アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

2024.November

Sun

Mon

Tue

Wed

Thu

Fri

Sat

     

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

26

27

28

29

30

Backnumber

Image Index

みどりのThat’s録・(馬旅2020年 No. 05号) みどりのThat’s録・(馬旅2020年 No. 05号) みどりのThat’s録・(馬旅2020年 No. 05号)
みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 04号) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 04号) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 04号)
みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 04号) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 03号) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 03号)
みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 03号) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 03号) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 02)
みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 02) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 02) みどりのThat’s録・(馬旅2019年 No. 02)
みどりのThat’s録・馬に魅せられて (馬旅2019年 創刊号01) みどりのThat’s録・馬に魅せられて (馬旅2019年 創刊号01) みどりのThat's 録 (ウィリー)
みどりのThat's 録 (ウィリー) みどりのThat's 録 (ウィリー) みどりのThat's 録 (ウィリー)
ジョイのつらつら日記(ビフォーアフターのアフター) ジョイのつらつら日記(ビフォーアフターのアフター) ジョイのつらつら日記(ビフォーアフターのアフター)

Dec

08

2012

フチュリティーの裏側 (前)

レイニングホースが一生の内に1度だけ挑戦できる2012年オクラホマのフチュリティーが1週間前に終わった。
3歳の馬だけが出場できるフチュリティーは、レイニングホースがもっとも注目を浴びる競技会だ。

この大きな競技会にトレーナーとして誰が上位に入ってくるのか知るのも楽しみの1つだが、
やはり私としては好成績をだす馬の血統の方に目がいってしまう。
特にNRHAが主催するオクラホマのフチュリティーは、レイニングの能力を競うため全米から馬が集まり、
わずか2週間の内に幼い3歳馬が3走行をして結果を出すという過酷な試合で、興味がある反面jその裏側を知っている者として時に複雑な気持ちになるときもある。

今年は、オープンとノンプロのクラスで650頭あまりの3歳馬がエントリーされ、その内のわずかなスクラッチ(キャンセル)を除いてほとんどの馬達がファーストゴー(一次予選)でその舞台を踏むことができた。
セカンドゴー(2次予選)でその数はだいぶしぼられ、2回の予選の合計点で上位をしめた馬達がファイナル(決勝戦)に進出できる。
今年のファイナルでは、オープンクラスで62頭、ノンプロクラスで51頭が残った。

オープンクラスの優勝馬はケイシー ディアリーを乗せたガナーの子、アメリカズネクストガンモデルが優勝し、
ノンプロではマンディー マッカチャンを乗せたやはりガナ−の子、カスタマイズド ガナーがジェッシー アズマッセンを乗せたスマート チャカと同点優勝した。

ガナ−の産駒はまたその能力を世間に知らしめ、仔馬のセリではやはりガナ−の産駒が最高値を出して根強い人気を物語った。
手前味噌だが、ガナ−の血を引く繁殖牝馬を基礎として仔馬を生産している私としては嬉しいかぎりである。

ファイナルに残った3歳馬たちは抜き出た才能を一生1度の晴れの舞台で証明し、馬主と乗り手に賞金をもたらした。
賞金額は数年前とくらべると断然の差がある。

以前のフチュリティーでは、ファイナルに残るという大変な関門を抜けても上位に入らないと賞金がもらえなかったという記憶があるが、NRHAのルールが変わりオクラホマのフチュリティーと4歳、5歳、6歳を対象にしたダービーにエントリーするためには参加するしないは別として新ルールによって馬をノミネートしなくてはならなくなった。
その額は当歳で300ドル、それ以降になると馬の年齢と共に費用はかなり高額になる。
(ちなみに年が明け1歳となった仔馬に対しては2000ドルのノミネートフィーとなる。)

ノミネートのルールに関しては、当歳を所有する馬主としては思案のしどころで、
まだ仔馬の内は血統や体型のみで能力を推測しなくてはならない段階なので、判断をすることは賭となる。

しかし、この新しいルールによってフチュリティーやダービーで好成績を出した馬には、以前とは比べものにならないほどの賞金が支払われるため意味はあると思う。
(今回フチュリティーのオープンクラスで優勝した人馬の賞金額は165,000ドルだった。)

良い血統のレイニングホースを生産し、競技の最高峰で活躍できるように育て上げるということは、
かなりの支出を覚悟しなくてはならないので、運良く賞金がもたらされればその苦労も報われることとなる。

オクラホマのフチュリティーに無事こぎつけ、ファイナルの舞台を踏むことのできた3歳馬は、彼らに関わる人達から自慢され世間からは注目を浴びる。
2歳の年明けから厳しい英才教育を受けてここまでたどり着いた馬達の気持ちは別として、人間に価値を与えられた彼らはやはり幸せと言って良いのだろう。

だが、その華やかな舞台の裏に無視をしてはいけない悲しい事実があることも忘れてはならないと思う。
フチュリティーが終わったばかりで、盛り上がっているところに水をさすようで書くことに気が引けるが、過去に自分が見てきた現実も知ってもらいたいと思う。

120_1823.jpg



2012/12/08 8:35:06 | リンク用URL

Page Top