アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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2012

春の大奮闘 G、ある懸念

産室を母子だけにして、遠くから離れて見守っていると、
なんとか母馬は私が間に入らなくても、
仔馬に授乳することは慣れてきたような感じだった。

だが、まだ完全には安心できず馬小屋の作業をしながら、
産室の前を通り過ぎる度に親子の様子を観察した。

そうこうしている内に、気になることが二つ頭をよぎった。

1つは、母馬は仔馬に授乳を許すまでになったが、我が子に関心を示さないこと。
もう1つは、母乳の量が充分足りているのか、
ということだった。

本来、出産直後の母馬なら、
仔馬がお乳を飲んでいるときにそのお尻にそっと鼻を近づけて
我が子を確認するような仕草をしたりするがその行動が全然見られない。

この母馬からは、
「おっぱい飲みたければ、勝手にどうぞ。」
という声が聞こえてきそうな素振りだ。

また、普通なら母馬が必ず仔馬にする、
「フルルルル・・・」と優しく鼻を鳴らすようなこともしない。
母馬からは我が子に対しての関心や愛情表現が見られないのである。
それは完全に絆ができてない、という証拠でもあった。

10年越しの付き合いになる繁殖牝馬のガナーズモールは、
私に対して完全に心を許してくれてはいるが、
出産して2〜3日は、私でも仔馬の側に近寄るのは警戒する。

まだ、仔馬の動きがおぼつかない内は、
私と仔馬の間に立って自分の体で我が子を隠してしまうのが常だ。

ガナーズモールの娘で、今年2頭目を出産したバレンタインは、
人に対して警戒することはしないが、馬房の中でさえ仔馬が少しでも自分から離れると
うるさいくらいに鼻を鳴らして仔馬のあとを追いかける。


DSC00819.jpg


(ちょこまか歩き回る我が子のあとを心配そうにピッタリと付いていきます。)

DSC00836.jpg


(母馬の関心はいつも仔馬に向けられています。)

DSC00838.jpg


(仔馬が寝ているときは、仔馬のほうに顔を向けて側で守ります。)



母親になった馬達のその様な行動を今まで見てきてるので、
目の前にいる牝馬の我が子に対する様子は心配だった。

また、母乳に関して獣医学書には、
「母乳が足りない場合、仔馬はいつまでも執拗にお乳を飲もうとし、満足することがない。」
と書いてあった。

やっと母馬からお乳を飲むことを許されたこの子は、まさしくその様な状態に見える。
出産前の母馬の乳房が張らないので、薬を与える必要があったこともあり、
母乳の量がたりない可能性が一番の気がかりだった。

母乳は、当然仔馬に栄養を与えるという重要さもあるが
仔馬は誕生してしばらくは水を飲まないので、水分の供給源でもあるからだ。

七転び八起きで目的は達成したかのように見えたが、
懸念する内容が残っている状況にまだ手放しで喜ぶことはできなかった。

いずれにしろ馬房の前に張り付いて観察していても仕方ないので、
しばらくの間、自然の経過に任せようと決め、家に戻って昼食を取ることにする。

母馬と仔馬を産室で一緒にしたのが1時過ぎで、
他の馬達にランチともいえる遅い朝食を与え
一通りの作業が終わったときは3時を回っていた。

数時間後の夕飼い時に、
親子の間で何らかの進展があることを願いながら家まで歩く。
それを確認できなければ、今夜は寝れないだろうと思った。






2012/05/10 7:33:47 | リンク用URL

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