
その数を増やしていきました。

17世紀にアメリカへ渡り東部海岸を植民地にしたイギリス人は、
持ち込んだサラブレッドをネーティブアメリカンが繁殖させた馬と交配して
新しい馬の品種を作りました。

その品種は、小型で俊敏俊足、そして丈夫なため、
平日は使役に使われ、週末はスピードを競うレースで活躍するようになりました。

当時の競馬をするために使われたコースはイギリスの伝統的な競馬場とは異なり、
道路や開けた平地などをトラックとして利用し、その距離は短い直線でした。

競馬に使うためにサラブレッドとヨーロッパからの持ち込み馬を交配してできた品種は、
短距離(1/4マイル)でサラブレッドと競争させると断トツに速く、
これが後にクォーターホース(英語でクォーターは1/4という意味)という名前の由来になっています。

サラブレッドは現在のクォーターホースの基礎を作るのに大きく貢献していて、
その中にはサラブレッド3代始祖の1頭ゴドルフィンアラビアンをおじいさんに持つ
Janus(1746年生まれ)もいたそうです。

17世紀から18世紀にかけ開拓者によりアメリカ東部の植民地化が終わると、
彼らは19世紀には東部から更に新天地を目指して西へと移動していきます。 

この西部開拓時代にも従順で頑丈な馬を求めて品種改良は行われ、
アメリカ東部でサラブレッドとヨーロッパからの持ち込み馬の交配でできた品種を、
アメリカ南西部に生息していた馬達に交配しました。

南西部に生息していた当時の馬も、もとはヨーロッパから持ち込まれたものでした。
それらはムスタングと呼ばれ、ムスタングもヨーロッパから入ってきたものが野生化したり,
ネィティブアメリカンが家畜化して増えたものでした。

アメリカ東部で品種改良された馬と南西部に生息していた馬を交配させてできた品種は、
牛の移動の時など自分の役割を本能的に知っている(cow senseがある)馬と重宝がられ
牧場作業に多く使われるようになりました。

このようにアメリカ大陸発見に伴い、人々は広大な土地を移動したり開拓するために、
後にクォーターホースと呼ばれる種類の馬を沢山生産していきました。

その改良にはサラブレッドが深く関与していますが、
1940年にAQHAが発足されクォーターホース種の血統管理をするようになってからは、
サラブレッドとの交配を許可はしているもののそれらの子孫はAppendix American Quarter Horse として登録し従来のクォーターホースとは区別するようになりました。

AQHAが公認しているウエスタンの競技種目の中に、
レイニング、カッティング、ワーキングカウホース、プレジャー、トレイル、ホースマンシップ、ホルタークラスなどがあります。
また、ロデオ系の競技としてはカーフローピング、チームローピング、バレル、ポールベンディングなどがあります。

これらの競技内容のほとんどは、
アメリカ西部開拓時代から今現在でもまだ行われている、人が馬と共にする牧場作業や、
馬で野山を移動する時などの日常的な動きが競技化されたものです。

ウエスタン競技の中にはクォーターホースだからできるというような内容も多くあり、
彼らの特筆すべき性質の従順さや利口で温厚な性格、
運動能力に優れ身体が丈夫だという特徴が活かされています。

(参照 American Quarter Horse)

DSC01494.JPG


(グリーンウェイランチのクォーターホースたち)







2014/09/14 0:45:50 | リンク用URL

Sep

10

2014

レイニングの競技とクォーターホース

2011年12月から2012年2月までのブログで4回にわたり、
レイニングの競技会についてミニ知識を綴りました。

それ以降、NRHA(ナショナルレイニングホースアソシエーション)のルール改訂も若干あったため、
今回は数回に分けて、以前に公開したブログを基盤にしながらもう一度、
レイニングに関して、そして改訂後のNRHAのルールにプラス必要と思われる内容を書いていきたいと思います。



