2024.November
Sun | Mon | Tue | Wed | Thu | Fri | Sat |
---|---|---|---|---|---|---|
1 |
2 |
|||||
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
21 |
22 |
23 |
24 |
25 |
26 |
27 |
28 |
29 |
30 |
Backnumber
Recent Articles
Nov
14
2015
過去に経験したことが原因で問題を抱えてしまった馬を私は沢山見てきました。
前回のブログでは、そういう馬たちに効果的だと思う運動をご紹介しました。
もしこの運動が功を奏して馬がリラックスし乗り手を信頼するようになったら、
次のステップとして柔らかくハミに譲る状態を作ることができます。
前のブログで、
乗り手の拳の使い方によっては馬と不協和音を生じる可能性を書かせてもらいましたが、
乗馬中、手綱の操作は馬と会話をする大切な手段の一つで、
人はそれを握る拳を使わないわけにはいきません。
また、脚と同様に拳は馬の姿勢を作っていく上でとても大事な役割をします。
拳と脚の両方を乗り手が的確に使うことによって、馬体のアライメントがしっかりと保たれ、
馬は規律のある美しい動きができるようになります。
ここで大切なのはそのような重要な拳の作用を、
馬が納得した状態で人と調和しながら活かされていくことです。
よく理想的な拳を「柔らかい拳」と表現することがありますが、
柔らかい拳をレイニングの観点で考えた場合、2つの要素が考えらると思います。
1つは、
乗り手が、馬にハミ受けを要求するときに使う拳の強弱の度合いと必要性、
そして使う時のタイミングを判断できるということ。
2つ目は、
馬がハミに譲ったときに、乗り手はそれを目と拳で認識して、
直ぐにリリースを与えられる感覚を持っているということです。
上記の2つのポイントは、鞍数をこなした人でも確実に行うのはなかなか難しいことです。
ましてや、馬上で馬が動いているときにバランスがままならない段階の乗り手では、
その繊細な感覚を感じるのは困難と言えます。
そのような場合でも、人と馬に優しいやり方でこの感覚を理解しやすくする、
グリーンウェイランチ流の運動を紹介したいと思います。
馬は停止した状態で行う作業なので、
乗り手のバランスは安定していて拳に神経を集中しながら、
馬上から馬の様子がつぶさに観察できます。
馬は人から伝わる扶助をピンポイントで感じられるため、
乗り手の余分な作用(たとえばバランスをくずしたときなどの動き)
から生じる混乱をさけることができます。
これからご紹介する運動にあたって乗り手は鞍数100位からそれ以上の経験があり、
馬上でリラックスする余裕があることと、
練習に使う馬は、ハミに慣れている必要があります。
まだ顎をたたんで運動を継続できるところまで進んでいなくても
ある程度のハミ受けができる調教レベル、あるいはそれ以上が好ましいです。
馬は静かに停止していられるというのが条件となります。
停止していても落ち着かずにすぐ動いてしまうような状態の馬には、
まだリハビリやバックオフの時間が必要と判断してください。
この運動は、乗り手の拳の感覚を養うのが一番の目的です。
馬の立場では、乗り手の拳と脚の動きでハミが口に作用したとき、
顎を譲る事によってプレッシャーはリリースされるという関連性を記憶させます。
(写真の騎乗者はようやく駈歩を続けられるようになった段階です。
そのためベテランの馬をパートナーに選び、スプリットレーンは使用していません。)
乗り手は、柔らかく鞍に座り騎座をリラックスさせた状態で行って下さい。
左右の手綱を同じ長さに保ち、まず馬の背峰に置いた拳をゆっくりと上げて、
軽いひっかかりを感じたところで停止させます。
馬が顎を譲らなくても、それ以上手綱は引かないように気を付けます。
拳の位置を変えないように注意して、両脚のふくらはぎを軽くバンプさせながら
馬が顎をゆずるまで待ってあげて下さい。
この時に馬がバックしてしまうような場合は、
手綱を張りすぎているか、バンプの度合いが強すぎる可能性があります。
また、馬が前進してしまうようであればバンプが強すぎるので軽減します。
感覚としては、ふくらはぎが馬体に触れるか触れないくらいの加減でゆっくりとバンプします。
それでも馬が前進する場合は、拳の位置をほんのわずか自分の方へ持っていきます。
前回のブログに書いた 「押しと引きのバランス」の接点が合うと、
絶妙なタイミングで馬は頭を下げる時があります。
ほとんどの馬は、カクッと言う感じで下げます。
そのタイミングに合わせて拳を完全に馬の背峰に戻すとともにバンプをやめます。
バンプを蹴ることと勘違いする人がいますが、これはあくまでも脚を使った馬への合図です。
必要に応じて強弱はつけますが、ここではふくらはぎだけをソフトに使ってください。
拍車は当たらないように気をつけます。
馬の反応があるまで根気よく待つように働きかけるのがコツです。
馬によって時間差はありますが、必ず顎を下げる瞬間がありますから、
そのタイミングに合わせて馬体にかけていたプレッシャーをリリース(解除)します。
リリースのあと優しい声をかけて、愛撫をするとなお効果的に馬は理解していきます。
乗り手からプレッシャー(ハミの作用と両脚のバンプ)を受けたとき顎を譲ることによって、
そのプレッシャーはリリースされると馬が理解し、人との約束事が確立されてくると、
今度は常歩や速歩、駈歩などの動きの中でもこの運動を活かせるようになります。
(乗り手は、手綱をピックアップしふくらはぎで軽くバンプすることにより、
馬が顎をゆずる様子を体感しているところです。)
ただここで注意したいのは、馬の動きが大きくなればなるほど(スピードが上がる歩様)
調教途中の馬は顎を譲ったまま運動を継続するのは困難なため、
調教を手掛ける人はそれを理解して鞍数を重ねながら完成させることが大切です。
この段階で乗り手が性急になると、
せっかく築き上げた連帯感が失われ、馬はまた以前のイライラした状態に戻ってしまいます。
人馬間で手綱を通じてスムースなコンタクトが取れるようになると
馬の姿勢をコントロールしやすくなるため、
サークルで馬の肩がドロップしたり外へ逃げたりすることがなくなります。
次回のブログでは、
肩のドロップに関係した馬の姿勢について書いてみたいと思います。
2015/11/14 0:53:25 | リンク用URL
GREENWAY RANCH
7875 Brogden Road Smithfield NC 27577 U.S.A
TEL:1-919-915-1088 | FAX:1-919-934-5837 | E-mail:midorifjmtpc2@gmail.com
©GREENWAY RANCH. All RIGHTS RESERVED.