アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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Dec

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2013

祝88歳BD・馬場はキューバン色

乗馬の予約を受けるときは、乗馬経験の有無と
経験者にはどれくらい乗っているのか聞くようにしている。
会話の内容を参考にして、使う馬とレッスンの進行を決めるためだ。

初心者の場合は、
おとなしい馬で調馬索か円馬場でのレッスンという、
お決まりのコースになるのであまり考える必要はないが、
問題は「経験あり」と自己申告した人への対応である。

長年の経験から、
実際に本人が馬にまたがった所を見て、始めてその人の技量が分かることが多く、
「自己申告」はあくまでも目安でしかない。
よってその場の対応は臨機応変にするよう心がけている。

ところが英子さんから電話で、
「みんな乗馬の経験者だから・・・。 13人でいくからね。」
とざっくばらんな連絡を受けた時、
その中で何人乗り、どれくらい乗れるのか聞かずに電話を切った自分に苦笑してしまう。

当日は、まず経験のある若い人達3人に乗り始めてもらった。
彼らには、ここにいる馬達は普通のランチホースとはちょっと(本当はだいぶ)違い、
レイニングという競技の調教を受けていることを簡単に説明する。

乗馬前に伝えたことは、
乗る時はサークルの運動をメインにして、
馬場は半分ずつ使うように、そして馬同士はあまり近づけないように、と言う。

DSC01462.jpg



ご家族の中には、キューバで牛や馬の農場をやっていた人もいて、
乗るスタイルこそレイニングとはかけ離れていたが、
なかなかどうして、スピードはへっちゃら、
みんな度胸良く乗りこなすので自由に楽しんでもらった。

DSC01461.jpg



時間が経つにつれ、
「馬場半分ずつ」や「サークルをメインで」の説明したルールはどこかへ吹き飛び、
8字乗り(リード(手前)は関係なし)や直線を突っ走る光景が目に入る。

直線の時は馬場の端から、
「ヨ−イ、スタート!」のフェンシングモードで、
2頭合わせて競争する人も出て来た。

それに加え、乗り替わった英子さんの馬の後ろで、
その馬から下馬した男の人がなにか叫びながら「パンッ!!」と手を打ち、
直線を向いている馬を追うものだから、馬はヒューンと突っ走っていく。

もう、私はヒヤヒヤもので、
(落馬だけはしないでくれ〜ッ!)と心の中で叫ばずにはいられなかった。

幸い馬場の端まで馬が疾走する中、
英子さんはホーンにつかまっていたのであわや落馬はまぬがれたが、
ほんと マジ で肝を冷やした。

しばらくして、乗馬開始から時間が経ち、
馬も人も?張り取りが終わり、いよいよメインイベントの時間となる。

誕生日を迎えられた、
オルガおばあさまの88歳記念乗馬の始まりだ。

みんなが乗馬に熱中している間、
馬場が見える様に駐車したトラックで休んでいたオルガおばあさまは、
男の人達に促されながら車から降りて、馬場の方へゆっくりと歩いてきた。

私はその様子を見ながら、
「まずはベンチに上がってもらい、そこから馬にまたがる。」
というプランを急きょ変更する必要があると思った。

オルガおばあさまが、たとえベンチの高さまで上がることができ、
あぶみが近くなったとしても、そこに左足をかけて踏ん張り、
自分の体重を支えるのは無理だと思ったからだ。

使う馬はエンターという名前のゲルディングで、
子供相手の引き馬はかなり経験済みである。

ところが、前日にはベンチの側へ立たせる予行演習もしたのに、
この日は、周りが賑やかでいつもとあまりにも雰囲気が違うため、
ベンチに近づきたがらなかった。

その上、今回の引き馬の相手は大人である。
ご高齢のため、乗馬するときの足の筋力や関節の柔軟性が心配だった。

少しでもバランスを崩して落ちた場合、痛いだけではすまされないだろう。
・・・と色々考えると、男性何人かの手によって持ち上げてもらうのが一番の安全策と思いつく。

頭の中で、馬の両側をオルガおばあさまを支える人達に立ってもらい、
乗馬と下馬の時には手伝うというイメージができた。

エンターは子供の引き馬の時、
馬の片側から子供を抱き上げて鞍の上に乗せるという
人間の動作には慣れっこになっている。

しかし今回の場合、両側を威勢の良い男の人達に囲まれ、
それだけでも今まで経験したことがないのに、
体重があるオルガおばあさまを乗せるときは、横からの圧迫も子供の比ではないから
馬がどこまでおとなしくしていられるかが、心配であった。

私は側に立っている英子さんに向かって、
「一回シミュレーションををした方がいい。 馬を慣らさないと・・・、
英子さん、代わりに一回男の人に持ち上げてもらって乗ってみて。」
と言う。

困ったことにオルガおばあさまを馬上の人にしようと、
そそくさと集まってきた男性陣は英語がほとんど通じない。
この場合、英子さんに通訳してもらうしかないのだ。

ところが、彼らは事を進めようと互いに何か言いながらドンドン動き出している。
私は、英子さんがエンターの左側(乗馬をする側)を動かないように彼女の腕をつかみ、
「とにかく、一回乗ってみて・・・!」と必死になって言った。

何かあってからでは遅いし、
ましてやいくらおとなしいとはいえ馬はレイニングの調教を受けている。
バタッと、身をひるがえす可能性もある。

私の言葉に英子さんがあぶみに足をかけて乗ろうとしたので、
「ちがう、ちがう! そうじゃなくって、持ち上げてもらって・・・それで・・・」
と何をやろうとしているのか、自分の考えを最後まで言えないうちに、
英子さんが、
「もうこのまま、乗せてしまうって。」
と周りの勢いに通訳するのを諦めてしまった。

(あぁ〜、日本人だったらきっと言うことを聞いてくれるよなぁ・・・)
私の考えは、少しくらい通じたのかどうか・・・。
多勢に無勢、ここは諦めて彼らのやりたいようにするほかないようだった。

IMG_1912.jpg













2013/12/01 8:57:07 | リンク用URL

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