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Jan
20
2016
今回のブログも前回の(メンテナンス 5)に引き続き、
馬の肩のドロップに関係したことに触れてみたいと思います。
レイニングホースのメンテナンス運動をする時、
ワンハンド、ルースレーンで拳を馬の背峰の真上に保ち、
左右に拳を動かすことなく、ラージサークルとスモールサークル、
Uターンやストレートラインなどの図形を馬場に描いてみてください。
この時馬は、
乗り手がガイド(ポイントしながらの誘導)する方向へ自由自在に動き、
回転時は内側へ倒れ込んだり、外側へ膨らんだりせず、
またストレートラインでは真っ直ぐ進んで行くようであれば、
馬の肩のドロップに関して心配する必要はないと思います。
(右へサークルをしています。 拳は背峰の真上でも綺麗なサークルを描けるときは、
馬がバランス良く走っているというのが分かります。)
馬の肩のドロップを防ぐために、
馬の頭を内側へ向ける運動や、横の運動を長時間する人がいますが、
必ずしもレイニングには向かないような気がします。
レイニングは馬の前進気勢、
つまり、元気よくリズムに乗って馬が動くことがとても大切です。
馬に過度な柔軟運動をすると日本語で的確な表現は分かりませんが、
英語だとWigglyな動きをする馬になる可能性があり、
また前進気勢も損なわれます。
グリーンウェイランチを起ち上げるまで、
私は3カ所の牧場でレイニングホースの調教を見る機会がありました。
そこのオーナートレーナーのもとで何ヶ月何年の単位で自分も馬に乗り、
レイニングホースが仕上がっていく過程を見ましたが、
日常で彼らが馬の横の運動に重きを置いている所を見たことがありません。
もちろん彼らは調教中に馬がハミに譲る、乗り手の脚やレーンのタッチに譲る
ということを徹底的に教えることは怠りませんので誤解のないようにしてください。
レイニングホースの乗り方や調教方法はトレーナーにより様々ですが、
ここでは、私がもっとも簡単な方法と思うものを紹介しています。
騎乗時に馬の動きをみる(テストする)ときに、
乗り手が必ず行って欲しいのは、
レーンを持つ拳が、馬の背峰の真上にある状態で騎乗するということです。
馬場の上で角度をつける回転運動の時、
例えば、ラージサークルからスモールサークルへのガイドインや
Uターンの動きであっても、
乗り手の拳は背峰の真上から進行方向へわずかしかずれない状態で
馬がちゃんとガイドされていることが大切です。
馬をガイドするときに手綱を大きく使わなくてはならない場合は、
馬の肩がドロップしている(アライメントがちゃんとしていない)のと、
乗り手の脚が十分使われていないことが原因と考えられます。
仕上がっているレイニングホースが崩れる一つの大きな原因として、
次のことがあります。
レイニングホースはレーンの軽いタッチで動くように調教されるため、
乗り手が運動中に必要以上に拳を左へ右へと動かすとそれに反応して
馬がフラフラと動くようになってしまいます。
原因は、乗り手が脚を使わず拳の指示のみでガイドするためで、
その結果として馬を振り回し、馬は正確な姿勢をとりながら運動しなくなります。
上記のような乗り方(馬をガイドするときに拳で振り回す)は、
レッスン中によく見受けられる乗り手の動作です。
メンテナンス運動をするとき、
乗り手はしっかりと脚を使うことを目指すのも良いかと思います。
ぜひ、普段の何気ない運動でも乗り手はきちっと脚で馬を前に出し、
リズムに乗った運動を心がけてください。
レイニングホースに乗る時の楽しみは、
スピンやストップ、早いサークルなどスリルのある動きということもありますが、
馬のアライメントに気を配り、着実な運動をさせることに面白さを感じられるようになると、
馬の調教崩れはかなりの確率で防げます。
私が、しばらくレッスンに使った馬の再調教をする時に、
レイニングホースの崩れていく過程がよく分かるので
今回のブログの内容となりました。
レイニングホースに限らず、
乗馬するときに脚を使うというのはとても大事なことです。
この次に乗馬するとき、拳より脚の方を意識してみてください。
馬との意思疎通がより良くなること請け合いです。
2016/01/20 2:53:03 | リンク用URL
Jan
09
2016
これからしばらく、「ホースセンス」というタイトルで、
馬と接する日常からハタと気が付いたことをブログにしていきたいと思います。
