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2013
以前のブログにも少し書いたことがあるが、レイニングは他の馬術に比べると歴史が浅く、トレーニング方法や競技に関するルールはその短い歴史の中でめまぐるしい変化をたどってきている。
レイニング競技の成り立ちは、カウボーイが馬に乗って牛を追う時の馬の動きを競技化したもので、それ故に大胆でスピード感溢れるものとなった。
競技中の馬は、パワフルでメリハリのある動きで観衆を魅了し、決められた経路を正確に走行しながら、難易度が高い様子がスコアを左右するため、競技に出る馬の調教はかなり過酷なものになる。
私が知る限りでは、レイニングのオリンピック参加を目標に協会関係者が動き出してから、レイニングにまつわるルールはかなり厳密になってきたようだ。
それまでは「何でもあり。」、と言っては語弊があるかも知れないが、競技馬に対して使う薬物に制限はなく、動物愛護の精神からかけ離れた馬への対応もあまり問題視されていなかったような気がする。
オリンピック参加の念願を達成するには、まだクリアしなくてはならない壁が沢山あるようだが、現在レイニングは国際馬術大会に出場する権利を得ることができた。
しかし、それに参加する競技馬に対してのルールは厳しい。
競技馬は、6歳以上でなくてはならず、ジョグテスト(引き馬で速歩をする)などを含めた健康チェックがあり、薬物の使用は禁止されている。
適切な表現ではないかもしれないが、レイニングホースは競走馬のような年齢感覚で扱われるため、国際舞台のルールに合わせた年齢の古馬で、健康で優れたレイニングホースは見つけるのが難しいと言われている。
この現実から、サラブレッドが「経済動物」と言われている使い捨てのような雰囲気を、私はレイニングホースの世界にも感じずにはいられない。
障害飛越を含め、ブリティッシュ馬術に使われる馬達、またスペイン乗馬学校のように芸術的な演技をする馬達は10歳を越える頃からようやく完成されてくるが、馬として生きる寿命は同じなのにレイニングホースはその年齢に達するとガタガタになってしまうことが多い。
その理由はメンテナンス不足など様々だと思うが、1つには若い頃から始められる過度な調教によって酷使された馬体にダメージがでるためだ。
また、レイニングの競技に回数多く出場すると「ショースマート」という現象が馬に起きる事があるためでもある。
これは馬が競技の内容を覚えてしまい、乗り手の合図を受ける前に勝手に動いてしまうことである。
レイニングは競技中の動きを、馬自らやっているように見せるのを妙技とするため(例えばルースレーンでの走行)このような事が起こりやすいのだと思う。
そのような理由からも、国際馬術大会で通用するような、ワールドレベルの馬を捜すは難しいと言われている。
レイニングを馬術とし、その真価を世界に認めてもらうためには育成や調教方法、競技会に関するルールなど、馬との関わり方をさらに深い部分まで掘り下げて考えて行く必要があるのではないだろうか。
せめてフチュリティーが4歳馬の競技となれば、レイニングホースの競技馬としての寿命を長くする助けになるような気がする。
そして、今まで3歳でデビューさせるため、時間に追われながら調教してきた乗り手にとっても精神的な余裕ができ、自然と調教方法や馬に対しての扱いも穏やかになり、事故や故障といった悲劇も少なくなるのではないだろうか。
若い年齢の馬に対して、ごり押しとも言える調教は馬の肉体面だけでなく精神面にも悪影響を与える。
私は、今まで自分が接してきたレイニングホースから、実際に人の扱いにより受ける影響がいかに馬達の心にトラウマを与えてきたかも見てきている。
2013/02/28 9:12:58 | リンク用URL
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