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06
2012
競技の結果がでたあとに、
「あーだったら・・・、こうしてれば・・・、もっと良い点数をとれたのに・・・」と後悔しても仕方ない。
自分の馬の調整方法や乗り方に反省点があれば、
それを客観的にとらえ次回に生かしていけばいいのである。
ただ、今回の美紀ちゃんの競技成績に関しては、ちょっと解せないところがあった。
こんなこともあるんだ・・・、と彼女とスコア表を見たとき驚いたのだが、
なんと明らかにジャッジのミスと見られる部分を見つけてしまった。
今回の競技会は3人のジャッジが交代でそれぞれの役割を分担していた。
2人が走行を採点しているとき、後の1人は演技を終了し退場してきた馬のビットチェックと馬体検査を担当した。
美紀ちゃんは土曜日と日曜日に行われたグリーンレイナーのクラスで合計3回のショーイングをした。
土曜日の相棒は通称エンターと呼んでいる馬で、なんと彼にとってはデビュー戦だった。
アメリカでの競技経験の浅い美紀ちゃんにエンターに乗っての出場はどうか、とも思ったが
本命のガナが競技場へ輸送日の3日前あたりからストップの時に右後肢をしっかりと地面に着けて踏ん張らなくなったので、エンターと一緒に頑張ってもらうしかなかった。
結果はというと、スコアこそのびなかったが(132点)エンターは美紀ちゃんを乗せて真面目にパターンを走行してくれ、私も美紀ちゃんも満足したものだ。
心配だったデビュー戦では、27エントリー中10位に位置できた。
この日のパターンは#6のウォークインで、頭を下にさげベテランの競技馬のように本馬場に入場するエンターの様子にホッとしたのを覚えている。
・・・・がそれもつかの間、先に走行を終わらせた馬が退場したあと、
エンターは本馬場にいるのは自分だけだと気がつき仲間を探して声高く2回いなないた。
その様子を側で見ていたカップルが笑っていたのにはちょっと恥ずかしい思いをした。
偶然近くにいたエンターの父親(A Smart Enterprise)の元オーナーが、
アナウンスで A Gunners Enterprise という名前を聞き私に話しかけてきた。
「この馬の父親はだれ?母親は・・・?」
私の答から自分がドミニカ共和国に売った種馬のこどもと知り、
「綺麗な馬だねぇ。」
とお褒めの言葉を頂いた直後のいななきでもあった。
この馬やんちゃなくせに甘えん坊で、グリーンウェイランチでも研修生の話題にしょっちゅう上る憎めない奴で、競技会でも人を楽しませて?くれた。
エンターというあだ名はエンタープライズからきているが、いっそのことエンターテイメントのほうがあってるかも知れない、なんて思ってしまう。
(なかなかのイケメンだけどそれだけでは・・・ねぇ)
そんな彼だが、走行が始まると乗り手に集中してゆっくりだったがきちっとパターンを終了してくれた。
最後3回のストップはエンターにしてはとても良く、種馬のオーナーも誉めてくれた。
それと感心したのは、大会不慣れのこの両者が初めての共演でペナルティーを1つもとらなかったことである。
競技馬は本番に臨んでみないとその馬の真価が分かりにくいものである。
この日の走行を終了直後ビデオで見て確かな手応えを馬から感じた美紀ちゃんと私は、
明日の走行へと希望を持てた。
(美紀ちゃんとエンターの練習風景)
ところが、である。
勝負はみずものというか、この場合どう表現したら良いのだろう。
日曜日の美紀ちゃんとエンターの走行は、前日の出来と大した違いはないのにアナウンスで発表された点数は低かった(128点、14エントリー中8位)。
この日も人馬とも頑張り、ビデオで見るぶんには昨日と遜色のない演技だったにもかかわらずである。
競技会最終日の最後のクラスがグリーンレイナーだったため、荷物の整理をしながらスコア表が出るのを待った。
ジャッジがどう審査したかは、興味深い部分なのでスコア表の確認はぜひしておきたかった。
そして結果は、というとなんと1人のジャッジがグリーンレイナーのクラスで認められているシンプルリードチェンジ(リードを変えるときに速歩をいれる)でペナルティーを付けていたのである。
美紀ちゃんにはエンターのリードチェンジがまだ完成されてないため、安全策をとりシンプルリードチェンジをするように指示をしていたため、合計でペナルティー4を付けられた。
ペナルティーをつけたこのジャッジは、土曜日のグリーンレイナーではビットチェックの担当でその日のスコアを直接左右することはなかったが、日曜日は採点をしていたので順位を大きく変えてしまった。
これが正しく採点されていれば、エンターと美紀ちゃんのコンビは4位に入賞できたのである。
ちなみにこの「ペナルティー」を除けば、彼らは今回もペナルティーなしの走行ができたということで、私としては成果のある競技会となるはずだった。
グリーンレイナーのルールは大本のNRHAが定めているが、
大会によってはローカルルールが適用されることもある。
しかし、今回のCarolina Fall Classic 2012 に関してはNRHAのルールに基づいて採点方法をとる、と発表されているのでこれは明らかなジャッジのミスである。
このペナルティーの件に関しては、順位が発表された後に気がついたのでそのまま現実を受け止めるしかなかった。
後日、NRHAのジャッジライセンスを持っている知人にその話をしたとき、
その人は以前ローカルルールで、
「グリーンレイナーはリードチェンジの時シンプルリードチェンジのみで行うこと」
という変わったルールも経験したことがある、と言っていた。
なんとそのクラスではフライングリードチェンジをするとペナルティーをつけられるのである。
ほとんどの馬はセンターでのリードチェンジはフライングと覚えてしまうので、
これもまた別の意味で難しいパターンだと思った。
そんな事を思いながら今回のちょっと解せない出来事に関しては、何事も経験だという考えに至ったしだいである。
なんでも経験し勉強することが、失敗して後悔したりその時は納得できなくても、それはいずれ明日への糧になるのだと思った。
(エンター、来年に向けて頑張ろう!!)
2012/11/06 1:10:01 | リンク用URL
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