ホースセンス(horse sense) は和訳にすると(日常的な)常識、あるいは俗識、
英語では common sense と辞書に書いてあります。
「horse sense」 は、そのまま直訳すると「馬の感覚」といった意味合いにもなります。
私には、この言葉の語源はホースマンから出たもので、
馬たちと暮らしたホースマンが、実に理にかなった馬の習性や学習能力を見て、
common sense と同じ意味を horse sense という言葉として表現したような気がします。
さて、今回のブログはそのホースセンスにまつわる内容です。
新年のご挨拶の時に使った「いつやるの? 今でしょ!」という昔の流行語ですが、
実はこれに秘められている哲学?は乗馬にも十分通用するため、
今回も同じサブタイトルにしました。
乗馬をされる方は、まだ初心者のころに馬にバカにされた記憶はありませんか。
馬は実によく人の行動や感覚(感情)を見る動物です。
特に競技馬として教育を受けた馬は、人に対してとても集中するようになります。
競技馬の乗り方を熟知している人には乗りやすいと感じますが、
逆に教育を受けた馬への対応の仕方を知らない人には難しくもなりえます。
それはどういうことかというと、
人に集中するという習慣をつけた馬は、わずかな指示で動くようになっています。
音声に対する反応はその最たるものです。
また、乗り手が馬の好ましくない行動をそのままにしておくと、
素直に動いていた馬が、かなりの確率で言う事を聞かない馬へと変貌します。
でもこの変貌は、ただ人の指示に馬が耳を傾けたため結果として生じたものなのに、
まだ経験が浅い乗り手の場合はそれが理解できません。
そのような状態を防ぐために必要となるのが指導者です。
私が思う指導者の役目は、レッスン中に人と馬の関係を良好に保つということです。
例えていえば (人と馬の間に立つ)通訳のようなものです。
グリーンウエイランチでは乗馬レッスンをするとき、
乗り手が初心者であっても、他の馬に先導させてそのあとをついていく部班方式はとらず、
人と馬の一対一の関係作りを重視しながらレッスンを進めます。
レッスンの相手には仕上がったレインニングホースを使います。
年齢的にも熟していて安定している上、乗り手の指示に忠実だからです。
ところが、忠実でいるのはあくまでも人馬の呼吸が運動中に合い続けた場合なのです。
その人馬の呼吸のタイミングを合わせられるように計るのも指導者の役目で、
その役目を上手にこなすとレイニングホースをレッスンに使っても、
馬のクオリティーを損なわずにすむことができます。
私がレッスンするときは、かなり重点的に馬の動きに注目しながら行います。
馬の動きから判断して手綱、脚、姿勢などをいつどのように使うべきか声をかけるわけです。
乗り手が馬の動きに遅れないように、
けれど先走りしないようにタイミングを計りながら声をかけます。
とてもタイミングが重要で、
乗り手に指示の声をかけても 「いつやるの?」という様子がある場合は、
「今でしょ!」 となってしまうわけです。
そうしないと乗り手の指示が馬に対して意味をなさなくなるからです。
(バカになんかしてないよー、ちゃんと言う事は聞いてるからねー、ブヒヒヒィ〜)
2016/01/09 7:14:52 | リンク用URL
Dec
02
2015
前回のブログで 「(馬の)肩がドロップ」するという表現を使いましたが、
一体これはどのような状態なのか、その説明に挑戦したいと思います。
(ドロップねぇ・・・、う〜ん)と、どう書いてよいのか考えていたら、
昔あった出来事を思い出したので少し綴らせて下さい。
もうかなり前の話ですが、
アメリカのある牧場でスピンのレッスン場面に居合わせた時のことです。
ノンプロの乗り手が、自分の馬にまたがりスピンの練習をしていました。
指導をしているのはその馬の調教を手がけた人です。
調教師は、ノンプロのオーナーが乗ると馬がいつものようにスピンをしないため、
ちょっとイライラしながら指導をしていました。
レッスンを受けている側も一生懸命やってはいるのですが、
馬をリズムの良いスピンにもっていくことができません。
ノンプロの彼はとうとうスピンをするのを辞めてポツリと、
「肩がドロップしているような感じがする。」とつぶやきました。
それを聞いた調教師は、「そんな事ない。」とムッとして言ったのですが、
その2人の意見の相違が妙に不思議に思えた出来事でした。
