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2008
我が牧場には6歳になるとても優秀な馬がいる。
カレはGelding(虚勢した馬)でお客さんのレッスン馬としては一番の稼ぎ頭である。
乗り手の未熟さはカバーしてくれるし、さぼることもなくおとなしくて安心でどこの乗馬クラブでも欲しい馬だ。
それが、なぜか装蹄師には受けが悪い。
前足の鉄を外すところまでは何とかおとなしくしているのだが、そこからはとにかく足をもたれるのを嫌がる。
2歳の頃から装蹄はされているので、充分慣れていてよいはずなのに装蹄師が足を持つと何が何でもその手を振り払おうとするのだ。
だかといって人を蹴ろうとするわけでもないし、装蹄を怖がっている様子もない。
いつも見事に涼しい顔をして装蹄師の手から足を抜こうとする。
最近の日本の事情はどうか分からないが、アメリカではそのような状況になると鎮静剤が使われる。
私の所へ来てくれる装蹄師も、「馬とけんかしてお互いに怪我をするよりは賢明・・・。」と言って首にブスッと鎮静剤の注射を打つ。
最近では1本では不足で2本打つこともあり、それを見つつ「あ〜ぁ、これで20ドルの追加料金だぁ〜。」とため息。
馬のやること必ず理由がある、といつも思うのだがカレの言い分はなんなのだろう。
言葉が通じるものなら一度聞いてみたい。
そして、カレはきっと言うだろう、「嫌なものは嫌なのさ。 理由なんてないよ。」・・・と。
装蹄の風景
2008/08/14 6:54:34 | リンク用URL
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