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2012
競技に向かってレイニングホースを再調教をするにあたり、
馬に外方レーンに対して抵抗なく反応する感覚を思い出してもらう
というのも重要な作業の1つでした。
レイニングホースに乗り慣れてない人は、
どうしても両手を使って手綱操作をすることが多く、馬はガイドが悪くなってきます。
これはサークルをするときライダーが内方の手綱を引っ張ってしまうために起こり、
結果として馬は外方のレーンのタッチに鈍感になってきます。
レイニング競技の多くのマニューバーは、外方レーンの指示によって演じられます。
サークル、スピン、ロールバックはその最たるものです。
(ここではフリースタイルなどで演じられるブライドルレス(頭絡を使用しない)の話は除きます。)
乗り手は外方レーンを馬の首に当てたとき、スーッと引っかかりなく譲ってくれる
(手綱が馬の首に触れたら逆の方向へ動く)感覚を手に感じられることが大事です。
この時も前回のブログで説明させて頂いた、アライメントがとても大切になります。
手綱が触れても馬の動きがスムースでないときは、肩をしっかりと動かしてもらう必要があります。
レーンをタッチすると同時に、一緒に外方の脚を前の方で使ってみるとよいでしょう。
それでもまだもたつくようであれば、ここで初めて外方レーン、外方脚と一緒に内方レーンも使い、
馬のガイドに対してのレージー(重い)な反応を改善してみましょう。
アライメントの調整や後駆を動かす運動の感覚が分かるまでには、
それなりの騎乗時間が必要ですが、ガイドに関しては初中級者でもできることがあります。
もちろん実際に乗っている馬がどの程度仕上がっているかにもよりますが、
様々なレベルの人馬に効果的な方法です。
乗り手がレイニングホースに乗った時によくやってしまう運動として、
同じ大きさのサークルを駈歩で何周も永遠としてしまうというのがあります。
私は個人的に、この運動はあまり意味のあるものではないと思っています。
もちろん、レイニングの基本ともいえるサークルを運動中に練習するのは良い事です。
ただメリーゴーランド状態のサークルの連続は、
馬を退屈させるだけでなく馬の集中力を損なうのも事実です。
なぜならサークルの連続運動は、時間と共に馬が惰性で運動するため、
馬の注意が乗り手から離れることになりやすいからです。
そのような状況を避けるため、乗り手は工夫しながら運動に変化をもたらし
馬の意識を騎乗者に向ける必要があります。
乗り手がレイニングホースに慣れてなくてもお勧めでき、
人馬共に無理のない運動として私がレッスンの時によく使う運動があるので
参考にして頂ければと思います。
それは、人馬が大きなサークル(早くない)を安定してできる状態になったら、
小さいサークルを大きなサークルのなかにいくつも取り入れる運動です。
これは比較的簡単にでき、馬の注意をビギナーでも引くことのできる効果的な運動だと思います。
例えば大きなサークルを描きながら4分の1周ごとに小さいサークル(大きなサークルの1/2の直径)
を取り入れたり、また長方形などの図形を描くときに、四隅でサークルを入れることをすると良いでしょう。
注意したいのは、この運動もやはりパターン化せずに小さいサークルを描くこともあれば、
また同じ所を通る時サークルは描かずそのまま通過する、などの方法をとります。
(小さいサークルへ左の手綱を馬の首に当てながら右に向かってガイド(ガイドイン)しています。)
(ガイドインしているときにアライメントが崩れた場合、手綱をピックアップして調整します。)
(馬が安定してきたのでスピードを上げています。
わずかに顔が外へ向くので内方(左)の手綱をピックアップしてます。)
(ガイドが良くなると、スピンもスムースになってきます。)
馬は記憶の天才です。
騎乗者が知らず知らずにやっている癖をあっという間に覚えてしまうので、
その様な馬の習性を頭に入れて運動する必要があります。
このようにパターン化させず、フェイントを掛けるような運動は、
馬に 「次はなんだろう。」 と待つ姿勢をもたせる効果があります。
良いレイニングホースは、
馬が勝手に動くのではなく乗り手の指示を(スピード、ガイドなど全てにおいて)
待てる、あるいは待ってくれる馬だと思います。
この大小のサークルを描く運動は馬のガイド(外方手綱に対しての反応)が改善されるばかりでなく、
乗り手がレイニングの感覚を身につけるのにも役に立ちます。
短時間で機敏な動作を乗り手の扶助に従って次々と行うレイニングの競技の特徴を考えると、
運動に変化をもたらし、馬にそのような運動の環境に慣れてもらうというのはとても大事な作業の1つです。
2012/03/20 9:02:11 | リンク用URL
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