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2015
馬を扱うときや乗馬する時に大前提として私が大切にすることは、
馬との気のやりとりです。
これなしにして、馬のトレーニングは不可能だと言っても過言でないほど、
馬と気持ちで繋がることは大事だと思います。
馬と気のやりとりをすると、信頼関係、人馬一体感、相互のリスペクト、連帯感、等々、
どんな言葉を使っても表現しきれないほど、とても奥の深いものが生まれるような感じがします。
この表現に値する感覚は、ある程度の鞍数を重ねてくると、
外乗や馬場での軽い運動の中で感じられる瞬間もあると思います。
ところが、競技に出場するときや競技馬のトレーニングは、
普段の乗馬とはまったく違う局面を持っていると言えます。
それは、馬が普段しない体の動き、
自然体ではやらない動きを人為的に作る、あるいは馬にさせるという事です。
馬からしてみれば、できればやりたくないことなので、
この部分で馬との関わりはさらに深遠、またその反面困難になりがちです。
飽きっぽい性格の私が今まで馬を辞めずにいたのは、
もしかしたらこの部分をもっと掘り下げたかったのかも知れません。
乗馬の楽しみを味わうだけであれば、これほど馬には夢中にならなかったと思います。
どうすれば乗り手も馬も、楽しくストレスフリーで運動できるのか。
どうやったら馬とケンカせずに、自分の意志を馬に伝えることができるのか。
様々な思いが、競技へ向けて馬をトレーニングするときや、
完成された馬に乗るときに心をよぎります。
そして、日常の試行錯誤の中で私なりに少し分かってきた内容が、
今回のブログになりました。
これからシリーズで公開していくブログは、基礎を重視する人や、
馬との関わりを真剣にとらえる人には共感できる部分もあると思います。
理屈ばかりこねていても仕方ないので、
実際の運動としてどうすれば馬と良い関係が築けるのか、
またそうするために私が感じる馬の心理にも時折ふれながら
ブログを継続していきたいと思います。
そしてブログから、
「乗り手や馬を扱う人の心のあり方が馬の動きや馬の行動を反映する」、
ということを馬の背にまたがったときや馬を扱う時に
常に心に抱いて頂けるとありがたいです。
馬との連帯感を作る。
「人馬一体」という言葉は、人と馬の理想的な様子を表現するのによく使われますが、
言葉のニュアンスが神々しすぎるので、あえて連帯感と言わせてもらいます。
連帯感は、意志の疎通が乗り手と馬の相互の了解のもとにできたときに
初めて生まれてくるものだと思います。
そのような状況下では、乗り手は馬に伝える手段をしっかりと踏まえているため、
馬の動きは強制されたものではなく、馬が人の意志をくみ取って動きます。
人が馬を相手に言葉による意思の疎通を図るのは難しいので、
乗馬時の馬との会話は主に乗り手の脚、拳、音声によって成り立たせることができます。
乗り手の脚、拳、音声が馬との会話において言葉の役割をすると考えた場合、
それは、人が頭で理解しやすい馬に対しての会話手段だと思います。
なぜならこの方法は人が理論的に理解できるからです。
それとは別に、乗馬中に人が意識しないのに馬には伝わるものがあります。
それは、乗り手のからだ全体から馬が感じるものです。
これを簡単に人間同士の会話で例えると、
相手が発した言葉の意味そのものより、表情やしぐさから無意識に相手の本意を感じる。
その様なものだと思って下さい。
ここで言う、馬が感じる「からだ全体」とは、
乗り手の緊張やリラックスしているときの体の状態、
そして乗り手の気や感情です。
馬と意志の疎通を試みるとき、直接的な作用を馬に与える脚、拳、音声と同様に、
乗り手のからだ全体の状態は、馬に大きな影響力を持つので無視できません。
(左スピンをしているところです。連帯感が生まれると、早い動きの中でも馬はリラックスして体を動かすことができます。)
2015/10/27 4:53:49 | リンク用URL
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