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2010
夏時間が終わったかと思うと、早くも昨日はサンクスギビングでした。
今日はブラックフライデーと言って、サンクスギビングのあと各お店で大セールがあります。
日本もこの時期になると皆さんなにかと慌ただしくなると思いますが、アメリカもサンクスギビングが終わると次はクリスマスモードとなり旅行や家族の集い、ショッピングであちこちが混み合う季節になりました。
そんな時節に先日は2歳ッ子の初装蹄をしました。
この子、ウィリーは2008年4月産まれの女の子ですが、3歳年上の同じ両親を持つお兄さんとは違い用心深く恐がりで初期のブレーキングも無理をさせずのんびりとやってきました。
その子がいよいよレイニングホースにとってとても大事な蹄鉄、スライディングプレートを付ける段階になりました。
スライディングプレートとは後ろ足に付ける特殊な蹄鉄でレイニング競技の動きの一つスライディングストップを馬がたやすく出来るようにするための蹄鉄です。
普通の鉄に比べ幅が広く、鉄尾を蹄より後ろに長く伸ばした形の蹄鉄です。
ウィリーの運動、調教を乗馬歴が長く馬に優しい研修生の彩ちゃんに託しています。
グリーンウエイランチに来た当初、ブリティッシュの経験しかない彩ちゃんにレイニングホースの乗り方を知ってもらうため騎坐や脚、拳の使い方をベテランの馬達を通して覚えてもらいました。
最初は乗り方の違いに戸惑っていましたが、やはり馬から伝わってくることを感じる感覚がすでに備わっているため覚えは早かったです。
研究熱心な彼女はいつの間にかレイニングホースを自由にコントロール出来るようになり、ウィリーもそれに伴いサークルがきれいに回れるようになり、頭を下げリズムを乱さず駈歩が出来る様になって来ました。
「ウォー」とストップの音声扶助を与えると正確に反応するようになったので、スライディングプレートをはかせるところまできたと判断しました。
自分の所で生産した馬に対する思い入れはまた別のものがあり、初めての装蹄を装蹄師さんに任せるときは緊張します。
まるで親が自分の子どもを初めて学校の先生に会わせるような気分です。
「どうか大人しく良い子にしてね、聞き分け良くして装蹄師さんに気に入られるのよ・・・」、なんて感じです、笑。
そんな願いは見事に伝わらず、日頃彩ちゃんが装蹄の疑似体験をさせていてその時は大人しくしていたので大丈夫とも思ったのですが、恐がりの性格が災いしてしまいました。
装蹄中にビビって鎮静剤を打った方が安全ということになったので軽いものを投与した次第です。
昔は装蹄師さんの職人意識もあってか鎮静剤を打つことはやらなかったそうですが、馬が落ち着かないと人馬ともに危険なばかりでなく馬も装蹄に対してマイナスな記憶を持ちます。
そんな意味でも、馬が装蹄に慣れるプロセスを楽にするため鎮静剤の投与は懸命な処置かと思われました。
ほとんどの馬は装蹄が痛くも怖くもないと納得すると大人しくさせるようになるものです。
恐がりの馬でも大体2〜3回の装蹄で薬は必要なくなります。
ハラハラドキドキのすえ無事にスライディングプレートを付けてもらったウィリーはまるでピカピカのランドセルを背負った小学校1年生のように見えました。
これから少しずつ調教は厳密で厳しくなってきます。
競技馬としての素質もわかり始めるので今まで以上に真摯に対応して行く必要があります。
2010/11/26 23:30:53 | リンク用URL
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