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2015
前回のブログで 「(馬の)肩がドロップ」するという表現を使いましたが、
一体これはどのような状態なのか、その説明に挑戦したいと思います。
(ドロップねぇ・・・、う〜ん)と、どう書いてよいのか考えていたら、
昔あった出来事を思い出したので少し綴らせて下さい。
もうかなり前の話ですが、
アメリカのある牧場でスピンのレッスン場面に居合わせた時のことです。
ノンプロの乗り手が、自分の馬にまたがりスピンの練習をしていました。
指導をしているのはその馬の調教を手がけた人です。
調教師は、ノンプロのオーナーが乗ると馬がいつものようにスピンをしないため、
ちょっとイライラしながら指導をしていました。
レッスンを受けている側も一生懸命やってはいるのですが、
馬をリズムの良いスピンにもっていくことができません。
ノンプロの彼はとうとうスピンをするのを辞めてポツリと、
「肩がドロップしているような感じがする。」とつぶやきました。
それを聞いた調教師は、「そんな事ない。」とムッとして言ったのですが、
その2人の意見の相違が妙に不思議に思えた出来事でした。
なぜなら、調教師が乗ったときのその馬のスピンは、
いつもスピードに乗った素晴らしい動きをするのを知っていたからです。
完成度は高いはずなのに、
スピンをちゃんとさせられないノンプロの技量と馬に対してのコメントは、
調教した側にとって面白くないのは無理もないことです。
ただ、私はこの時のノンプロオーナーが馬から感じたものも分かっていました。
私自身もこの調教師の作った馬のスピンは、
バランスが取りにくくて乗りづらいと感じていたので、
経験の浅いノンプロにとってこの馬のスピンの態勢は怖いものがあり、
速いスピードで回ることができなかったのです。
私がまだ日本にいた頃のことで、
「肩のドロップ」に関してもう1つ思い出したことがあります。
日本でレイニングの競技会が開催された時のことです。
競技会に招聘されたジャッジは、
NRHAのジャッジ委員会の会長を務めていたアレンミッチェルでした。
その競技会で、私はとても内容の濃いスクライブの経験と、
講習会の通訳をする幸運に恵まれました。
以前にもスクライブの経験は何回となく積んでいましたが、
アレンの時は本当のプロの仕事だと感動したのを覚えています。
彼の審査は正確で速く一点の迷いもないもので、
かなりの数の走行をジャッジした人からしか感じられないものがありました。
競技会開催中のアレンによる講習会では、レイニングの審査方法がテーマでした。
レイニングの演技を審査するときにどういった所に着目するのかということと、
ペナルティーの種類や判断の仕方、その時のペナルティーポイントについてでした。
レイニングの映像を見ながらの解説もあり、
その判断方法をアレンから聞いていたときのことです。
ある人がサークルで「馬の肩がドロップしている」、とコメントしたのです。
それを聞いたアレンは、
「トレーナーが馬を判断するように審査してはいけません。」と言いました。
彼の言わんとしたことは、競技の審査は、
NRHAのハンドブックにルールとして記載されている事のみをもとに行われるべきだ、
という意味でした。
もし、馬が肩をドロップさせて演技をしている場合、
マニューバーでプラスをもらう事は難しいかもしれません。
ただ、この時にジャッジが着目する点は、
ペナルティーがなく、大小のサークルがちゃんと左右対称に走行され、
そこにスピードコントロールがあり、リードチェンジも規定の場所で正確に行われるか、
といった内容です。
馬の調教をするとき、「肩のドロップ」はさせないようにそれぞれ工夫はあると思います。
しかし、その度合いを見極めるのは非常に繊細なことだと、
色々思い出しながらあらためて感じました。
極論を言ってしまえば、乗り手の好みや考え方によって異なるような気がします。
そういった理由から、「肩のドロップ」に関して、
ここからは私の独自の考えを述べさせて頂きます。
馬を真横から見ると、一番大きな部分はキコウを接点として丸を描いた部分です。
その下にある前足は、頭と首を含めた馬の体重の多くを支えています。
それが馬の自然な状態ですが、レイニングなど馬術的な動きをさせる場合、
馬の前足にかかっている体重を後ろへ分散させないと、
レイニングのキレのある動きを馬にさせるのは難しいでしょう。
前の部分を軽くすることにより、スピン時の足さばきは軽快になり、
ストップは腰を低くしてスライドすることができ、ロールバックもシャープになります。
このような動きは、馬の前後のバランスを変えることでより洗煉されるわけです。
そして、もう1つに馬の左右のバランスがあります。
私はアライメントという言葉で表現していますが、
この左右のバランスを馬が取れるようになると、
サークル時や、ストレートライン、またリードチェンジなど
馬場に図形を描く上で正確さがでてきます。
騎乗時の馬の肩のあり方は、プロでも色々と意見の相違があるので、
何を持って正しいのかという判断は難しいですが、
明らかに馬の動きで分かる場合があります。
簡単な例をあげると、サークル運動をしている時です。
馬が円の線上から内に切れ込んで入ってきたり、
または外へ膨らむなど、綺麗な図形を描けないときは、
肩を含む姿勢(アライメント)のコントロールが必要となります。
馬が正確にサークルを描けないときは、乗り手の拳の使い方にも関係があるので、
次回はそれも含めてブログを進めたいと思います。
2015/12/02 8:45:10 | リンク用URL
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