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2008
ノースカロライナは、慣れ親しんだ日本の関東と気候がよく似ている。
春には春1番のような風が吹くし、夏は蒸し暑く時折夕立がある。
秋には台風ならぬハリケーンが上陸する事もあり、冬には霜が降りたりで、雪もたまに降るが地面に長くは残らない。
そんな気象状況だからだろうか、ここにも馬たちの大敵がいたのである。
それは、まとまった雨が降った暑い日にわいて出てくる。
奴らはどこからともなく、空気を振動させながら、ものすごい羽音を「ブォ〜〜〜ン」とたてて飛来する。
それが来ると放牧中の馬たちは、耳を伏せ首を上下し、尻尾をバサッバサッと振り回して不快感を表す。
その正体とは、思いっきり大きなハエを、さらに10倍くらいにしたサイズの昆虫、アブである。
よく見るとすごい口をしていて、そのとがった口で人より厚い馬の皮膚をブスッと刺し吸血する。
1度刺されたことがあるが、思わず「イタ〜ッ!」と声に出すほどの強烈な痛みで、そのあと数時間はヒリヒリとしていた。
そんなだから馬たちもたまったもんではない。
アブに襲撃された馬は、何とか体に着地されないよう、首を思いっきり振り回して口で追ったり、尻尾を上下左右に激しく振って叩こうとする。
だが、敵も然る者、短い生存期間の中でいつ学習するのかわからないが、馬の死角を知っているのである。
それは、ちょうど尻尾の付け根から背中の方に向かったお尻の部分で、そこに運悪く着地された馬は、口や尻尾で追い払うことができなくなる。
まさに人間で言えば、手も足も出ない状態である。
放牧地でなにやら騒がしい時は、誰かがアブの犠牲になっているので作業の手を休めて救済に向かう。
「ほらほら、やっつけてやるからこっちおいで!」
と、ゲートへ近づくと、今まで何とかアブを追い払おうと、思いっきり空に向かって後ろ足を蹴り上げ、走り回っていたのが急いでこっちへやってくる。
そして、あの騒ぎはどこへやら、人の前にピタッと止まりじっと我慢の静止状態である。
息を止めてねらいを定め、力を込めて思いっきりアブを叩くと、手のひらが血で真っ赤になるときもある。
ポロッと地面に落ちた瀕死状態のアブを、足で踏んづけとどめをさす。
そうしないと、いつの間にかまた飛び立つほど強いのである。
「やったぁー!」とわたし。
馬からは、「ふぅ〜〜。」とため息。
大きな体をして、必死の形相で助けを求めてくる馬に、悪いとは思うが思わず笑いが出てきてしまう。
夏の暑いさなかの労働、疲労したときにフッと和む一瞬である。
馬の大敵、アブ
2008/09/11 3:07:32 | リンク用URL
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