アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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Apr

26

2016

ウエスタン入門(長峰彩子)

こんにちわ。ナガミネです。
私は馬歴12年の馬乗りですが、ウエスタン(レイニング)は初めてで
いっぱい勉強しよう!と思いGreenway Ranchにお世話になりに来ました。

IMG_5145.jpg


今までサラブレットに乗ることが多かったので、クォーターホース達の背の低さと
大人しい性格にはビックリ!!
レイニングホースの乗り方や調教法などをみどりさんにご指導いただき
日々精進しています。

おもしろいなぁと思ったのは、脚・手綱をなるべく使わずフリーな状態にしてあげることが
馬にとってご褒美(ブリティッシュなら愛撫)になるということ。
「要求して→馬が答えてくれたら→ゆるす」
ブリティッシュでは常に軽いコンタクトを取っておくけど、レイニングでは馬が良い状態でいる限りフリー。
馬が自ら気分良く動いているように見えるのが良いのだそうです。

脚をグイグイ使わなくてO.K!
手綱をギュウギュウ引っ張らなくてO.K!
かよわい女性にはピッタリ!なスポーツじゃないですか?
よく仕上がったレイニングホースは本当に楽です。



2016/04/26 4:12:20 | リンク用URL

Apr

21

2016

メンテナンス 12 (仔馬から学ぶ)

馬と関わるようになって長い年月が経ちましたが、
自分で実際に仔馬の繁殖と育成を手掛けるまで、
馬が持つ本来の性質を完全には理解できていなかったことに
改めて気づかされました。

いかなることもそうですが、深いところで物事を理解するには、
その対象の始まりから終わりまでを身近で観察し、
様々な角度から自分の肌を通して感じる時間と、
経験の数が必要なのではないかと思います。

馬の誕生から競技馬になるまでの長いスパンで、
彼らが成長していく様子を日常の出来事として体験しながら
そこから感じたことをブログで綴っていければと思います。
今回は、仔馬たちを見ながら気付いたことをブログにします。


仔馬は、人間と多くの場面を共有してきた大人の馬とは違い、
人のことは何も知らない、本来の馬の姿です。
馬という動物がどのような性質や習性を持っているのかを知るには、
よいモデルとなってくれます。

自然界では、本能が強い母馬は群れから離れたところで出産し、
仔馬がしっかりした足取りで行動できるようになるまで、
数日間は群れの中に入りません。

母性の強い母馬は、誕生間もない仔馬を守るべく行動しますが、
被食動物である馬にとって安全、危険をいち早く学ぶことは、
生と死を分けるサバイバルに繋がります。
そのため産み落とされて1日もしないうちに
仔馬は本能的に母馬に寄り添って行動するようになります。

そして、仔馬が母親以外の生き物を知るときは、
母馬を通して、それが安全なものかどうかを知り、
安全とわかると近づいて自分自身も接触を試みます。
そのようにして、仔馬は周囲を認識していくようです。

この段階で仔馬が持つ人という動物の印象は、
最初の遭遇の記憶が強く残るので気を付けなくてはならないと思います。

日常で仔馬たちの成長する様子を見ていくうちに、
馬と接するときに、とても大切なことが分かってきたような気がします。
その内容は、馬から好かれるにはとても重要な基本で
言葉にすれば意外と簡単な二つのことです。

一つ目は、馬と接するときにまず気を付けることして、
「馬に怖い思いをさせない。」

そして、二つ目に、
「馬に嫌な思いをさせない。」
という2点です。

これは、意外と簡単と書きましたが、
実行するには気配りと忍耐が必要です。

なぜなら怖い思いや嫌な思いをさせないということと、
甘やかすということは別だからです。
日々の飼育の中で、人間とのルールを確立させないと、
両者にとって危険な状況が生まれる可能性もあります。

そのような理由からでしょうか、
馬の社会に身を置くようになって大勢の人たちが、
特に調教を手掛ける人たちが馬を叱っている場面を多く見てきました。

馬のことならなんでも知りたかった私は、
「プロ」と呼ばれている人たちが馬を手荒く扱っているのを見て、
自分もそうすべきだと、
「馬には厳しくしなくてはならない」のだと、
考えたこともありました。

馬が怒られているところに居合わせて、
とても嫌な気持ちになったにもかかわらず、
今度、自分自身で牧場を運営する立場になり、
馬に強すぎる態度で接したこともあります。

馬がやることに対して、責任を負わなくてはならないことをきっかけに
馬には叱りながら物事を教えていくのが最短距離だと誤解したためでした。
人は他人と同じ立場に身を置くことによって、
初めてその人の心境がわかるようになります。

だから、日常の様々なプレッシャーや責務から、
馬に厳しく対応していた人の気持ちも理解ができるようになりました。
特に、実力主義のアメリカでは、結果重視で理想論は通用しにくいものです。

でも、そういった行動がもたらすものは、
いつも後悔の念と、虚しさ、悲しさともいえるような気持ちなのです。
そこには、私が大事にしてきた馬との調和はなく、
好きであるはずの馬は、逆にストレスの元という感覚が生まれつつありました。

人に怒られ怖い思いや、嫌な思いをした馬は、
落ち着きをなくし、人を信用しなくなります。
そのように変わってしまった馬を見るのは、辛いものでした。

そして、人を怖がる馬の様子を見て、
叱ることによって生まれてくるものは矛盾だけだと分かったのです。
扱いやすく乗りやすい馬になって欲しいのに、
向かっている方向は逆でした。

牧場を仕事としてやっていく限り、
私は馬とペットに接するような感覚で付き合うことはできません。
なぜなら、ここの馬達は自分意外の人も乗ったり扱ったりするためです。