なぜなら、調教師が乗ったときのその馬のスピンは、
いつもスピードに乗った素晴らしい動きをするのを知っていたからです。
完成度は高いはずなのに、
スピンをちゃんとさせられないノンプロの技量と馬に対してのコメントは、
調教した側にとって面白くないのは無理もないことです。
ただ、私はこの時のノンプロオーナーが馬から感じたものも分かっていました。
私自身もこの調教師の作った馬のスピンは、
バランスが取りにくくて乗りづらいと感じていたので、
経験の浅いノンプロにとってこの馬のスピンの態勢は怖いものがあり、
速いスピードで回ることができなかったのです。
私がまだ日本にいた頃のことで、
「肩のドロップ」に関してもう1つ思い出したことがあります。
日本でレイニングの競技会が開催された時のことです。
競技会に招聘されたジャッジは、
NRHAのジャッジ委員会の会長を務めていたアレンミッチェルでした。
その競技会で、私はとても内容の濃いスクライブの経験と、
講習会の通訳をする幸運に恵まれました。
以前にもスクライブの経験は何回となく積んでいましたが、
アレンの時は本当のプロの仕事だと感動したのを覚えています。
彼の審査は正確で速く一点の迷いもないもので、
かなりの数の走行をジャッジした人からしか感じられないものがありました。
競技会開催中のアレンによる講習会では、レイニングの審査方法がテーマでした。
レイニングの演技を審査するときにどういった所に着目するのかということと、
ペナルティーの種類や判断の仕方、その時のペナルティーポイントについてでした。
レイニングの映像を見ながらの解説もあり、
その判断方法をアレンから聞いていたときのことです。
ある人がサークルで「馬の肩がドロップしている」、とコメントしたのです。
それを聞いたアレンは、
「トレーナーが馬を判断するように審査してはいけません。」と言いました。
彼の言わんとしたことは、競技の審査は、
NRHAのハンドブックにルールとして記載されている事のみをもとに行われるべきだ、
という意味でした。
もし、馬が肩をドロップさせて演技をしている場合、
マニューバーでプラスをもらう事は難しいかもしれません。
ただ、この時にジャッジが着目する点は、
ペナルティーがなく、大小のサークルがちゃんと左右対称に走行され、
そこにスピードコントロールがあり、リードチェンジも規定の場所で正確に行われるか、
といった内容です。
馬の調教をするとき、「肩のドロップ」はさせないようにそれぞれ工夫はあると思います。
しかし、その度合いを見極めるのは非常に繊細なことだと、
色々思い出しながらあらためて感じました。
極論を言ってしまえば、乗り手の好みや考え方によって異なるような気がします。
そういった理由から、「肩のドロップ」に関して、
ここからは私の独自の考えを述べさせて頂きます。
馬を真横から見ると、一番大きな部分はキコウを接点として丸を描いた部分です。
その下にある前足は、頭と首を含めた馬の体重の多くを支えています。
それが馬の自然な状態ですが、レイニングなど馬術的な動きをさせる場合、
馬の前足にかかっている体重を後ろへ分散させないと、
レイニングのキレのある動きを馬にさせるのは難しいでしょう。
前の部分を軽くすることにより、スピン時の足さばきは軽快になり、
ストップは腰を低くしてスライドすることができ、ロールバックもシャープになります。
このような動きは、馬の前後のバランスを変えることでより洗煉されるわけです。
そして、もう1つに馬の左右のバランスがあります。
私はアライメントという言葉で表現していますが、
この左右のバランスを馬が取れるようになると、
サークル時や、ストレートライン、またリードチェンジなど
馬場に図形を描く上で正確さがでてきます。
騎乗時の馬の肩のあり方は、プロでも色々と意見の相違があるので、
何を持って正しいのかという判断は難しいですが、
明らかに馬の動きで分かる場合があります。
簡単な例をあげると、サークル運動をしている時です。
馬が円の線上から内に切れ込んで入ってきたり、
または外へ膨らむなど、綺麗な図形を描けないときは、
肩を含む姿勢(アライメント)のコントロールが必要となります。
馬が正確にサークルを描けないときは、乗り手の拳の使い方にも関係があるので、
次回はそれも含めてブログを進めたいと思います。
2015/12/02 8:45:10 | リンク用URL
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