アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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Jan

04

2013

フチュリティーの裏側 (中 I)

私は1999年に長期的展望でレイニングの馬社会に関わるため渡米し、最初にテキサス州にある牧場に滞在した。
そこは、種馬と牝馬を所有し繁殖から育成、競技馬の調教など牧場運営を大規模なレベルで行っているところだった。

その頃、その牧場には去年の6月に27歳で天寿をまっとうしたあのスーパー種馬のスマートチックオリーナ(Smart Chic Olena)がいた。
スマートチックオリーナはファイブミリオンダラーサイヤーとしてNRHAに殿堂入りしている名種牡馬で、レイニング界ではこの馬の血統を受け継いだ種馬はスマーティーというあだ名でみんなに親しまれている。
ちなみに多くのスマーティー達はカッティングの世界でも大活躍している。

個人的な人生の流れによるものだったが、渡米していきなりこのようなオペレーションの牧場を見る事ができたのはラッキーとしか言いようがなく、レイニングはビギナーという立場の私にはもったいないようなレイニング界への入門遍を体験できた。

スマートチックオリーナがいた牧場で6ヶ月間過ごした後、ニュージャージー州に引っ越してまた幸運にもすごい牧場に滞在することとなった。

その場所もテキサスの牧場同様、種馬と繁殖牝馬を所有し、育成、調教、そして競技会出場という多方面の業務を精力的に行っていた所だった。
その牧場のオーナーはNRHAのプレジデントを務めたこともあり、完全にレイニング主体の牧場で、運営方法としては高い水準を極めていた。

幸運なことに、私はここでまたスーパーホースに巡り合う機会があった。
レイニングをやる人ならスマートチックオリーナ同様、この馬を知らない人はいないあのガナ−だ。
今、ガナ−のこども達は破竹の勢いでそのレイニングの能力を世間に知らしめている。

(以前のブログにガナ−の事を公開したので、ぜひ訪ねてみて下さい。)
http://www.greenway-ranch.com/blog/?ymd=2010%2F12%2F20

ガナ−がいた牧場には2年間滞在し、そこでの経験はアメリカのレイニング社会の構造を知る機会を私にもたらしてくれた。
あらためて振り返ってみるとその頃は自覚できなかったが、この2年間は自分の基礎を作る事ができたもっとも重みのある時間でもあった。
そして、その流れはここ(グリーンウェイランチ)へ到達するためにあったような気がする。


長い前置きになってしまったが、前述したこれらの由緒ある牧場を通して2003年にノースカロライナに引っ越すまでに見てきたこと、またノースカロライナの新たな状況下で知るレイニングに関する様々な事柄は、皮肉にも私に大きな疑問を投げかけることとなった。
それは、牧場運営をやっていく限り私にとって永遠のテーマとなる「(理想的な)馬との関わり方」に関係することだった。

わずかだったがレイニングに関する知識があった渡米前の私は、本場が見られると思いワクワクしたものだ。
そして、実際に本場を見てすごい、と思ったことも沢山ある。
なにより映像でしか見る事の出来なかった、超一流のレイニングホースを見る事ができ、また多くのトレーナー達と知り合える機会があり、技術の勉強ができたのは嬉しかった。

だが、その反面日一日とアメリカ生活をしていく中で見たくない実体を目にすることがあったのも事実だ。
それは私の観点が馬を中心に考えるからなのだろうが、実際に見る牧場はレイニングホースの生産工場というような有様でワクワクと浮き立つ気持ちを妙に冷静にしたものだ。

的確に表現できないが、馬という人と同じように多種多様な感情を持っている生き物を相手にしているのに、妙に殺伐としていて事務的かつ機械的で、馬達はまるで物として飼われているような場面を見ることも多かったからだ。

牧場運営はビジネスであり利益をあげなければ成り立たない。
そしてほとんどの収入は(願わくば優秀な)馬を売ることで成り立っている。
そこまではとかく馬に感情移入してしまう私でも理解できるが、問題はその行程だと思う。

そして、フチュリティーがある度に思うのだが、私が勝手にレイニングに対してスッキリとしない気持ちになるのは、この競技会が大きな要因を持っているような気がしてならない。





2013/01/04 8:47:13 | リンク用URL

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