アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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Apr

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2014

天使の降臨 (グリーンウェイランチへの道のり)

自分で作った牧場のことを言うにはおかしな表現だが、
グリーンウェイランチでは不思議なことがよく起きる
と感じたことがある。

楽な生き方を選ぼうと思えばできたのに、
なぜ自分が牧場経営の道を選んだのか、
そして、なぜそれが仕事としてはハードな馬相手なのか、
当の本人ですら分からないときがある。

そもそも、今やっていることが現実として起こりえたことも、
よく考えてみれば不思議だ。

事の始まりは、30年以上昔、初めて馬に乗った時だった。
それからさほど時間がたたないうちに
私の心には、自分の乗馬クラブを持ちたいという気持ちが密かに芽生え始めた。
それもまだ、馬にろくすっぽ乗れない様な時期のことだった。

乗馬クラブを持つという私の夢は、それから長い年月の間、
ぼんやり、漠然としていた。

それは、まるで砂粒のような小さな種で、
まだどのような植物になるのかも見た目には判断できず、
はたして発芽することができるのかさえ分からなかった。

種は見え隠れしながら私の中で存在はしていたが、
風に吹かれてどこかへ飛んでいきそうな時もあった。


私が育った家庭環境は、およそ馬とはかけ離れたものだった。
住んでいたところは都会で、私は普通に大学に行き、
卒業後はお決まりのコースで企業に就職するという、
平凡な生活を送っていた。

ところが、転機のきっかけになるようなことが、
OL生活を始めて間もなく訪れた。

会社が休みの週末に海岸を散歩していたら乗馬クラブを見つけ、
たまたま、立ち寄ったのが今思えば、
グリーンウェイランチに続く長い道のりへの一歩だった。

15年前に他界した父は、
やっと自分の娘が会社勤めをするまでに育って、
一般的なレールの上を無事に進むようになり、
肩の荷を下ろしたようだった。

ところが、それもつかの間、
あるきっかけを境に、馬に取りつかれたように夢中になっていく娘のありさまに、
あまり良い気持ちは抱かなかったようである。

私には、欲しいものや、やりたいことがあると
後先考えずに突っ走るところがあるので、
そんな性分を心配してのことだったと思う。

それを父から感じていたので、
馬社会で生きるという夢を持ちながらも、
私が生き方を変えることで、
年老いていく父を心配させたくなかった。

それに、私が勤めていた頃のサラリーマンという職種は、
まだ終身雇用的な考えがあり、安定していたのも理由だった。

ひんしゅくを買いそうだが、
仕事は楽だったし、収入は保証されていて申し分なかったので、
退職するのに二の足を踏んでいたことは事実だった。

馬にのめり込みながら、
会社に勤め続けた動機はほめられたものではない。

ただ、組織の中で得た知識や経験は、
牧場を運営していく上でとても役に立ち、
けして無駄な時間を過ごしたわけではないと今は実感できる。


冒頭で述べた不思議なことだが、
グリーンウェイランチ以前の、
それこそ乗馬の初体験をするずっと昔のことも思い浮かべると、
どうしても私には過去に起こったことが、
私をここへ導くための経過だったような気がしてならない。

このような感覚をどう表現してよいのか的確な言葉は浮かばないが、
牧場経営は自分が望んだため、
と言い切ってしまうには語弊があるような気がする。

ここまで来るには、
「馬が好きだから。 自分の夢だから。」
といった軟弱な理由だけでは、
実現しなかっただろう。

今まで、自分の身に起こった出来事、
自分が身を置いた環境、
巡り合った人たち、
巡り合った動物たち、
それらが全部一緒に統合された結果が、
グリーンウェイランチという場所になったような感覚が私から離れない。

そう気が付いたのが、
ちょうど牧場の作業の流れが自分の身に沁みこんで、
考えずとも自然に体が動くようになってからだった。

様々なことが滞りなく動き始め、
身体的には忙しくとも、
精神的には小休止をもらえて、
心が妙に澄んだ状態になった去年のことだった。

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2014/04/16 1:39:15 | リンク用URL

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