馬たちは、人と一緒に作業し、一緒に仕事をする相棒なのです。
だから、彼らが好むと好まざるとにかかわらず、
人間と一緒にすることには協力してもらわなくてはならないわけです。

でも、馬の協力体制を得るには、
彼らから好かれ、信頼されることがとても大事です。
人を好きで、信頼している馬は、
その人間がしている動作や、言葉、思いに神経を集中させます。

その一方で、
人間を恐れ嫌っている馬は、いつも逃げることに意識がいっているため、
人に注意を向けることはしません。
「すきあらば」 と逃げるタイミングを探しているからです。

前回のブログで書いた、
馬を扱う人間が、その馬から好かれているかどうかが大事だというのは、
このような理由からなのです。

馬に何かを教える前に、まずすべきことは馬との信頼関係をつくる。
それが、一番重要で大切な一歩だと思います。

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2016/04/21 3:17:56 | リンク用URL

Apr

10

2016

メンテナンス 11 (相思相愛)

グリーンウェイランチのブログを読んで下さる方は、
何らかの形で馬に関係していて、
心から馬が好きなのだと思います。

馬好きに感謝をしながら、
文章にするには難しい馬についての内容を、
なるべく分かりやすく書くように努力しているつもりですが、
今回のブログは少し感覚的な内容になります。

「連帯感 (メンテナンス 1)」 のブログで、
私が馬に乗る時に心がけることとして、
馬と連帯感を持つようにしているのを取りあげました。
http://www.greenway-ranch.com/blog/?id=339

連帯感は、乗馬中に馬と意思の疎通をする上で、
なくてはならない感覚だと思うからです。

今回は、私が感じる人と馬の理想的な日常の状態を取りあげてみます。
そして、その内容に一番合いそうな言葉、
「相思相愛」 を頭に浮かべながら書き進めたいと思います。

「連帯感」は主に乗馬時、人馬の間にあるべき感覚だとすると、
「相思相愛」は更に深いものを表現するような気がします。

そして、相思相愛がもたらすものは、
共通の言語を持ち合わせていない人と馬が、
共同で何かをするときに頼もしい味方になってくれます。

馬と 「連帯感」で繋がるには、
人が馬を、馬が人を慕う 「相思相愛」という気持ちが最初にあると、
意外と簡単にその状態は作り上げられるように感じます。

この言葉を動物相手に使うには無理があると感じられる方のために、
ここでいう 「相思相愛」は、
どういったものかを書いてみたいと思います。


貴方が自信をもって、
「私は馬が好きだ。」
と言えるのであれば、

今度は、
「ところで、(自分の扱う)馬は自分のことを好きだろうか。」
と想像してみて下さい。

そして、その答えが 「イエス」である場合、または 「ノー」である場合でも、
なぜそのように感じるのか、馬のどのような様子や行動を見て、
そう感じるのか考えて頂きたいのです。

私が乗馬を始めた頃の馬との接し方を思い出すと、
乗り方や御し方そのものより、
馬を理解することに心を砕いていたような記憶があります。

以前のブログで書いたように、私はひどい運動音痴で、
スポーツを楽しむという趣味はありません。

それが理由なのかは分かりませんが、
スポーツの得意な人がスポーツに臨むような感覚で乗馬をするのと比べると、
私のアプローチはだいぶ違っていました。

乗馬することに対して、肉体を使うというより、
精神(心)を使うことに重きを置いていたような感じです。
その様な馬への対応のせいか、
馬の心をつかむ事に関しては人より上手でした。

乗るのは下手くそなのに、
放牧地でつかまらない馬をつかまえることができたり、
工夫して馬に芸を教えたりしました。

35年前に入会した乗馬クラブには指導員らしき人がいなくて、
私は能動的に馬との接し方を学びました。
今思い出せばそのクラブは、乗馬を習いに来るお客さんより、
すでに馬を熟知している人が自由に乗りにくるような場所でした。

初心者は私ぐらいで、ぎこちない様子に時折、
玄人肌の来場者が助言してくれて、それを参考に馬と馴染んでいきました。

そんな日々の中、接し方で、
面白いように馬の様子が変化するのに気づいたときは、
感動したのを覚えています。 
まるで粘土のようだと思いました。

その経験は、馬を知るためには馬が 「最高の先生だ。」 
という考えを私にもたらしました。

馬は扱う人間、関わる人間を不思議なほど見事に映し出します。
自分のしたことが正解か否かは、馬の様子を見れば一目瞭然です。

馬の態度、行動のみならず乗り味にしても、
調教師が変わると、これが同じ馬かと思うほど変化します。

だから、馬をよく分かっている人は、
馬がなにか好ましくない反応をしても、
馬のせいにはしないわけです。

馬から感じるものにアンテナを張るという私のアプローチの仕方は、
乗馬をしたときも変わりませんでした。

知らず知らずの内に、馬の気持ちにフォーカスするくせがついていたので、
いざ競技になったときもその感覚が功を奏したのだと思います。

馬の気持ちが理解できるようになると、
普段の扱いや調教といった場面でも、
思いのほか良い成果を生むことができます。

結果として、人間のわずかなリードで、
馬はドンドン伸びていく(学習する)ことができるので、
安全で扱いやすく、乗りやすい馬になってくれます。

そして、そこでとても大切なのが、
馬がその人を好きでその人に心を許し、
一緒にいると安心してくれるということだと思います。

その人とは、
騎乗者であり、調教師であり、扱う人です。
馬を取り巻く全ての人のことをさします。

研修生がグリーンウェイランチを訪れたときに、
私がもっとも強調したいのはこの部分です。
この感覚を分かってもらうために、
研修生には自由に馬と親しむ機会と時間を持ってもらうようにしています。

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2016/04/10 1:03:13 | リンク用URL

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