アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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Feb

17

2016

メンテナンス 8 (確認作業)

「メンテナンス 7 (運動の体感)」 では運動の目的の1つとして、
馬に綺麗な姿勢で動く習慣をつけてもらう事と、基礎体力を養うといった内容を書きました。

今回は、2つ目の目的として、
私がメンテナンス運動で重要だと思うことを挙げてみたいと思います。

その目的はというと、馬の動きの確認作業をするということです。
騎乗中に馬が今までに教わった動きを正確に行うかのチェックです。

レイニングホースとして一通りのマニューバーを学習して
仕上がっている段階と見なされる馬から、
乗り手が騎乗中どのような点に留意する必要があるかというと:

・脚に対して素直に反応する(特に前進の合図)

・(レーンをピックアップしたときなど)頭を下げてハミに柔らかく譲る

・ガイドやスピンの時にネックレーンにもたれることなく反応する

・乗り手の舌鼓や停止(ウォー)の音声に確実に反応する

・アライメント(姿勢)を崩さず前進気勢を伴って動く

・ストップの時にしっかりと両方の後肢をそろえて踏ん張る

・後退するときは頭を上げたり体を硬くしないでスムースに動く

・乗り手の指示を待つ (乗り手に集中し指示された動きのみを行う)


上記は大まかな内容なので、その他の細かな点をあげればきりがありません。
ただ、これらの動きの大半は競技会でパターン走行中に
馬がマニューバーを正確にこなすということと密接に関係しているのでとても重要です。


MAH00649-26.jpg


(乗り手に集中している時の馬の表情です。 両方の耳が柔らかく騎乗者の方へ傾いています。)



そしてもう1つ大事なことは、
馬が乗り手の扶助によってではなく、自分の判断で動こうとしたとき、
乗り手はその行動を改める調整運動が必要となります。

騎乗中、普段のメンテナンス運動でも馬に対して曖昧に対応しないように、
また、自分のやることがどのように馬に影響しているかを充分に考えながら乗ります。

馬が乗り手の意志に正確に従っているか、
注意深く馬の反応を確認しながら乗りたいものです。

たとえば、見逃してしまいそうな馬の動きの例としては、
リードチェンジの扶助を与えてないのに、
進行方向が変わったため馬が勝手にリードを変えたような場合です。

リードは乗り手の脚の扶助によって変えられるべきですが、
馬は進行方向とリードを結びつけてリードチェンジをしてしまう場合があります。

このような時は、それを見過ごすことなく、
リードを変えるときは乗り手の合図によって変えるべきだと、
そう馬に理解してもらうための作業が必要になります。

その作業をやるときは馬を懲戒するのはではなく、
きちっとその状況に適した対応を運動の中に取り入れながら、
「それは私の意志ではありません。」
という事を馬に伝えます。

以前のブログにも書きましたが、優れたレイニングホースとは
乗り手の指示を待つことができる馬なのです。

「指示を待つ」 とはどのような事なのかを別の言い方にすると
乗り手の扶助に注意深く神経を集中させている、
そのような馬の心理状態だと思います。









2016/02/17 7:57:55 | リンク用URL

Feb

05

2016

メンテナンス 7 (メンテナンス運動の体感)

レイニングホースのメンテナンス運動をするとき、
私が思う運動の重要性や目的として、2つのポイントがあります。
今回は、その一つについて書いてみたいと思います。

日頃のメンテナンス運動の目的は、
レイニングのパターンに含まれるマニューバー、
(大小のサークルとリードチェンジ、ストレートラインにストップとロールバックまたはバックアップ、スピン) を馬が綺麗な姿勢を保ちながら演じられるようにするためと、
競技会に向けて本格的なトレーニングにいつでも入れるよう
基礎体力をつけておくためと考えています。

人が自身の体を使いながら何かを表現する場合、
(例えば舞踊やアイススケート、体操の床運動など)基本の姿勢がしっかり定まっていないと、
正確な動きができないばかりか、見た目に美しくありません。
それは、ジャンプや回転などスピードに乗って大きく体を動かす場面では
如実に表れると思います。

それぞれの分野で基本運動は異なると思いますが、根本にある運動の目的は、
バランスを保ちながら体を動かせるようにする(いかなる動作でも軸を失わないようにする)、
そういった練習がほとんどだと思います。

レイニングは馬の動きが審査の対象とされ、その動く様子で優劣が決まる競技ですから、
レイニングホースはアスリートであると共に、パフォーマーでもあるわけです。

そのため、観客やジャッジがその動きを美しいと感じる必要があり
バランスのとれた動きには美しさが伴いますから、
バランスを養うという意味でも、普段のメンテナンス運動は重要です。

それでは、メンテナンス運動が馬にとってどのような事なのか、
少し体感していただくと理解しやすいと思います。

機会があったら外を歩くときに、次のような事に注意しながら歩いてみて下さい。

・まず、腰を(感覚として)2センチほど落とし、左右の歩幅を大きく踏み出しながら歩きます。
その時に腰が上下しないよう、水平に保ちながら歩きます。

・いつもより歩くリズムに勢いをつけ(スピードを上げて)
腕も元気よく左右同じように振って下さい。

・背筋はスッと伸ばし、あごは軽く引いて、直線を歩くときは一本の線上を歩きます。

人と馬では動きの内容がだいぶ異なりますが、このように人が形を作りながら歩く様子は、
馬のメンテナンスの運動をしているときに、似たような感覚を感じます。

私は、普段の作業で牧場内をよく歩きますが、
上記のような歩き方だと5分と経たない内に息が切れてきます。

よほど注意しないと歩幅を大きくするのを忘れ、
歩幅に気をまわすと今度は背筋を伸ばすことを忘れるなど、
言われたように歩く事を継続するには、それなりの練習が必要になります。

