アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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Oct

03

2012

レイニングとアメリカンホースマン

レイニングに関して色々と書いていきたいと思うと、どうしてもここを通らないと気が済まない内容がある。
それは、レイニングの歴史は他の馬術に比べるととても浅いということだ。
そしてこの馬術は、アメリカという同じように歴史が浅く様々な人種が集まる国で発祥し、
ここに住む個人主義で個性的なホースマンによって作られたということだ。

学生の頃も含めトータルするとアメリカには16年住んでいるが、
今になっても彼らの発想が自由で豊かだという点や、
自分のやり方に自信を持つ姿勢には感心させられる事が多い。

そのせいかレイニングホースの調教法は、10人の調教師がいたら10通りのやり方があり、
その方法は驚くほどに異なる。

馬の仕事で渡米して以来、ラッキーなことに多くのトップトレーナーと一緒に乗る機会があった。
彼らは大きな大会のオープンクラスでは、レベル4で活躍する最高峰の調教師たちである。

グリーンウェイランチを起ち上げるまでのあいだ時間があったこともあり、
それらのトレーナーの牧場を頻繁にたずね、
自分も馬に乗りながら調教しているところを見る機会に恵まれた。
勉強するにはよいチャンスなので熱心に見ていると、独自の調教法を語ってくれる人もいる。

当然だがみんな自分のあみ出した技術に自信があり、誇りを持っている。
ただし何かを説明するとき、「自分はこうする」 という言葉も忘れない。
なにを選ぶにしてもあなたの自由です、・・・ということなのだろう。

そして彼らが調教した馬に乗った時、その言葉の意味がよく分かる。
トレーナーによって馬の乗り味がまったく違うのに驚かされるからだ。
もちろん馬それぞれが持つ個体差で感じが違うというのもあるが、
明らかに調教で作られた動きの違いが体に伝わってくる。

レイニングは歴史が浅いが故に、その調教法の進歩もめまぐるしいものがあると思う。
先日、ガナーズモールの走行を動画で公開するにあたり、
戸棚の奥にしまってあって存在すら忘れていたビデオテープが見つかった。

それは1986年から1996年までのフチュリティー(3歳馬最大の競技会)で、
オープンクラスの優勝人馬の走行を特集したものだった。
見てみると30年近い昔の演技は、今のものとずいぶん違っているのが分かる。

正直で生意気な感想を言わせてもらえるなら、
今日のレベルだとその演技はノンプロクラスでも優勝は難しいと思われるものもあった。
そして冗談や過大評価ではなく、
動画で公開したガナーズモールと私の走行でも30年前だったら
オープンフチュリティーのファイナルに残れるのではないかと思った。
(よろしかったら youtube で Gunners Moll & Midori で検索してみて下さい。)

ざっと言ってしまえば、80年代の走行は見ていてスピード感はあるが、
馬の鼻がつきだしていたり、背を張っているように見えて
今の完成度の高い馬の動きに比べるとあまり綺麗ではない。
その感じが如実に表れているのがスライディングストップの時だった。

パターン(経路)に関しては、ラージファーストのサークルは1回だけで、
1991年以降からサークルのセットはラージファーストが2回と変化していた。

今日の完成されたレイニングホースは、
洗煉され流れるような美しさを激しい動きの中で表現できるようになったが、
そこにはトレーナー達のたゆまない努力が背景にあると思う。
彼らは独自のトレーニング方法に加え、ブリティッシュの調教法を取り入れていき、
また、プロのトレーナーがある馬で問題を抱えている場合、調教法をシェアし助け合うことも珍しくない。

グリーンウェイランチをオープンしてから、競技に出向く時間や状況がそろわなく
ただ観戦に行くだけということが多いが、顔見知りのトレーナー達に合うとみんな
「馬を連れてうちに乗りにおいで。」と気軽に誘ってくれる。

いかにもオープンなアメリカ人的お誘いで、嬉しいものである。
そして、そうすることにより彼らはビジネスの情報交換をしたり人脈を作っていく。

ライバルでありながら、互いの交流を大事にし助け合う姿はとても好感の持てるものだ。
そういう良い関係を持っているとなにか非常時が起こった場合、力にもなってくれる。

日本同様アメリカも馬の社会は大変厳しく難しいものがあるが、
不思議とプロがプロを中傷する会話は今まで聞いたことがない。
これも彼らが自分の調教技術やショーイングのテクニックにプライドと自信を持っているからだろう。

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(フランソワ ゴティエ)

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(マイク マッケンタイヤー)

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そちらからのご連絡をお待ちしています。






















2012/10/03 20:56:08 | リンク用URL

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