アメリカ・ノースカロライナ州にある日本人向けの牧場「グリーンウェイランチ[GREENWAY RANCH]」ブログ

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2011

馬が悪さ?を覚えるメカニズム (by みどり)

馬と毎日向き合って生活していると彼らの習性など面白い発見が度々ある。
私は馬が好きというより(もちろん好きだが)すごく興味があると言った方が良いのかも知れない。

馬が放牧地や馬小屋でやっている行動を観察するのが楽しい。
人が馬に乗っている時も、見ていると自然と頭の中にその人と馬の会話が見えてきて興味深いものがある。
その観察好きが今はけっこう役に立っていて、馬について指導する上で助かっている。

私が指導するときは、よっぽどのことが無い限りその人に替わって馬に接するあるいは乗るということはしない。
レッスン中ほとんどの場合、なんとか当事者同士(その人と馬)のコミュニケーションがはかれるように手助けするだけだ。
なぜなら自分の感覚を通して分からない事は、そこから先へ進むことができないと信じているから。

その様などちらかというと高みの見物的指導方法に非常に助けとなるのが、人と馬が影響し合う様子を見ることである。

例えば、こんな事があった。
新馬調教を研修生が行っていたときのことだ。

今まで、鞍を乗せることに問題がなかった馬なのに急にそれができなくなったというのだ。
グリーンウエイランチでは新馬調教の初期には、馬房や洗い場に繋ぐことをせず、円馬場で引き手を持った状態で一番最初を除いてはほとんど1人で鞍付けをする。

馬を繋がないのはまだ鞍の装着に充分慣れてない状態で腹帯を締めると、後ろへ下がったり前へ出たりして馬が動く場合が多く危険だからだ。
また、腹帯を鞍が回らない程度に締めたあと引き馬をして、また締めるという動作を行いやすくするためでもある。

日頃から研修生には馬に(懲戒などをして)怖い思いをさせないよう伝えてあるので、その加減が分からず腫れ物にでも触るような感じで接する時がある。
その様な人の気持ちが動作に現れ下手すると裏目に出る場合がある。
そこで知っておくと非常に助けになるのが、馬が学習する時のメカニズムである。

私は鞍を乗せられなくなった馬に対して、研修生に再び試みるように伝えその様子を観察した。

馬は研修生が鞍を乗せようとするとスーッと体を動かして遠ざかる。
よく見かけるシーンだ。 
特に鞍が怖くなくなり、だけど乗せられるのは嫌だ・・・、と馬が思う?時に起こる場合が多い。
馬が動くのはさほど問題ではないのだが、問題はその時の研修生のとった行動だった。

馬が動いた(遠のいた)ときに研修生は馬のその動作と共に鞍を下げてしまう。
きっと鞍というマイナス要因で馬の神経を逆なでしまいと、気遣ってのことだったのだろう。
だけどこの優しさ?は馬をしつける上では逆効果となる。

馬からすれば自分の動くというその行動で鞍は自分から遠ざかってくれる。
その一齣の事象をコンピューターのようにインプットしてしまうのである。
そうなると後は、条件反射の様に馬は鞍に対して反応するようになる。
特に馬が賢くて、なおかつあまり人間に協力的でない性格だと嫌なことから逃げる方法は、この1回で充分覚える。

この件に関しては、研修生にあわてず急がず、諦めずに一連の動作で鞍を馬の背に乗せることによって解消してもらったが、ちょっとした人間の思い違いで馬との会話の歯車が外れるエピソードだった。

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(僕の方が上手かも〜〜、ブヒヒッ!)

2011/01/25 21:42:38 | リンク用URL

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