そして、普段はいかに体に負荷をかけず、
楽に歩いているか、という事も痛切に実感できます。

この事を馬の運動に当てはめると、人が楽に歩いている状態は、
馬が伸びきった姿勢で常歩をしたり、
ポコポコと速歩や駈歩をした時のイメージに似ていると思います。

前進気勢なく動くため、
姿勢も崩れてあっちフラフラ、こっちフラフラという状態になっています。

準備運動や沈静運動の時は別として、
乗り手は普段の何気ない運動でもしっかりと馬を推進しながら動かし、
レイニングホースのメンテナンスは気を抜かずに行う必要があると思います。

メンテナンス運動で前進気勢をもたせながら、
バランスの取れた姿勢を保つ運動を続けると、
馬は基本的な体力を養うことができると共に、
マニューバーをこなすときは美しい形で動く習慣がつきます。

そして、競技会に向けて本格的なトレーニングを始める段階になったとき、
乗り手も馬も無理することなくそのプロセスを過ごすことができると思います。

MAH00651-1.jpg


(馬の姿勢を作る時はしっかりと脚を使う必要があります。)









2016/02/05 1:36:55 | リンク用URL

Jan

28

2016

ホースセンス (上達する方法)

馬と関わること35年。 
乗った馬の数も多いですが、
レッスンをしてきた人たちもそれに負けないくらいの数になってきました。

私の馬人生は、
競走馬上がりのサラブレッドを相手にブリティッシュスタイルで始めました。
初心者の頃から乗馬レッスンはほとんど受けたことがなくて、
独学で沢山の落馬と骨のヒビ、青あざを経験をしながら今に至っています。

途中でウエスタンに転向した後は、
日本でしばらく乗馬レッスンと外乗の先導をこなすとともに、
時には外国人指導者の通訳をすることもありました。

色々な経験を日本でもする機会がありましたが、
馬に関しての全てにおいて一番向上したのは渡米してからでした。

アメリカに移り住んで数年間は
トレーニング専門の牧場で馬に乗る事のみに専念しながら、
時折耳に入ってくる馬についてのプロの会話、
トレーナーがノンプロライダーをレッスンしている所や馬の調教をしている光景、
競技会場で見てきた何百、何千という走行、
そのような馬に関するありとあらゆる経験を体に焼き付けながら
今もなお独学の馬人生は続いています。

ここまで来るのに努力をしたという記憶があまりない、流れ任せの馬人生です。
その時々に、小さな目標があってその積み重ねが延々と続いて今がある感じです。

積み重ねの結果として、私にはグリーンウエイランチを開くという大きな転機が訪れました。
その転機は、再びレッスンをするチャンスが巡ってきたということでもありました。

馬の様子から伝わってくる乗り手の感覚を見ながらレッスンを進めるという
独自の指導方法が自然と身に付いたのは、
星の数ほど人が馬に乗っているところを見てきたためだと思っています。

その数を重ねた人馬ウォッチングから
私は、ある人間の思考の特徴に気が付いたことがありました。

グリーンウエイランチで私がレッスンするお客様は様々です。
年齢、性別そして乗馬経験の度合いだけでなく目的も異なります。

例えば、
乗馬は初めてでどのようなものなのか体験したい、
研修という形で牧場に滞在しながら技術を向上したい、
親に連れてこられた小さい子どもたち、
レイニングホースの調教や操作方法を勉強したい、
アメリカで競技会を経験するために、などなど・・・

その人たちの中には、運動神経が良い人やそうでない人。
度胸があったり怖がりだったり、
馬に対して天性の感覚があったり、不器用だったり・・・

レッスンを通して様々なケースを見ていく内に、
その人に備わった素質の有無に関係なく上達する人がいるのに気が付きました。
そういう人たちにはある共通した乗馬に取り組むときの心構えがあるのです。

どういうことかというと、自分に目標を作る人たちなのです。
達成したい内容の大小に関わらず、
自分に目標を掲げてそれに向かって一心に乗馬をしている人は
必ず上達するのを見てきています。

レッスンの時に、生徒さんへ私から目標を作る時もありますが、
本人が決心したことほどには動機付けにはなりませんし、
継続する意欲をそそることも本人の意思ほどには効果はありません。

毎回、乗馬するときに本当に些細なことで良いので
自分がその一鞍でできそうな目標を作って挑戦してみてください。
小さいことが少しづつ出来るようになると、
いつの間にか本人も気が付かないうちに上達しているものです。

馬の上からは、どれくらい上達したのか分からないこともあるので、
たまに写真や動画で乗馬している様子を撮ってもらうのも良いと思います。
人から、「上手になったね。」 と言われて自覚できる時もあるので、
そんなことを励みにすると乗馬はもっともっと楽しくなります。


グリーンウエイランチのレッスンはマンツーマンで行うようにしています。
そうすることによって私自身、指導しながら実に多くのことを生徒さんから学ばせてもらっています。

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2016/01/28 1:44:29 | リンク用URL

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