「レイニングの競技とクォーターホース」

レイニングという単語に使われているレインは、
雨のRainではなく Reinと綴り、それはウエスタン乗馬用語で手綱の事です。

レイニング(Reining)とはアメリカで生まれたウエスタン版馬場馬術競技の1つで、
ほとんど毎週末と言っていいほど どこかで試合が行われています。

なぜレイニング(手綱ing)なのか・・・、
この競技を簡単に説明すると、騎乗者の軽い手綱操作によって馬が自由自在に動き、
その動きは馬自身が自ら進んで演技しているような様子に注目しながら、
馬の演技能力を審査する競技だからです。

レイニングの競技会は、
一組の人馬が指定されたパターン(経路)を馬場の中で順次に走行します。

それぞれのパターンにはいくつかの決められた演技項目があり、
ジャッジは演技中の馬の動きからその優劣を審査し、
ジャッジの採点で順位が決まります。

レイニングの競技会は、ほとんどがクォーターホースの活躍によってなされていて、
レイニングホースとしての血統は約50年の歳月に渡り愛好者によって追及され続けています。

アメリカではもっともポピュラーな馬の種類クォーターホースは、
日本でもサラブレッドに続きよく耳にされるようになってきました。
 
クォーターホースの原産地はアメリカで、
障害飛越や馬場馬術などブリティッシュの競技会に使われているヨーロッパ産の品種や
レースに使われるサラブレッドより体高が低く(14〜16ハンド、約143センチ〜163センチ)、
その割に幅があり肩やお尻の筋肉が大きく発達していて体はがっしりしています。

DSC01831.JPG


(メスの2歳馬ブーマー、グリーンウェイランチにて)


サラブレッドのすらりと美しい体型に比較すると、
クォーターホースは短足で広い胸前と大きく力強い後駆を持ち、
コンパクトな体型はずんぐりむっくり見えますがこのマッチョさは見慣れるととても味が出てきます。 

馬面に変わりはありませんが、
顔が短く小さめで、額は平らなため全体のバランスが美しいからだと思います。

DSC01847.JPG



クォーターホースは体型的に3つのタイプに分けられていて
1つはストックホースタイプで体型など前述した特徴を多く持っているものです。 
動きがとても俊敏で、このタイプはレイニングやカッティングの競技に活躍しています。
 
もう1つは競馬や障害飛越に使われるタイプで、
どちらかというとサラブレッドの体型に似ていて体高があり、体はなめらかな線を描きます。

最後の1つはホルタータイプです。
クォーターホースの中では、体高(15.2−16ハンド)、体重(540s以上)
ある大きな体型で、ハンドラーによって馬そのものを見せる競技に使われます。 

クォーターホースという名前のいわれはもうご存じの方も多いと思いますが、
1/4(クォーター)マイル(約400メートル)を走らせると
どの種類の馬より速いことからこの名前がつきました。

ある記録によると時速88.5キロを出したこともあるそうです。
競馬で言うと完全なスプリンター(短距離選手)であり、
競走はクォーターホース同士で行われます。 

また競馬に使われるクォーターホースと同様、
障害飛越に使われるタイプもサラブレッドの特徴を強く持ち、
それらの血統にはサラブレッドの血が品種改良する上で多く入っています。

クォーターホースは牧場の作業、乗馬レッスン、観光地の外乗、多岐にわたる競技会、競馬、騎馬警察など様々な分野で日々大活躍しています。

そのようなクォーターホースの種の保存のため1940年、
アメリカのテキサス州にAQHA(アメリカンクォーターホース協会)が発足され
業務の一環として血統管理を行っています。 

AQHAは登録頭数400万頭以上の数を有し、
馬の血統登録をする協会としては世界一の規模をもっています。
2007年には135,780頭以上のクォーターホースが新たに登録されました。 

アメリカでは一般的に在来馬をクォーターホースと表現し、
AQHAに登録してあるものは Registered Quarter Horse (登録されたクォーターホース)と言い分けたりします。 

通常クォーターホースと呼ばれているものの中にはペイント(まだら模様)や
アパルーサ(体全体やお尻の部分に斑点がある)も含まれますが、
AQHAには登録できません。 
これらの毛色のクォーターホースはペイントホースやアパルーサとして別の協会に登録されます。

(一部参照 American Quarter Horse)












2014/09/10 0:58:34 | リンク用URL

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