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2012
さて、ファイブスピンをしてしまうのが弱点だという美紀ちゃんに対して、
それを防ぐべく、競技会出場に向けてどのようなレッスンをしたかの続きです。
もし長らく待って頂いた方がいましたら、
のんびりしてしまい大変申し訳ありませんでした。
美紀ちゃんには、競技会出場するための相棒カサノバ号に馴染んでもらうため、
到着した翌日から貸し切りにしました。
選手が渡米してくるまでの1ヶ月間で調整はほとんど済んでいたので、
私がこの馬に乗る役目は終わっていました。
美紀ちゃんはあるとき、
「みどりさんはカサノバには乗らないのですね。」
と不思議そうに聞いてきたことがあります。
これは私の主義ですが、レッスンをするときは
馬を手渡した時点で私の課せられた次の仕事は、
いかに乗り手が馬とコミュニケーションを図るべくかアドバイスすることだと思っています。
簡単に言えば、異国語を話す人の間に入って通訳する様な役割です。
本番で競技馬場に入ったら、
パターンの開始から終了まで騎乗者は1人で馬に対応していかなければなりません。
もしかしたら思いがけないこともあるかも知れません。
それに対処するのは、乗り手自身なのです。
だから、自分から馬を分かろうとする姿勢を作る、
また試行錯誤して積極的に自分でその馬と折り合いをつけていく、
という感覚を持ってもらう意味でも、
よほどの事がない限り私が乗り替わって問題を解決するようなことはしない、
というのがグリーンウエイランチのレッスンの仕方です。
(あるレッスンの模様、自分も馬にまたがりスピンについて説明しています。
まずは言葉で・・・)
(次にスピンの前運動の見本を示しています。)
ちなみに美紀ちゃんがカサノバを専用馬とした約1ヶ月の間に
2回だけ乗り替わったことがありましたが、
1回はどのようにカサノバに乗ってきたかを見せるためと、
2回目は競技会最終日にスピンの調整が必要だったためです。
美紀ちゃんは、レッスンの飲み込みが早く、馬に対してのセンス、度胸など申し分なかったので
説明した動きを馬にすぐ反映させられたというのも乗り替わらずに済んだ理由です。
いくらこれが主義だとしても、
馬の状態が崩れていくような時はもちろん乗り替わります。
実はこの方法は「言うは易く行うは難し」で、とても神経を使うことです。
特に競技会に向けて練習をしているときは、
大会当日に馬をベストの状態に持っていかなければならないため
細心の注意が必要となります。
レイニングホースは飴と鞭(プレッシャーとリリース)を使い分けて調教していきます。
乗り手の指示に対して馬の反応が乗り手の望むものなのか否かを
その動作を何回もくり返しながら飴と鞭で馬に覚えてもらいます。
(この「鞭」とは懲戒という意味ではありません。)
それゆえに仕上がったレイニングホースは精巧な機械の様な感じになるのです。
音声にも確実に反応するようになり、その例としては、
舌鼓だけである動作(駈歩やスピンなど)のスピードをあげてくれる、
または常歩や速歩から駈歩への移行をする。
その他に、「ウォー」というかけ声で停止するといった具合です。
乗り手の音声を馬が理解すると、
鞍数の少ない騎乗者が乗っても面白いほど馬の操作は楽になります。
もし、このような馬の状態が崩れるような場合は、
コンピューターの操作で例えるなら「上書き保存」をした時です。
なぜレイニングホースの調教が壊れていくかは様々な理由を挙げることができますが、
簡単な1つの例で説明すると、
ある時の馬の動きの後にそれが好ましくなくても飴を与えてしまった場合があります。
「飴」を与えるとは、馬を「休める、あるいはかけていたプレッシャーを取る」と言うことです。
この状態を続けていくと、人間でいえば 「まぁ、これでもいいか・・・」
と馬は適当に動くようになります。
そしてその回数が多ければ多いほど、
レイニングホースの動きは正確さを欠き、錆び付いてくるわけです。
私はそれを避けるためにレッスン時は、乗り手より馬を重視して見るようにしています。
そして、馬の動きからその時に乗り手がするべき事を指示するようにします。
次回はスピンの指導をするにあたり、
美紀ちゃんがいかに馬の状態をキープしながらファイブスピン防止の練習したか
を書いてみたいと思います。
(美紀ちゃんとカサノバ号)
2012/06/03 7:27:22 | リンク用URL
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