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04
2012
前回のブログはファイブスピンの解決策について書かせて頂きました。
今回は、その策をどのようにレッスンに取り入れていったのかを書く予定でしたが、
またもや私の悪い癖が出そうです。
少しだけ脱線させてください・・・、申し訳ありません。
2011年のキャロライナクラシックに出場するため、美紀ちゃん(橋口美紀さん)は
競技会開催の3週間前からグリーンウエイランチ入りをし練習をすることになりました。
参戦する時の相棒をカサノバ号に決めて、
彼女の到着日より1ヶ月さかのぼり調整を開始しました。
カサノバは完成されたレイニングホースですが、
大人しいのでレベルに関係なく様々な人を乗せてきたため若干の再調教が必要でした。
経験の少ない人が乗り続けると、乗り手は脚を充分に使えないため
馬は後ろ足をしっかりと踏み込んで運動しなくなり、駈歩のリズムが悪くなります。
馬が後駆をしっかり使えるということは、
レイニングのマニューバーを綺麗にこなすためにもとても大切な事です。
それに加えて、鞍数の少ない乗り手は馬を操作する時にどうしても手綱だけにたよるので
馬がフラフラと運動するような状態(アライメントのくずれ)になります。
この問題はウエスタンとかブリティッシュに関係なく、
日本の乗馬クラブのインストラクターなら多く経験していると思います。
久しぶりにまたがったカサノバもそんな感じでした。
その様な動きを改善するために、
まずは馬の後ろ足がのびのびと大きく前にでるように運動することから始めました。
馬には初心に戻ってもらい、新馬調教の作業です。
完成されている馬ですから、もとの感覚を取り戻すのはそれほど時間がかかりません。
脚を使ってスーッと前にでる雰囲気が出て来たら、
今度は手綱をピックアップしてハミを受けさせながら馬の姿勢を丸めていきます。
この状態でしばらく駈歩をすると、アライメントが矯正されて
左右にぶれることがなくなってきます。
(馬が丸くなって運動している状態です。)
(これは反対駈歩で左のサークルをしています。)
馬がゆったり体を大きく使いながら、しっかりと前に進んでいる感じが出て来たら、
片手で手綱を持ち、ルースレーンにしても馬のアライメントが崩れないか試してみます。
ルースレーンでハミの支えがなくなってふらつくようであれば、
また馬を丸めて運動する作業をし、再度ルースレーンにして馬の動きを試してみます。
この作業は主にサークルを描きながら正手前で行います。
馬を丸めた状態で反対駈歩をすると、柔軟性がでてきてバランスが良くなりますが
正手前よりきつい運動なので、反対駈歩でサークルを何周もすることは避けた方が無難です。
この時は、外方にあたる脚で馬体を支えると良いでしょう。
更に難度を高めて直線を走るのも、馬が真っ直ぐに進んでいるかどうか分かるので効果的です。
(手綱がたるんでいても馬はちゃんと乗り手の真ん中にいて安定感があるかどうか判断します。)
この運動をするにあたって心がけたいことはハミ受けを求める前に、
まずは馬が充分後ろ足を動かしているか注意することだと思います。
しっかりと前に進んで動いてないのにハミで馬を押さえてしまうと
体を大きく使えないため動きは窮屈になり、その後の運動に支障が出て来ます。
また、ハミ受けばかりに気をとられると馬によってはイライラしてくる場合もあるので、
乗り手は馬がおおらかに、ゆったり、しっかりと動く感じをつかんでみると良いと思います。
まずは脚で馬を前に進めて、次に後ろから伝わってくる力を拳で柔らかく受けるようにイメージしていくと
馬とケンカをすることなく、調和しながら馬の姿勢を作っていくことができます。
2012/03/04 2:38:25 | リンク用URL
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